寒くなりましたね。
今日、ストーブを出しました。いまどきは電気ストーブの類も進化してきていますが、昔ながらの灯油のやつです。やっぱりこれが一番温かい。……気がする。
本当はコタツを出すつもりだったのですが、近ごろ我が家のオス猫三匹がどうにも仲がわるく、しょっちゅうケンカをしています。ケンカをすると、猫というのはナワバリ誇示行動に出がちなもので、そのへんにオシッコをひっかけます。冬の間にコタツ布団を何度洗うことになるかを考えたら、とてもコタツを出す気になれないと、母の泣きが入りました。
で、コタツより先にとりあえず、ストーブが出たわけですが、これにもひとつ問題があって、我が家には、今年来たばかりの子猫がいます。
猫というのは基本的に、好奇心にみちあふれた生き物です。かつて我が家には、人間が止める間もなく勢いよくストーブに飛び乗り、熱さに驚いて慌てて二階まで逃げていった子がいました。幸いにもたいした火傷は負いませんでしたが、やはり怖いです。
肉球を火傷するのも可哀相だけど、熱湯の入ったヤカンでも蹴り倒した日にはと思うと恐ろしくてかないません。
それで過去、新たな猫がやってきてストーブを入れるときには、父がいつも最初に猫の前脚を掴んで、ちょいっ、と天板に触らせることをやっていました。これは熱くて危ないんだよと、身をもって覚えさせようという試みです。
幸いにもこれまでは、そうやって皆きちんと学習し、ストーブの前に群れ集いこそすれ、飛び乗ったり手を伸ばしたりは、誰もしませんでした。
が、父の泣きが入りました。
新入りの子猫があまりにも可哀そうで、熱い天板に触らせたりなんて、そんなひどいことはとてもできないというのです。
そりゃそうだ。と思う反面、去年まで他の子たちにはやってたじゃない……? とも思います。ほかの猫たちは可愛くなかったんかい。
まあでも、わからないでもないです。新入りがまだチビだからというのもありますが、なんていうか、憎めないやつなんです。
しじゅう目を爛々とさせて悪戯をしてまわり、人間をかじりにかじり(痛い)、ほかのどんな体の大きい猫たちよりもがつがつとものを食べ、人の食事を横取りして逃げます。そして暴れたり食べたりするのに飽きると、人間のところにやってきて、膝に乗ってころんと丸くなって喉を鳴らします。
人的被害および迷惑度でいえば、我が家の八匹の猫たちの中でもダントツのナンバーワンなのですが、しかし愛くるしく、憎めないです。なんというか、ものすごく得するタイプだなと思います。ちゃっかりしている末っ子気質。
この子、とても可愛いのですが、なんというかやることが一々ちょっとおバカさんです。どうも学習能力が低いのではないかと思わせられることが多々。よくひとりで勢いよく走りすぎて壁だの棚だのにぶつかったり、階段でこけたり、文机の天板で頭をぶつけたりしています。
馬鹿な子ほど可愛いというやつでしょうか。愛くるしいです。
音を上げた父から、お前がやれといわれて、しかたないかと腰を上げたはいいものの、前足を持ってストーブにちょっと近づいた時点で、びくっとしておどおどと顔を見上げてきます。いまからなにか怖いことをされるぞというのを、察知しているようです。普段はおバカさんなのに、なんでこんなときにだけ賢いのでしょうか。
結局、ああでもないこうでもないと小一時間騒いだ挙句、家族全員が断念しました。誰も子猫の愛くるしさに勝てず、心を鬼にできなかった……。
あとはストーブの存在に慣れたころに油断して飛び乗ったりしないことを祈るばかりです。うむむむ、エアコン導入……いやだけど電気がかさむ……。(悶々)
電子書籍リーダー、じわじわ普及してきましたね。わたしもちょこちょこお世話になっているSONYのReaderですが、新型の販売価格はすでに一万円を切っているようです。家電はほんとうに安くなるのが早い……。
発売されてすぐに買うよりも、しばらく待って不具合が改善され、そこそこ安くなるのをまってから買うのが家電のセオリーといえど、まず誰かが買わねば改善も次世代機の開発もされませんし、安くもなりません。発展を願うのならば、お布施のつもりでお金を払うのもひとつの道ですね。
