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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 読了。

 某国の大統領がテロリストに拉致され、弾道ミサイルの発射スイッチがある軍事施設に監禁された。でもみんな、まだどこか他人事のような、現実感のないような気持ちで、遠くから騒いでいる。
 そんな中、デザインコースの課題として、絵を描くために屋上に上がった主人公は、金髪リーゼントという、いかにも不良然とした同級生・国重をはじめ、ちょっとヘンテコな連中に遭遇する。最初はちょっと警戒した主人公だったが、話をしてみると、かれらはなかなか面白いやつらだった。そんな中、国重がおもむろに言った。「今日から俺たちは屋上部だ」
 屋上部の活動内容は、屋上の平和を守ること。世界が弾道ミサイルの脅威に怯えて固唾を呑んで事態を見守る中、屋上部の四人は屋上の平和を守るため、という名目のもとに、好奇心から身の回りの奇妙な事件に首を突っ込み始めるが……


 さわやか! 心あたたまるエピソードやユーモア、ほのかーな恋愛模様、起伏に飛んだ盛り上がる展開、痛快でさわやかなキャラクターたちと、わくわくしながら読める、極上のエンターテイメント作品でした。
 薦めていただいたときに、伊坂幸太郎さんの影響が強いと聞いていたのですが、たしかになあ、と思いました。セリフ回しや文体がそっくりだし、用意された展開(劇画的というか、フィクション色の濃さ)、伏線の使い方なんかにも、色濃い影響を感じます。でも、キャラクター性だったり、テーマだったりという面で、伊坂さんの作品とはまた違う種類のよさがあるように思いました。
 というかキャラクターがすごく好き。いいなあ国枝。いいなあ沢木。

 読んでいてすごく楽しかったです。恵さま、教えてくださってありがとうございます!

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そうですね。
キャラクター性、テーマが良かったですよね。それは僕も感じました。

いま、伊坂幸太郎さんの「オー! ファーザー」を読み始めました。伊坂さん王道! っていう感じです。この作品には「あとがき」が付いているのですが、そこで伊坂さんがちょっとした告白をされております。伊坂さん、どうやら最近の作品は【意図的】に変わったものを書かれているようです。で、この「オー! ファーザー」は【意図的に】【変えていない】【得意な書き方】で描かれています。
僕としては、この【意図的に】【変えていない】描き方が大好きなんです。

でも、今後はあんまり、このような作品は描かないのだろうと……。
なんだかちょっと寂しい気持ちになりながらも、物凄く面白いって感じながら読んでます。はい。
Posted by 中村 恵 2010.04.04 Sun 03:06 編集
恵さまへ
 伊坂さん王道、いいですねえー! 『オー! ファーザー』はまだ読めていないんです。読むのがいっそう楽しみになってきました。
 実験的かあ。たしかに『SOSの猿』や『あるキング』はちょっと独特でしたもんね。そのあたりの作品も面白かったけれど、『砂漠』や『陽気なギャング』や『ゴールデンスランバー』あたりが大好きなので、私もそう聞くとちょっと複雑な気分です。……といいつつ、新刊が出たら読みますけども!

『屋上ミサイル』、おかげさまで、良い本に出あえました。ありがとうございました!
Posted by HAL.A URL 2010.04.04 Sun 12:08 編集
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