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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 先週の「図太い女」と、あと「鳥たちの楽園」に拍手をいただいていました。お読みいただきありがとうございました!
 今週と来週、立て続けに週末に仕事がらみの予定が入ってしまって、なんとなく気ぜわしい気分が抜けません。と言っても休日出勤とかではなく、人と飲みに行ったり集まってご飯食べたりなんですが。
 飯も酒もそれ自体は歓迎だが、正直休みの日には仕事のこと忘れてさせてほしいわー……がっつり引きこもりたいわー……(駄目な大人)
 まあ平和な愚痴です。
 仕事で飲みに行くの、大事なんですけどね。特にこのごろ仕事中に無駄話する時間がほとんどないので。昼休みが一斉にとれたらいいんだけど、そういう職場でもないし……
 集団とか団結とかは、いまだにちっとも好きではないんですが、仕事でパフォーマンスを発揮するための、最低限の潤滑剤くらいは必要だなと思います。べつに仲良くなくてもしっかり回せる仕事なら、そこはドライでいいと思うけど。
 自分が新人のころは、飲みに行くのすごい嫌いだったんです。家に酒癖の悪いのがいるから、酔っ払いに対して不信感があって。
 幸いなことに職場には、いいお酒の飲み方をする人が多数派をしめていて、そういう先輩に恵まれた結果、何年かするころにはふつうに飲み会好きになってたんですが。
 いまはなかなか打ち解けない後輩を見て、このへんで一回飲みに行かなきゃなあとかいうお節介なことを考えるんだから、人間というのは本当に、都合よく過去を忘れる生き物なんだなあと思います。飲むのがストレスになる子もいるんだよって、忘れちゃいけないよなあ。

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 仔猫がやってきた。

 何も前から飼おうと思っていたとかそういうことじゃない。凛子が拾ってきたのだ。
 自分で飼えなくて人に押しつけるくらいなら拾ってくるなよ命に対して無責任だろ、というのが俺の弁。
 雄二なら絶対見捨てきれずに引き受けるってわかってたんだから何一つ無責任なんかじゃない、というのが凛子の弁。
 まあどちらに理があるかなんていうことはこの際どうでもいい。強いて言うなら、たった二週間前に自分が振ったばかりの元恋人のところに拾った猫を押しつけきれる凛子の神経が信じられないが、それもまあいい。餌代は半分が向こう持ち、そのことにも不服はない。
 どうしても割り切れないことがあるとするならたったひとつ、餌代の受け渡しを口実にこれからもたまに話くらいはできるかなんて、うっかりそんなことを考えてしまった自分の未練がましさだけだ。


 いきなりインターフォンが鳴ったのはよりにもよって午前零時半を回ったあたりで、そんな非常識な時間に連絡もなく家を訪ねてくるような相手を警戒しながらも、嫌な予感がしてチェーンをしたまま開けたドアの隙間に鼻水でぐちゃぐちゃになった凛子の顔が見えた瞬間、口から真っ先に飛び出した言葉は「こんな時間に女が出歩くなよ馬鹿か」だった。
 泣いているのかと勘違いしたのは最初の三秒だけで、チェーンを外して玄関に招きいれたとたんくしゃみの四連発、記憶にあるかぎり小学生のころにはすでに凛子はひどい猫アレルギーで、教室で猫を飼っているやつが隣の席に座っただけでも、目を真っ赤に腫らしてくしゃみを飛ばしていた。それだというのにあの馬鹿は、目やにで両目のふさがった生後何か月だかの白い仔猫を、わざわざ懐にしっかり抱きかかえていた。適当な箱でも探して放り込んでしまえばよかっただろうに。
 そんなことでほだされると思うなよ馬鹿が、と胸中で毒づいたのは単なる悔し紛れ以上の何物でもなくて、それもまた凛子の計算のうちだというのはよくわかっていた。そんな姿で現れれば俺が絶対に拒否しないと踏んでいたに違いないのだ。
「ね、ほんと申し訳ないんだけどさあ」
 ずびずび鼻水を啜りながらそんなふうに眉を下げてみせる一見殊勝そうな態度に、ガキのころから何度引っかかってきたと思っているのかとか、すまなさそうにしてみせるのは形だけで結局のところ十分後にはけろっとしているに違いないのだとか、腹を立てる要素ならもう数え切れないくらいあったわけだが、
「お前より図々しい女見たことない」
 結局のところその憎まれ口は敗北宣言で、猫の毛のついた服の着替えになりそうなTシャツを凛子に放り投げながら、頭の隅では最寄りの二十四時間営業のドラッグストアに猫ミルクが置いてあったかどうかを思い出そうとしていた。