悔し紛れです。(自分が買った一年半前には旧バージョンが二万円以上した)
手持ちの機会が現役で活躍していて不自由も感じないので、どうせ買い替えるつもりもないのですが、キンドルといいタブレットといいKoboといい、電子書籍端末の選択肢は広がる一方です。電子書籍で販売されているタイトルも、コミックスを中心にどんどん増えてきていて、嬉しい反面、寂しくもあります。
紙の本って、徐々に高くなっていっちゃうんだろうなあ。
印刷物の常で、いちどに部数を刷れば刷るほど、単価は下がるものです。だんだん電子書籍で買う人の割合が増えてゆけば、必然的に紙の本の利幅は下がりますね。そのうち電子媒体のみでの出版と、紙媒体のみでの出版で、何かしらの差別化が図られるのかもしれないし、紙の本はそもそも趣味的な品になるのかも。
エコ的にはすごくいいことなんですけどね。省スペース的にも。引っ越しのたびに迷わず持っていけるし。小説よりもかさばりやすいコミックスでこそ、真価を発揮するなあと思います。
あと、地方者の常で、たいていの本は発売から入荷まで間があきますので、紙・電子同時発売の電子書籍がちらほら出てきたことは、非常に嬉しいニュースでもあります。一日でも早く読みたい新刊もあるので。
反面、いままで紙でずっと買ってきたシリーズが、途中から電子書籍に参入したときに、二日ばかり早く読みたいがために途中から電子書籍で買うか、それともなんとかぐっとこらえて二日遅れで紙で買うか、という強烈なジレンマもあります。(時間差で両方買えばいいじゃないっていう悪魔のささやきは聞かなかったことにします)
自分が電子書籍とどう付き合っていくのか、姿勢が固まるようで、なかなか固まりません。利便性度外視で好き嫌いだけをいえば、やっぱり紙の本が好きなんだもんなあ。
ファウンデーション<銀河帝国興亡史1>が、地元の書店に1巻だけしか置いていなかったので、2巻以降はそのうちAmazonで通販するつもりでいたのですが、仕事帰りに別の用事で同じ書店に出向き、何の気なしにふっとSFの棚を見ると、今度は2巻だけが置いてありました。
1巻はなくて、2巻だけです。
在庫があったのを、たまたま先日は表に置いていなかったのでしょうか。ただの偶然かもしれませんが、財布を狙い澄まされたかのような錯覚とともに買ってまいりました。1巻が売れたのに気付いた店員さんが気を利かせてくれたのか、それとも本当に偶然なのか。とても気になります。
これは一気読みしたい気がするので、通勤バスじゃなくて、休日に読もうかと思います。ということで、通勤読書の海外SFリレーはいったんお休みして、いまは開高健「ベトナム戦記」。
小説ではなくノンフィクションの、いわゆるルポというやつです。高名な方なので、ご存じの方にはいまさらかもしれませんが、二十年以上前に亡くなった方です。1960年代、内戦の真っ最中のベトナムへ取材に行かれた際の記録。
国じゅうどこにいっても戦闘の起きている、全土が最前線だったというベトナム。戦闘のことだけではなく、農村や市街地の風景と、そこで逞しく生きる人々の姿も記されています。ものすごく読みごたえのある一冊。
このごろ、書くほうがなかなかうまくいかなくて、地味に焦ったりもしているのですが、読むほうは読むほうで、ちっとも追いつかなくて、やっぱり焦ります。読むべきものも読みたいものも山のようにあって、圧倒的に時間が足りないっていう。
なんだか、書くことが好きかどうかとか、そういういらんことでうだうだ迷ってる場合じゃないよなあ、という気がしてきました。そんな暇があったら、その時間に読んだり書いたりしたらどうよ。同じ悩むにしても、読んだもののことをじっくり考えたり、書くものの中身で悩んだりするのに時間を割いたらどうなの、なんて。
人生は短いです。いつ何があるかわからないっていうのもそうだし、そうでなくたって体力もないし、健康優良児とも言い難いし(児?)、うっかり早く死んだり、病気して小説書く体力がなくなったりするかもしれないんだしさ。
ここ数日で、「Unshared Blue」と「天眼の鬼」に拍手をいただいていました。ありがとうございます!
