オカルト短編「天眼の鬼」UPしました。
http://dabunnsouko.web.fc2.com/novels/prophet.html
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暮れに古い懐中時計を買ったところ、妖物が付いてきた。
妖物、という呼び方が適当かどうか分からないのだが、掌に載るほどの、小さな鬼の姿をしている。大きさこそままごと遊びの人形のようなものだが、ざんばらの髪の間からは、立派な角が顔を出している。土気色といったらいいのか、何日も前に死んだ人間のような膚(はだ)の色の中で、二つの眼ばかりをぎょろりと金色に光らせて、ふと気がつけば、いつでもじっとこちらを見ている。……
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オカルトっていっていいのかな、ホラーというほどおどろおどろしくはないのですが、買った懐中時計に、不吉な予言ばかりをする小鬼が憑いていて……という話です。
昭和初期くらいを漠然とイメージして書いたのですが、時代考証はテキトーです(断言)懐中時計とか万年筆とかいう言葉を書きたかっただけです……。
先日からネタ帳ブログで公開していたやつの、文章面をちょっと推敲しただけですので、もしそちらですでにお読みくださった方がいらっしゃいましたら、ほぼ同じものです。
ようやく推敲を終えてページを作りました……なんでこんな短い話にここまで手間取ったんだろう。遅筆の呪いが悪化している気がします(涙)
筆ならしの習作のつもりで書いた小品ですので、読んでくださいとお願いするのも図々しいような話ですが(汗)、どれちょっと暇つぶしに読んでみてやろうという方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いします。
えらいこと辛気臭い話ですので、ハッピーエンド派の方はご注意くださいますよう。
まだインク通してません。サイトで見たら、試し書きの青インクが内部に残っている場合があるので、LAMYの青インク以外のを入れるときには、先に一度洗えとのこと。
せっかくだったので、コンバーターも一緒に買いました。カートリッジが一本オマケでついてはきたんだけど、そっちじゃなくて、別メーカーのボトルインクを使おうかなと思って。ホントはその万年筆と同じメーカーのインクを使うのがいいらしいんですけど、まあ何万円もするような万年筆じゃないし、壊したら泣きながら諦めます。
ペン先はM(中字)です。海外製の万年筆は、同じ字幅表示の日本のものよりも字が太めになるそうなので、細字にしたほうが無難かなとは思ったのですが、手持ちのハイエースネオが細字なもので、せっかくなら使い分けようと思って。書くのも大きめのノートばっかりで、手帳用じゃないし。字もでかいし。
書き心地はどうかなー。なんでこう、新しいものを買ったときって、むやみにワクワクするんでしょうね。物欲って怖い!
某所で火の国にコメントいただいてました。う、嬉しい……!
とこしえ世界の話は、まだ脳内地図のなかに書きたい地域やエピソードがいくつもあるのだけど、一本のストーリーに仕立てるほどまとまってなくて、いっとき時間がいりそうです。だけどいつか、また書く。
鳥たちの楽園の話は、すごくグロテスクな話になりかねなくて、いちど書きかけたのですが、慌ててストップしました。救いのない話を、救いのないままに書くのは避けたい。希望の残るオチを見出せたなら、いつか再挑戦します。
今日は思い切り惰眠をむさぼったあと、預かっている子猫と遊んで、そのあとはずっと池澤夏樹「氷山の南」を読んでいました。いい休日でした。
池澤さんの小説はいずれも、読んでいて、外の風を感じる作品ばかりです。ストーリーがどうとかいうよりも、そのもっと手前の部分で、この方のものの見方、その広い視点、透明なまなざしに、強く惹かれます。その叡智のおこぼれにあずかって、自分のものの見方も、知らずにとらわれていたくびきから放たれて、広がる……ような気がする。
ご本人もいつかエッセイの中で、本を読むことは旅をすることと似ているという話を書いておられましたが、まさしくそうした、旅をするように読む小説だと思います。家の中にいながらにして、南極海に悠然と浮かぶ巨大な氷山を思い、アボリジニの信仰と文化を思い、クジラの歌声を、アイヌの楽器の音色を、この耳で聞いたかのような気持ちになる。