 アパート暮らしだったならどうしたかわからないが、幸か不幸か死んだ祖母から相続した一戸建てで、動物嫌いというわけでもないし、そもそも子供の頃には実家で猫を飼っていた。
 この家に移ってきてから動物を飼っていなかったのは、まだ就職三年目で収入が心もとないからというくらいの消極的な理由で、だから猫を押しつけられたこと自体にはべつにかまわない。どうしようもなくなったら実家の両親にあずけてもいいし、そこまでしなくても職場も近いし。昼休みに戻ってきて様子を見るくらいのことはできる。仔猫は栄養不足で痩せてはいるが、どうやら生後三ヶ月かそれくらいは経っているようだった。猫ミルクも自力で舐めて、いまは部屋の隅においたタオルの上で丸くなって寝息を立てている。この調子なら放って置いてもじきに元気になるだろう。
 予防接種のことを考えれば財布に痛いがまあそれはいい、トイレだの爪研ぎだののしつけも手間だが、それもいい。どうしても納得がいかないのは、案の定ものの五分もせずにけろっとして洟をかみかみ猫ミルクの説明文なんか読んでいる目の前の女のことであって、
「お前なあ……」
「だって他に頼めそうな人思いつかなかったしさあ。あんた昔、猫飼ってたじゃん? 責任持ってあたしもご飯代半分だすし」
「そういうことじゃないだろ、」俺がこの二週間どんだけ、と勢い余って怒鳴りそうになって、ぎりぎりのところでプライドが邪魔して飲み込んだ。「――もういい。用事が済んだんならさっさと帰れよ」
 うん、と子供のようにうなずいてから、凛子が上目遣いで一瞬、何か言いかけるような顔をするのに、慌てて目を逸らした。
「ごめんね」
「もういいよ」
 つっけんどんな声になったのは仕方がない。と思う。
「じゃあ、悪いけどよろしく」
 そう言ってふらっと出て行こうとする背中を見ながら三秒迷って、
「――送る」
 結局は自分もスニーカーを履いた。
「べつにいいよ」
「女が一人で夜中に出歩くな」
 顔を見ずに言うと、凛子が笑う気配がした。
「あんたのそういうとこ、」
「うるさい黙れ」
「まだ何も言ってないじゃん」
 くすくす笑いながら弾みをつけて玄関を出る凛子の、街灯の光の下の薄い背中が、高校生のころとちっとも変わっていなくて、急におぼつかないような気持ちになった。


 ごめんねと、記憶の中の凛子が言った。あんたと居るのやっぱつらいわと。
 なんで、と食ってかかった声は、自分でもそうとわかるくらい力がなくて、返事を聴くまえから気持ちの半分では凛子の言い分を納得していた。
 あんたと居ると甘えちゃうもの。
 それの何が悪いんだよと、言い返したと思う。誰にだって甘えたいときくらいあるだろと。
 駄目なのよ。凛子は泣き笑いの顔になった。あたしが嫌なんだよ、際限なくあんたに甘えて寄っかかって、そういう自分が気持ち悪くてどうしても許せない。
 凛子の母親が凛子を捨ててどこかの男と消えてしまったのが、忘れもしない、俺たちが高一のときの春だった。父親のほうはとっくの昔に離婚してどっか遠い町で別の家の父親をやっていて、親戚同士の盛大な押し付け合いの果てに、凛子が折り合いの悪い叔母の家で嫌味を言われながら暮らしはじめたのも、それまでいつも人の輪の中にいるタイプだったのに、急に人が変わったみたいに友達の誰とも口をきかずにいつも醒めた目で前をにらんでばかりいるようになったのも、
 そういう凛子の背中をずっと見ていたのに、結局凛子がひとりで立ち直るまでぜんぜん何も出来なかったことも、
 全部まだ記憶に新しくて、
 あんたのそういう情にもろいところがさと、凛子は言ったのだった。弱ってる相手を見たらほっとけない、人の好いところがさ、あたしはさ。
 ごめんね雄二は悪くない、だけどもう無理だわと、妙に明るいサバサバした口調で笑って、ヒールの靴音を鳴らして出て行ったのが、
 その背中を何も出来ずに見送ることしかできなかったのが、
 たった二週間前のことだ。


「近いうちにこれ返しに来るね」
 Tシャツの裾をつまんで、凛子がくるりと振り返ったのが駅のすぐ前、終電がとっくに終わった時間になっても構内にはちらほら客待ちのタクシーが停まっていた。「あと猫のご飯代と」
「――餌代はいいよ」
 胸をよぎった未練がましさへの反動で、つっけんどんな声が出た。
「持ってくるよ。猫、見たいし」
 重ねて言われれば、もうそれ以上つっぱねる気にもならなくて、
「鼻水垂らしながらか」
 そんなふうに憎まれ口を叩くのが精々だった。
 またねと小さく手を振って駆けていく背中に、伸ばし損ねた手を握って拳を作った。
 悪いのは俺か。発進するタクシーを見送りながら、肩が落ちる。
 凛子は強い。多少のことではへこたれないし、人の中でもわりかしうまくやっていけるほうだし、ついでに言うならちゃっかりしていて図太い。つい先日別れた男のところに猫を押しつけて悪びれないくらいには。そんなことはわかっている。
 わかっているつもりで、わかっていなかったんだろうか。
 俺は凛子を弱い女のように扱っただろうか。


