[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「夜明けを告げる風」と「火の国より来たる者」のネタバレを含む記事です。
「夜明けを告げる風」ですが、色々と思うところがありまして、自分で読み返すのが恥ずかしい話の第一位に燦然と輝いています。ずっと、部分的にちらっと確認する以外には、まともに読み返してなかったんです。
でも、そろそろもうそんなに恥ずかしくないかなと思って、ひょいと途中をのぞいたら、ヨブが「妻たち」とかいってて、「あっそういえば嫁が二人いる設定だったこの男」と思い出して、とても微妙な気持ちになりました……。素で忘れてた。妻子がいることは覚えてたんだけど、嫁が一人じゃないことは忘れてた。
「夜明け~」の時点で、まだ二十五歳かそこらだというのに、嫁二人との間に息子が三人、それから書いてないけれど、多分娘も一人いる。成人が十五歳で、一年の長さも地球より長いので、わたしたちの感覚の二十五歳よりは、だいぶいい年のはずなのですが、しかしなあ。
娘もいる設定というのは、ここの砂漠地方では女を労働力に数えない慣例なので、公式の場面では子どもの数として息子しか勘定に入れない、というような背景があって、それで娘の数をあえて書かなかったっていう。でも、そんなところの設定に凝っても、本文に書かなかったらちっとも伝わりません。なんというか、自己満足の見本のような設定でした。
火の国を読んでくださった方々から、ヨブはもっと頑張れとか、へたれとか、悪い男だとか、いろんなお言葉をいただきまして(ありがとうございます!)、自分でも「ほんとにそうだよ、お前もっと頑張れよ」とか思っていたんですけど、いま、ますます「ほんとに駄目な男だなこいつ!」と思いました。女の敵じゃないか。
ヨブというのが鳥の名前だという、夜明けで書いた設定のことも、火の国を書くころにはすっかり忘れていて、書き終わるころに突然思い出して、ひとりで猛烈に赤面していました。(ヨブは「火の国~」の中でトゥイヤに鳥の彫刻の入った髪飾りを贈っている)なんて恥ずかしい男なんだ、お前……。
やっぱり自分で書いた小説なんて、そうそう読み返すものじゃないですね……。思い出は思い出として、テキトーに美化しておいたほうがいいんじゃないかな……。
本当は、自分で読み返しながら臆面もなく「あらやだ、なにこれ萌えるわー」ってなれるようなものを、書けるようになりたいです。道のりは遠く険しい……。
しばらく前に某氏さまから、トゥイヤが暗闇の路で、足元の陥没に気付かずに落っこちかけたときに、髪飾りを落とさなかったか気にしてほしかった……とのお言葉をいただいていまして、「ぎゃー!」って思いました。(まだこちらをご覧かわかりませんが、その節は本当にありがとうございました!)
ぎゃーなにそのときめく仕草! なんで書くときに思いつかなかったの! わたしの馬鹿! と思って、ものすごく悔しかったです。
ヨブは、自分では実父(族長)から疎まれていると思い込んでいるけれど、客観的には、公式にも部族のために戦死した男の息子ということで、それなりの身分を与えられており、出世株といってもいい立場についています。それは生まれによるものだけでなく、案内人としての実力と、実直な性格からきた人望にもよるものですが、それでも彼が族長の子だというのは暗黙の了解であり、一部の男たちからは、妬みも買っています。
火の国を書くときに、そのへんの設定も出すつもりだったのですが、なんだかんだで、ほとんど出せず。ラストらへんで、同僚から族長に告げ口するぞといわれたときに、ヨブは「好きにしろ」と返すところまでは書いたのですが、本当はそのあと、謝るトゥイヤに対して、「気にしなくていい。どうせもとより、俺は族長に疎まれている」とかなんとかいうはずでした。それも書くのをきれいに忘れてました。
設定上は決めていたのに、書くのを忘れていたような小ネタがけっこうたくさんあって、ちらちら読み返しながら、そういうあれこれを思い出しました。
こんなところでいろいろ書いても仕方ないというか、言い訳くさいというか、(しかも、ものすごくいまさら!)、未練がましくてみっともないだけのような気もするのですが、そのうちきれいに忘れて記憶から葬りそうなので、まだ覚えているうちに、ログのつもりで流しておきます……。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ラノベ棚