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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 通勤読書で荻原浩さんの「月の上の観覧車」を読んでいたのですが、帰りに書店に突撃して同じ作者さんの「オイアウエ漂流記」が文庫化されていることに気づき、買って帰りました。うわーい!
 ……わたしたぶんほんとは積読減らす気とかってあんまりないです。人間というものは大抵、言葉に出すことと思考と意識下の願望はそれぞれ違っているものですね。

「月の上の観覧車」はすごくよかった。近年の作品のなかで一番好きかもしれません。中年男女を主人公に据えた、ほろ苦くもせつない短編集。
 荻原さんの作品ってたぶん、メインの読者層としては中年以上の男性です。サラリーマン向け。
 自分の中身がオッサンなのか、ファザコンなだけか、微妙なラインだなと思いますが、たぶんファザコンなだけです。オッサン好きだもん……。

 ときどき妙に趣味がオッサンで、「これ渋くて可愛いなあ」と思って衝動買いした文具を、同僚に「お父さんとかが持ってそう」とかいわれて、遠い目になったりします。
 このあいだ、いっとき万年筆が欲しいとさわいでいたときも、店頭で物欲しげに展示されている商品を見ながら、「おー、いいなあ」と思うやつは、よく中年男性が持っていそうな感じのデザインでした。
 うん、まあ、フェミニンとかキュートとかが似合う風体でも性格でもないから、それでべつにいいといえばいいんだけどさ……。

 文具に限らず、なんでもたいてい「お、ちょっといいなあ」と思うデザインは、機能美系か、そうでなければレトロなもの、渋いものです。レトロって一口にいっても、女子に受けるタイプのものと、そうでないものがあるはずなんですけど、わたしの目にはどうも両者の区別がついてません。

 ほんとうに自分が好きなものだったら、誰がどんなことをいっていようが、どんな目で見られようが、堂々と好きといえばいいじゃない? ……なんて思いながらも、人目もちょっと気になる小市民です。

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西原理恵子「この世でいちばん大事なカネの話」を読了し、号泣して本日終了。


西原 理恵子
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011-06-23



 しかしなんというか、この表紙をみて、涙を禁じえないなんて誰が想像しうるだろう?

 中に書かれている金銭感覚の話に、激しく同意。
 天から降ってきた金の、いとも簡単に人を狂わせることといったら。ほんとにね。自分で稼いだ以外の金を、もらうことが当たり前になったら、人間あっという間に転がり落ちてゆきます。実例を何度もみてきているだけに、切実にそう思います。
 わたしなんか怠け者だから、二口目には「はたらきたくない」とかいうし、冗談で、宝くじが一億円当たったらどうするなんて話したりもするんですけど、そういうのは冗談だけで終わるほうがいいです、きっとね。

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 ようやく数日あったかい日が続いたと思ったら、また冷えだしましたね。ああもうはやく春がこないかなああ!!
 春は仕事が忙しい季節で、それなりに憂鬱の種もありますが、それでも寒いよりはいいなと思います……。寒いよう。動きたくないよう。(※この冬体重が2キロ増えました)(夏に戻せる自信がありません)

 アジアパー伝シリーズ3冊目、「煮え煮えアジアパー伝」を読みおえました。うーん、いろいろすごい目にあってらっしゃるなあ……。


鴨志田 穣,西原 理恵子
講談社
発売日:2005-12-15



 アジア各国の、戦地や情勢不安定な土地だったり、スラムだったり、普段自分では目の当たりにする機会のない社会のことを読むと、自分がいつもどれだけ狭い世界で生きているのかということを、しみじみと思います。いや、べつに異国の地でお金を騙し取られたり危ないお薬に手を出したりしたいわけではないんですけど。

 文庫版あとがきを書かれたのがちょうど離婚されたあとの時期だったらしくて、読んで切なくなりました……。
 なんだろ。読んでいてハートにがつんとくるし、いろんなことを感じるんですけど、レビューしようかなと思うと、文章にしづらいなと思います。
 フィクションの小説なら、主人公にどう共感して、あるいはどう反発したかとか、中で起こった出来事についてどんなふうに感じたとかって、わりと気軽に言葉にしやすいんですけど。エッセイやノンフィクションだと、遠くの他人がたかだか一冊の本を読んだだけで、なにかわかった気になるというのも、なんとなくおこがましい気がするのかな。

 ともあれ、まだまだ追いかけます。

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 またまた拍手コメントありがとうございます。そわそわ楽しみにお待ちしてますね!(私信)

 推敲頑張るといったその口でなんなんですが、近ごろ鴨志田穣/西原理恵子「アジアパー伝」シリーズに読みはまっており、文庫版を着々と買い揃えつつあります。あれ、積読消化作戦は……?