 部屋に戻ってみればさっそく仔猫が粗相をしていて後始末に追われ、一息吐いて時計を見れば、とっくに二時を回っていた。明日も仕事だっていうのに。もうため息しか出ない。
 少しは申し訳ないと思うのか、それとも単純に心細いのか、俺が疲れて座り込んだとたん、その膝の上に仔猫がよちよちよじ登ってきた。目やにだらけの青い目で人の顔を見上げながら、声にならない声でにゃあと鳴く。なんだこいつ。可愛いじゃないかこのやろう。
 鼻先をつつくと、仔猫は一丁前に喉を鳴らして額を押しつけてきた。くそう。そんな殊勝な顔をしても騙されないぞ。猫なんてどうせ三日もすれば拾われた恩なんかきれいに忘れ去って、けろっとしているに違いないんだから。まして凛子の拾ってきた猫だ。あいつなみに図々しいに決まってる。
 ぶつくさこぼしてはみたものの、結局のところそれも、事実上の敗北宣言だった。

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 ひっさしぶりに小説を書きました。
 突発的に書きたくなった恋愛ものの、原稿用紙10枚くらいのささやかな小品で、オチもあるようなないようなだし、クオリティに何ひとつ期待できないのだけれど、何はともかく小説らしいものを書けたこと自体がかなり久しぶりなもので、うおおよかった完全に書き方忘れたわけじゃなかったあーーみたいな気持ちです。でもたぶんいまのこのハイテンションが収まったら冷静になって捨てたくなる……捨てずに恥をさらすかどうかは、来週また考えます。
 でもそもそも小説ってそういうものだよね、とか思いました。
 出来の話はおいておいて。冷静じゃ書けないものなんですよね。こっぱずかしくて。
 推敲段階まできたらともかく、いざいまから書くぞというときには、客観性なんかかなぐり捨てて没頭しなきゃどうにもならないんですが、その没頭するということのやりかたを、このところ忘れてしまっていたようです。
 これをきっかけに、書けるように戻るかな。
 戻ったらいいな。
 クロ・アク完結以降、ちっとも書けなかったので、何はともあれこの小さな前進を喜ぶことにします。出来はまあ、とにかく書いてさえいれば亀の歩みだろうとなんだろうとだんだん上がっていくさ!(強引なプラス思考)

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少し前に「河岸の月」に、そして今日「天眼の鬼」「母の手跡」に拍手をいただいていました。ありがとうございます!

 まだまだ仕事のほうが落ち着きませんで、そろそろ少しずつ残業を減らしてゆきたいなーと言いながら果たせず、がらになく日々夜まで働いています。くっ……
 休みはちゃんと休めているのですが、単純に疲れているからなのか、春からの不調を引きずっているのか、またぞろまったく書けていません。そもそもわたしどうやって小説書いてたんだったかなー……(危険)

 書こうとして時間を取っても、いざ机に向かうと自分が何を書きたいのかよくわかりません。経験上、とりあえず何か書いてさえいれば、そのうち筆に引きずり出されるように書きたいことが出てくるものだと思っているので、何でもいいからとりあえず落書きしようと思うのですが、それもなかなか。

 誰だったか、ほんとうの速筆の人というのは、ほぼ二十四時間何をやっていても頭のどこかで小説のことを考えているので、いざ書くとなったときにはその前段階の脳内処理が済んでいるものだ……というようなことを言っていて、ああ、本当にそうだよなあなんて。何がまずいって、このごろ脳内妄想スイッチがなかなか入らないところが。そもそも妄想ってどうやってたんだっけ……(そこから!?)

 まあ仕事に慣れるまではしっかり作業に集中せねばならないし、休める時間はがっつり休まないと身が保たないので、まずはもうちょっと、仕事のほうをどうにかするのが先かなと思います……。サイト放置しっぱなしてこのあいだFC2さんからお叱りのメールが来ました。ふがいない!

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 今週と、それから先週なかばくらいかな? 「天眼の鬼」に拍手を頂戴していました。ありがとうございました!


 近況ですが、働いています。……としか書けないくらい平日は仕事しかしてなかったのですが(通勤読書とペン字はかろうじて続けていた)、この土曜にはうかうか某文具店に遊びにいって、新しい万年筆をお迎えしました。いやだって! ちょうどうっかり三月分の残業代が手元に!(人はそれを予定調和と言う)


 万年筆何本買うんだよっていう。(反省はしている)


 今回の子はパイロット製の極細万年筆です。EF(極細)って初めて買ったけど、軽ーくさらさら書けて、とても幸せです。……うん。幸せならそれでいいんじゃないかな!(目を逸らしつつ)


 とりあえずこの万年筆をばりばり使って小説の構想とかプロットとかやれるようになりたいものです(願望形)。
 いまはまだ新しい仕事についてゆくので精一杯だけど、五月くらいから生活を立て直したい……!

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プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
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