体当たりで戻りました

　今朝、出勤前にあわてて報告しましたが、家出していた長男坊（猫）が戻ってまいりました。ご心配をおかけしました。

　いやもう、ほっとしました。雄猫は家出をするものだし、我が家の猫たちのなかでは一番かしこく一番図太い子なので、そんなに心配することはない、そのうちなんでもないような顔をして戻ってくるよと、母も何度もいっていたのですが、いままでこんなに戻ってこなかったことはなかったので、やはりいらぬ心配をしてしまいました。結果的にはほんとうにいらぬ心配だったわけですが。
　そして母は、そういう端から自らしょっちゅう探しに出かけていました。いつものことですが、いってることとやってることが一致していません。
　まずは子どもに心配させまいとするのは、母親の本能なんでしょうかね。もういいかげんイイトシをした娘なんですが。なにかと親離れ子離れのできていない母娘であります。

　捜索中、つくづくしまったと思ったのが、うちのあたりはあまり近所づきあいがさかんではないこと。それが地味にとても痛かったです。ご近所さんみんなと顔見知りだったら、不審人物扱いに怯えることもなく、もっと大声で名前を呼んで捜索できたのに。見かけたら教えてくださいって頼めただろうし。あまりに近所づきあいが密接というのも、それはそれで息苦しいものですが、つきあいをさぼりすぎるのもこまりものだなと。

　それにしても、長男坊。知らぬ間にひょこっと戻ってきて、家に入れずに玄関の前で待っていやしないかと思え、家出中、何度も玄関を開けてたしかめる習慣がついてしまっていたのですが。
　朝方の四時ごろに、玄関にどかーんどかーんとでっかい音を立てて体当たりをかましてくれました。
　お前ね……。せめてにゃーにゃー鳴いて知らせるくらいの可愛げはないものか。

　でもまあ、なんでもいいです。戻ってきてくれたらそれでいいのよ。

　いつかは本当に、出て行ったきり戻ってこない日がやってくるんでしょうけど。
　できることなら、なるべく先にしていただきたいものです。