昨日、横山秀夫さんの新刊「64(ロクヨン)」を購入しました。七年ぶりの新刊です。嬉しすぎて、理性は「土曜までガマンして一気読みしろ」と叫んでいたにもかかわらず、昨日の夕刻、さっそく読みだしてしまいました。だってファンなんだもの……。
読みだしてしまえば止まるはずがなく、午前二時すぎに読了しました……きょう仕事中に居眠りしなかったのが奇跡のようだぜ!(ちゃんと社会人らしく自己管理してください)
面白かったー!
10年ほど前から、氏の小説のファンです。仕事帰りにタイトル買いした「クライマーズ・ハイ」に圧倒されて、その後のめりこんで、買いあさりました。
警察小説で有名な方ですが、「クライマーズ・ハイ」は新聞記者の話で、日航ジャンボ墜落事件を追うストーリーです。氏はもと新聞記者の方で、ご自身の体験を執筆に活かしておられます。
横山作品は、主人公がものすごく格好いい、仕事に生きる男であることが多いです。わけても「臨場」の主人公・倉石は、強烈なカリスマ性を持つキャラクターで、弱みも稀には垣間見せながらも、基本的にはキャーキャー黄色い声を上げたくなるような、痺れるような男ぶりですが、そのほかの刑事小説に登場する主人公たちは、デキる男でありながら情に厚く、どこか青臭さを捨てきれずに残しており、必ずと言っていいほど、なにかしらの弱みを抱えています。
ひとりの男としての生き様と組織人としてのありようとの間で、仕事に生きることと家族との間で、自らを縛る過去と目の前の事件の間で、強烈なジレンマに陥っている。色々なことに縛られながら、その中で必死で考え、苦しみ、悩みながら戦っている。そういう人間味あふれるキャラクター造形が、大きな魅力のひとつです。
64の主人公もそうです。長く刑事畑にいて実績を上げ、刑事としての自分に誇りを抱いていたにも関わらず、横やりが入って、広報畑に回されてしまう。それでも任期中はともかくその場所で出来ることをしようと腹をくくった矢先、家族を人質に取られるも同然の形で首根っこを抑えられ、上官に屈せざるを得なくなる……
警務部と刑事部、キャリアとノンキャリア、警察とマスコミのあいだの対立。そのあいだで板挟みになり続ける主人公。14年前に起きて未解決のままの誘拐事件を軸に、交差するそれぞれの思惑。
オススメです。
ときどき思い出したように万年筆の話をしていますが、万年筆ファンのあいだには、万年筆沼という用語があるらしいです。いつの間にか底知れない沼に足を踏みいれていて、ふと気がつくとまた新しい一本が増えている。物欲って怖いですね!
万年筆のインクにも、インク沼があるらしいです。綺麗なインクのボトルがふと気付けば一本、また一本。財布はどんどん軽くなっていき……
笑い話ではありません。
ペリカンの、ロイヤルブルーのインクが好きです。
書いた瞬間は紫ですが、しばらく経つと赤味がうせて、きれいなブルーになります。写真じゃ伝わらないかも?