読み終えて、クジラの歌について、インターネットで調べてみました。それから、アイヌの竹でできた楽器、ムックリのことも。どちらもYoutubeで聞くことができて、不思議な感慨がありました。「クジラの歌ってどんなだろう?」と思った五分後には、録音とはいえその歌声を耳にすることができる。インターネットというものは、すごい(善し悪しは別としても)。いまさらですが、あらためてしみじみと思いました。
いつか生で聞く機会があったらいいな。
そういえばクジラについては、池澤さんは「クジラが見る夢」というエッセイも出されています。写真がたくさん載った本で、素潜りの達人であるジャック・マイヨール氏とともに、野生のイルカやクジラたちと過ごした日々のこと。いま手元にあったのを確認したところ、新潮文庫版が平成十年四月刊行、もとは平成六年に出た本でした。
高校のときに池澤さんの本に出会って、ほれ込んで、自分でも少ない小遣いの中から、少しずつ集め始めて。クジラが見る夢は、ちょうどその頃に買ったものなので、思い入れがあります。
同様に、北海道出身の著者ご自身にもゆかりのあるアイヌの人々を描いた小説で、少し前に「静かな大地」という作品が出ていて、そちらも素晴らしかったです。
戦闘妖精雪風を読み終わりました。厳密には、「戦闘妖精・雪風<改>」ということで、2002年にハヤカワ文庫から刊行されたバージョンです。
読み終えてみれば、読む前に漠然とイメージしていたような、手に汗握るバトルが爽快なアクションというわけではなく(なんかそういう小説だと勝手に思いこんでました)、皮肉で、哀しくて、ほろ苦いような話でした。
緊迫感に満ちた空中戦シーンはもちろんあるのですが、全体を通してみれば、思ってたほどアクションアクションしてなかった……と思うんだけど、それは私が戦闘機に詳しくないからかもです。というか、ぶっちゃけ、用語が半分がたよくわからないままノリで読んでしまった。SFが好きといいつつ、とても軟派なSF読者です。
しかし、面白かった。あとブッカー少佐の包容力にときめいた。
これは続きも読みたいと思って、即Amazonでポチりました。そしてなぜかそのショッピングカートにはLAMYのサファリが!(※万年筆。定価三千円ちょっとくらい、Amazonで二千円ちょっと)
……いや、その、四月の忙しいのをなんとか乗り切ったので、こんど残業代が入ったら、自分へのご褒美的に何か無駄遣いをしたいなあという欲望が、ちょうどむくむく湧いていたところで……。
無駄遣い。無駄と分かっていて、なぜ人は金を遣うのか。それは浪費という行動そのものが楽しいからだ!(どーん)
……しかし、貧乏人の悲しさか、ホントにぱーっとは、お金を使えないんですよね。あと、使わないものも買えない。
安月給とはいえ、就職してからこっちは、それほど節約に心を砕かなくても、贅沢さえしなければまあやっていけるようになったんですが(独身というのが大きい)、それでもなお、いまだに浪費という行動に罪悪感があるのは、三つ子の魂百まで的なアレでしょうか。
吝嗇家な自分と浪費家な自分が同居していて、「いや、これは浪費ではない、実用品だ! 活用するのだ!」という言い訳をしながら文房具を買っちゃったりするわけなんですが、自分で「ほんとかよ?」と思います。いえ、買ったからには使うんですが、しかし不要不急の品であり、かつ、すでにいま持っている安物でも、じゅうぶん用途としては足りているわけで……。やっぱり無駄遣いは無駄遣いです。
しかも、どうせならぱーっといいものを買って一生ものにすればいいのに、何万円もする品には結局手が出せなかったっていう。
だけど店頭で見たら可愛かったんだ、サファリ……。
っていうか、騙されるな、私。二千円は万年筆にしては安いかもしれないが、一般筆記具としてはじゅうぶんすぎるほど高いよ!
届いたら楽しくラクガキします。プロット立てたりするのに使うんだー。(手段と目的のどっちがどっちか深く考えてはいけない)
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