老魔法使いの話、細かいプロットを立てなおして、また続きを書きだしました。いまだいたい五十枚で、多分全体の六割くらい。引き続きのろのろ進行ですが、がんばります。
自分の萌えに正直に書いておりますが、しかし老人萌えの需要が果たしてどこかにあるものかと、いつものように余計な雑念に惑わされていたら、ページのP様(http://pisforpage.web.fc2.com/)より、ニッチな萌えだって、ボトルメールを海に流すつもりで書いたらいいよ(※意訳)という素敵なお言葉を頂戴しました。(ありがとうございます!)
そうだね、大海に流せばいつか誰かが拾ってくれるよね! という気持ちになりました。うん。愛をこめて書きます。マニアックだけど!
萌えツボがマニアックすぎる(老人萌えー)とかいうことだけじゃなくて、話全体が暗いのも、ちょっと不安だったりします。いつもは、ハッピーエンドでない場合も、なるべく後味の悪くない話を書いているつもりなのですが、今度のはどうかなあ。
どうやってもあまり爽やかな読後感になりそうにはないので、ハッピーエンド派の方々を思えば、なんだかとても心苦しいっていうか、わたしこのごろますます更新遅いっていうか、色々すみません……待ってくださってる方がいらっしゃるかわかりませんが、いらっしゃったらホントすみません……
いまのご時世、世の中にはこれだけ魅力的なオンノベがたくさんあるので、わたしひとり更新が遅いからといって、オンノベ読みの方々はちっとも困らないはず……! などと自分に言い聞かせつつ、マイペースにコツコツいきます。とりあえずまずは年内に老魔法使いの話、できればとこしえ最新話まで!
万年筆は使ううちに書き手のクセになじんで書きやすくなっていくといいますが、どうやら本当のことで、何か月かの間、毎日使い続けているうちに、あるとき気がつくと、以前よりも書きやすい、インクのたっぷり出るペンに化けています。
そういうのって、お高い万年筆だけの話かと思っていたけれど、どうやら安いものでも同じようです。長持ち度合いでいえば、お高いやつのほうが長く持つそうなんですけど……(といいつつ、持っている廉価品も国産かドイツ製ばかりだから、安くてもあんがい長持ちするんじゃないかと踏んでいたり)
そもそも繊細な筆記具ですので、紙や、その日の湿度や、こちらの使用環境(机の高さや姿勢とか)、体調によってもそれぞれ微妙に手ごたえが違います。おや、今日は調子がいいなと思う日もあれば、いまは何だか書きづらいなという気がするときもあります。
なので、「あっ、手になじんだぞ!」というほどはっきりわかる劇的な瞬間があるわけではないのですが(私が鈍いというのもあるかもしれない)、それでもふっとある日気づくと、書き心地がよくなっている。お腹が減っているとき、いつの瞬間から自分が空腹だったかわからないけれど、とにかくさっきからずっと空腹だったんだと気付くような、そんな感じに似ています。
それに気付いたとき、なんだか嬉しくなって、そういう「育てる喜び」みたいなものをもう一度味わいたくなり、もう一本欲しいなー…………とか思い始めると、とても危険なことになります。(真顔)
さらに何年も使い続けるとますますレベルアップするらしいですから、同じものを長く大事に使ってじっくり育ててあげましょう。(自分に言い聞かせている)
万年筆には使う喜びの他に、コレクションする喜びというのもあるらしいですが、そっちを楽しむのはお金持ちの趣味だから! 稼ぎが追いつかないから!
あいにくと庶民なので、欲しいなー……という欲は、ちょっととっておいて、その分をちょっとずつ、万年筆貯金に回そうかなと思い始めています。衝動買いを堪えるたびに、五百円か千円か貯金箱に入れて、給料日や臨時収入のあったときにも、そこにちょっと足す。それを何年か続けて、何万円かの資金が溜まったころに、まだ新しい万年筆が欲しいかどうか、自分の胸に問いかけてみようかと。
その頃にはいま持っている万年筆たち(本妻とそのほかの廉価品)も、さらに書き味が向上しているでしょうから、それですっかり満足しきっていればそれでよし、その資金を何か別のことに回したらいいし、まだもう一本欲しいような気がしていたなら、がつんと奮発して、それこそ一生ものになるような、いい万年筆をじっくり吟味して買ったらいいんじゃないかな。
幸いにも長崎には老舗のマツヤ万年筆病院さんがあります。そちらではすべて点検調整して販売されているとのことで、しかもそのお店で買ったものは生涯保障だそうで、何かあればいつでも診ていただけるとか。いずれ娘さんが後を継がれるという話も伺いましたので、安心して買えるなと。(買う気満々じゃん?)