数ヶ月前にたまたま目にする機会があったのですが、手持ちにペリカン社製の万年筆がありませんでした。しかし、違うメーカーの万年筆にインクを入れることには、リスクがあると聞きます。手持ちの万年筆は、いちばん上等なのから千円の安いのまで、すでにそれなりに使い込んでおり、愛着がわいています。うっかり変なことをして壊したら悔しいです。いつかもし壊すなら、使いこんだあげくに壊したいよねーと思います。
そういうことならペリカンの万年筆を買えばいいじゃんと思い立ち、ペリカーノを買ってしまいました。同社の廉価のカートリッジ式万年筆です。じつは少し前の話ですが、なんとなく後ろめたくていまごろ告白しています。
…………ええ。インクのために万年筆を買いました。
いくら廉価版でもさ、にせんえんするんだしさ、それってちょっとどうなの……?
ちょっと反省しています。
反省しつつも、ペリカーノ、とても書きやすいです。細字だけれど、日本製のペンの中字と同じくらいか、それより気持ち細いかくらいの字幅になります。
ちょっと前にLAMYのSafariを買ったときにも思ったけど、なんとなく、丸っこい字になる気がします。日本製のはそんなことなくて、なんとなく流れるような字になります。自分が書くと残念な感じですが、達筆の人が書いたら美しくなるんだろうなという線。
やっぱり、アルファベットを想定してつくられたペン先と、日本語を想定してつくられたペン先では、形状が違うんだろうなと思います。
同系統のペリカーノJrという万年筆は、よく文具店でも見かけますが、このペリカーノのほうは、すでに廃番になっているらしいです。地元の万年筆専門店に残っていたのが、赤とオレンジしかなくて、使いたいインクがロイヤルブルーなだけに、本当は青が欲しかったのだけれど、まあないならしかたないかと妥協しました。ペリカーノジュニアにしてもよかったんだけど、そっちはちょっとデザインが可愛らしすぎた。
いつかロイヤルブルーに飽きたら、そのときによく洗って赤インクに変えて、赤ペンとして使ってもいいかもいいかもしれない。
だけど、そのころには愛着がわいていて、インクを変えるのが忍びなくなっているかもしれない……。(あれ? また買うフラグ?)
万年筆のインクというのは、よくよく洗ってもペン芯の中にわずかに残るらしくて、そしてインクとインクの相性によっては、混ざると固まって不調の原因になったりするらしいです。同じメーカーのインクでも、色によって素材は違うので、混ぜないほうが無難なんだとか。中には混ぜても大丈夫なケースもあるらしいですが、怖いのでやりません。
また万年筆自体も、真新しく入れたばかりのインクよりも、しばらく入れて使って馴染んでいるインクのほうが、インクフローがいいようです。だから大事にしたい万年筆は、いちどインクを決めたら、できればずっと変えないほうがいいんだとのこと。
きれいな限定色インクも素敵だけど、長く使いたいペンに入れるなら、スタンダードカラーが無難ということですね。
……またいつかほしいインクが出てきたら、万年筆を買っちゃうんじゃないかという気がして、自分で自分が恐ろしいです。
微妙に感覚マヒしかかってるけど、千円とか二千円とかって、筆記具にかける費用としては、決してはした金じゃないからね? メイドインジャパンは優秀だから、100円のボールペンでも気持ちよく書けて長持ちするんだからね?
先日、友がよんまんえんするスーベレーンM605限定シルバートリムを衝動買いするところを目撃しました。
正直いうとものすごく羨ましいし、本音をいうと真似したいのですが、お金がありませんし、それにわたしにはすでに愛用の、セーラー社製の本妻があります。見た目はちっとも可愛くないけれど、書き味は自分にぴったりの、大事な一本です。ここは何が何でも涙をのんで我慢します。しますったらします。うらやましいけど! だって高いし!
何かの節目の年とか言い訳をつけて、数年後にスーベレーンを買っていたら、指さして笑ってやってください……。ほんとにやりそうで怖いよ! そんな買い物に見合うだけの稼ぎはないよ!
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