 あるときたまたま書店で見かけまして、ああ、共著があったんだなあ……としんみりしつつ買ってみたのだけど、この本を書かれたのは、お二方が離婚される前の頃なんですね。まだ子どもさんが小さい頃の話がのっていました。

 西原先生のマンガでは、鴨志田さんは文章が書けないとあるけれど、わたしこの方の文章すごく好きだなあ、と思います。編集さんの協力などが入っているんでしょうか? それとも照れ隠し?

 藤原伊織さんの小説にはまったときもそうなんだけど、その方の文章に出会った時点で、その作者さんが亡くなっているというのは、ちょっと切ないです。没後何十年にもなるような古典作家さんなら、またべつですけども。

 それにしても、もともとノンフィクション系の作家さんにはまることってあんまりなかったので、ちかごろこうやって追いかけていろいろ読んでいるのが、自分でもちょっと不思議な感じがします。
 西原先生の生き方は自分にはとてもまねできないけど(よいこはまねしてはいけません、なエピソードもたくさんありますが)、圧倒されるなあ。

 どこに憧れるって、ひとくちに語りづらいんですけど。苦労を笑い飛ばす姿勢とか人の弱さとか、欲とか、ずるさとか、そういうのをどーんと受け止めちゃうようなところ、かなあ。

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 拍手コメントの方、ありがとうございました。返信不要とのことでしたが、ちょっとだけ私信を。連載スタートおめでとうございます! そして匿名なのですね……どこにいったら読めますかー!
 探してみたのですけれど、探し方が悪いのか、まだこれかなという作品を見つけきれずにいます。こんどこっそり教えてください!

 進捗ですが、この週末で一回目の推敲が、全体の3分の1くらいまでいきました。細かいところをうじうじ悩んで、行きつ戻りつ。後半にすすむほど初稿の筆が荒いので、これから先が長くかかりそうな気もします……。

 いつからいつにかけて連載するか、まだいまひとつ先が見えていないのですが、2月中にはスタートしたいです。

 ご覧のとおりですが、推敲中はたいていいつも、くよくよくよくよしてます。もうどこをいじってもマシにはならないよ、これがいまの実力だよと諦めて、恥をかく覚悟を決めるための期間です……。ひとりでくよくよすればいいのに、もー。

 くよくよしてるところを垂れ流すことで、ハードルを下げておいてもらおうだとか、そんなことは…………ちょっとあります。うん……。

 先日読んだル=グウィンの評論「夜の言葉」で、書き手の姿勢を批判する箇所に、こんなくだりがありまして、

引用------------------------------------
 これには防御的であるものと破滅的であるものと二種類あります。防御的なのは――「これ以上打たないでくれ、みんな、わたしはもうダウンしているんだから」。これは古来おなじみの卑屈にして自己防衛的なゲットーの態度であります。
----------------------------------------

 胸が痛いよ!!(絶叫)
 この評論ほんとにあちこち胸にぐさぐさ刺さるんですけど!(半泣き)

 このくだりは、芸術として真摯に小説に取り組むことを諦めて、彼女のいう「屑を量産する」作家への批判でして。ついでにいうとこの章には、「全力を出して自らの最高のものを作り出そうとしてもその95%は屑になるけど、最初から屑を作ろうとしたら100%屑ができるのはあたりまえ」みたいなことが書かれていたりします。
 すごく真理なんだけど真理すぎて心が痛いわー……。必死で書いたつもりなんだけど、書き終わって振り返ってみると隙だらけなんだもんなあ。隙のないものが面白いとは限らないけど、そういう問題じゃないですね。ほんとにほんとの全力、出したかなあ?

 全力を出した結果、前のめりにコケるぶんには、もう恥ずかしかろうとなんだろうと、そういうものだと思うしかないんでしょうけど。本当にわき目もふらずにできることを全部やったかなあ……。無意識に色々逃げなかった?

 うう。発言がうじうじとうっとうしくて申し訳ないのですが、まだもうしばらくのあいだ、くよくよします。

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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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