ちなみに写真はラミーのサファリ(インクはエルバン・ティーブラウン)なんですが、このあいだペリカンのロイヤルブルーのインクが使いたいがために買ったペリカーノも、すでに馴染んで、すごく気持ちのいい書き心地のペンになっています。本妻のセーラー製はなおのことだし、別にもう一本とか欲しがる必要は本当はまったくないです。所有欲って怖い……
なんとはなしに、じわっと焦る季節ですね。
ふっと気付くとクリスマスの話題がテレビに流れていて、「えっ?」と思ってカレンダーを見れば、今年も残すことろひと月半。今年は去年までより読まなかったし書かなかったぞ……なんて、青褪めてみたり。なんか、年々読む量も書く量も、じわじわ減ってきていて、このままどんどん遅筆の病が進行していくんじゃないか、あっという間に読書をする体力も無くなってしまうんじゃないかと、呆然としたり……
慌てたって始まらないのですが、慌てます。サイトもこのごろ更新してないしさ。
日々、何もしてないわけじゃないんだけど、じゃあ何をしてるのかといえば、何をしてるんだろう……?(おーい)
とりあえず書くほうは、うっかり引き続き「とこしえ~」の最新話の下書きを、そのまま書き進めています。万年筆とノートで……
なんだか、いざ書いてみたらフィリオルがとんだロマンチスト野郎で、たまにふっと我に返って、「なんだこいつ……」とか思います。
しかし、頭の中でお話として形になったのは、ここ最近のことですが、いざ書いてみれば、最初からこういう話しかあり得なかったんだなという気がして、なんだか不思議な感じがします。
「とこしえの黄昏の国」と「灼熱の海の向こう」を書き終わった時点で、この話をいつか書くことは決まっていて、そしてこういう形にしかなりようがなかったんじゃないかというような。
しかし地味です。
ラブロマンスなのに地味な話で、あんまり大きな盛り上がりとか、感動のクライマックス! とかないです。なんだかなあと思いますが、でもまあ、もう自分はそれでいいんじゃないかという気もしてきています。ちゃんと盛り上がる派手な話は派手な話で、もちろんなんとか挑みたいんだけど、そもそも地味な話、好きなんだもん。仕方ない。好きなら仕方ないよ。
普段は好きなように地味な話を書いて、たまに思い出したように派手な話に挑むといいと思うよ。
しかしなんか、老魔法使いの話よりも、もしかしたらそっちが先に書きあがるかもしれないなあという気が……いやいや、でも中二病イベントは年内いっぱいなんだよ。もうすぐですよ。あわあわ。
自分で設定した締め切りに自分で追われてどうするよ?
一ヵ月半で書ける量って、あんがい知れてるんですよね……そろそろ本当に慌てるべき頃合いなんじゃないのか、私。
とりあえず週末がんばります。
このところわけもなく読書ペースが落ち気味なのですが、なんでなんだろうなあ。勢いの足りなさを、自分でちょっと悔しく思います。せっかくの読書の秋だったのにな。
暦ではまだまだ秋ですが、しかし実際的には、もう冬の入り口に片足突っ込みましたね。寒いです。寒いのがすごく苦手なので、とても憂鬱なのですが、しかし冬には猫が布団に入ってくるという楽しみもあるので、まあしかたがないかと思います。ストーブの前で猫玉に混じって丸くなるという楽しみもあるしね。しかし自分の部屋が寒すぎて、パソコンの前に長時間いられません。暖房器具……
そんなスローペースな読書生活ですが、一週間ほどかけて、バルザック「ゴリオ爺さん」を読みました。初バルザック。(オススメありがとうございます!)
最初のほうの文章がびっくりするくらいくどくて、そのくどい言い回しが面白いような気がする瞬間と、あまりのくどさに読み飛ばしたくなる瞬間が交互にやってきていましたが、そこを堪えて読んでいたら、中盤以降、いつの間にか読みふけっていました。そして夢中になって後半を読み、読み終わってがつんとヘコみました。
エグい小説でした。何がエグいって、猟奇描写がどうとかいうのはないのですが、「金がいかに人生を狂わせるか」というような小説でした。本来は愛情深い人からさえも、欲望が人間性を喪失させるという話です。
お金って、怖いです。大事だし、ないと困るんだけど、あればあったで、ある以上に際限なく使いたくなります。あるうちはいいのだけれど、なくなってもその依存性から抜け出すのが難しいという、しばしば悪魔のような顔を見せる存在でもあります。
もちろん、お金持ちの人がけちけちしてお金を遣ってくれないと、世の中の経済が回らなくなって貧乏人が困るので、お金を余らせている人には、ぜひとも浪費していただきたいものです。
しかし人というものは、ひとたび贅沢に慣れてしまうと、そうそう後戻りはできないものですね。生まれつきお金持ちの家で育った人が、貧乏な暮らしができないというのではなく、窮乏を知っている人でさえ、一度お金を持ってしまえば、なかなかもとの暮らしに戻る覚悟が決まらないものです。以前より収入が減り、節約せねばならないというのに、あるいは自分では節約しているつもりなのに、沁みついた習慣が元のペースでの購買をさせようとします。人間は基本的に、そういう習性を持っている。
たとえ破産して夜逃げしようが、不運に見舞われて働けない体になろうが、本来、福祉に頼って清貧に徹する覚悟さえあれば、ともかくなんとか生きてはゆける社会になっています。とても有難いことで、それに救われる人も実際にたくさんいます。でも、それを実践しつつ、その中に十分な幸福を見いだせる人は、あんがい少ない。もちろん、いないとは申しません。でも、周りがみんな豊かにしているように見えるときには、お金がないというのは、しばしばひどくつらく感じられるものです。
なんとか窮状から抜け出して、汗水流して働いて稼げるようになれれば、それが一番いい。でもそれができない場合もある。いま自分がすでに手に持っているものだけで満足できないというのは、人間を行動に駆り立てる原動力にもなりうるけれど、それが常にプラスに働くとは限らない。大半の人というのは、そんなに強くはありません。
社会に出て働くうちに、あるいは自分の身の回りで、お金で苦労する人を見る機会は、少なくなくて。困窮する人、飛び込んできたお金に踊らされる人たちと関わり、思い悩む機会が何度となくあって、その上でこういう小説を読むと、なんというか、ものすごく心に堪えるものがあります。本当に、お金は人をおかしくするんだよ……。
といっても、読みたくなかったというわけではなく、いい小説でした。娘たちに盲目的に愛と金を与え続けた不幸な父親が、ただどこまでも心の清い献身的な父性の塊だというわけではなく、人間的な、エゴに満ちた存在として描かれているのがよかった。
ちょっとしばらく忘れられなさそう。
万年筆のインクって、ものすごく物欲に訴えかける何かがあるなと思います。
秋口に、突然「秋っぽい色のインクが欲しい」というよくわからない衝動に背中を押されて、ふらふら吸い込まれるように買いました。エルバンのティーブラウン。
あのね、そういうのは、手紙を書く人のすることだから!
紙の手紙っていいなあと思うのですが、書く機会がありません。礼状を出すような機会も、ここ数年は絶えてない。
書きたければ別に、友達にでも書いたらいいんだけど、「なんで手紙?」ってなるよねいまさらね。実際、数年前に友達が手紙をくれたとき、「メールしてくれればいいのに、なぜわざわざ手紙?」と思ったもんね……。
母が留守にするときに、ときどき置手紙が残されていることがあるので、それがこのごろやり取りする唯一の手紙でしょうか。でも中身が「冷蔵庫に肉があるから焼いて食べてネ。母」とかなんだよね。肉……。いやまあ、焼くと切る以上の料理をする気がない娘が悪いんですが!
ということで、秋っぽいインクなんて買っても、有効活用的な意味ではとても微妙なのですが、しかし、セピア色のインク、目に楽しいです。使ってて幸せになれるから、まあいいか……。
エルバンって、ガラスペンのメーカーなんだそうです。ガラスペンも、いいよね……。美しいよね……。
たまに発作的に欲しくなるのですが、しかしどうせ猫に転がされて慌てるのがオチなのです。ちょっと楽しんだらすぐ仕舞い込んで、そのまま忘れて仕舞いっぱなしになるであろう。あまりに目に見えすぎているので、かろうじて自粛しています。安くもないしね……
万年筆のインクって、小瓶とかでもかなり長くもちます。ましてわたしの場合、本妻はセーラー万年筆製のやつなので、常用のインクは、セーラーのブルーブラックです。
こっちはがつがつ使うので、けっこう減りが早いんですが、それでも一年ほどかけて、ようやく一本をもうすぐ使い終わるというくらいです。それ以外の色は、そんなにたくさんは使わないので、まともに使い切るのには何年もかかりそうです。
だけど、万年筆のインクって、そんなには長持ちしないんだよ……。
保存状態次第ですが、目安としては、だいたい2年ほどで使いきった方がいいらしいです。だからさ、秋っぽい色のインクとか、そういう選び方をするのは、ちょっと危険だと思うな!(反省はしている)
冬っぽい色のインクは、かろうじて踏みとどまっています。というか、去年衝動買いしたパイロット色彩雫シリーズの「霧雨」が、まだまだ残っているんです。物欲……。
このインク、色味は味わいがあって好きなのですが、いかんせん薄いグレーなので、使いどころに悩みます。細めの万年筆に入れると、ものすごく見づらいです。中字の万年筆でも、いつもの感じでサラサラっと書こうとすると、ところどころ薄くなりすぎて読みづらくなる……。
難しい子です。
いまだったら、同じシリーズに「竹炭」という、最近発売されたもっと黒に近い濃いグレーが出ているので、そっちを買うところなのですg…………危ねえ!(物欲の沼に片足突っ込みかけていた)
なんか、万年筆好きの方々のブログなど拝見していると、たまに「友達と小瓶を持ち寄ってボトルインク半分こ」みたいな話題が出ていて、「あっいいなあ!」と思います。いろんなインクを楽しむ的な意味でも羨ましいし、その女子っぽいシェアが楽しそうでいいなあー。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ラノベ棚