赤川次郎ほか『七つの危険な真実』

七つの危険な真実 (新潮文庫)

赤川 次郎,北村 薫,夏樹 静子,乃南 アサ,阿刀田 高

新潮社

発売日：2004-01

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　ミステリ短編七本を集めたアンソロジー。

　完全に宮部さん目当てで買ってから、宮部さんの「返事はいらない」は既読であるという事実に気がつきました。なんてことだ……！
　で、でも、久しぶりに読めたからいいんです。そ、損なんかしてないし！（意地）

　冗談はさておき、たぶん十年以上前に読んだきりだったので、この機会に再読できてよかったです。これ、こんないい話だったんだ、とびっくりしたので、昔読んだときと、やっぱり考え方や感じ方が変わってきてるんだなあと、ふとしみじみしたり。

　ほかの短編もそれぞれ面白かったです。連城三紀彦さんの『過去からの声』が好きでした。刑事ものです。トリックや推理にはあまり興味がなく、人間の心を描いたミステリが好物の私には、かなりツボでした。
　不覚にも連城さんの作品、これまで未読でした。そのうち何冊か買ってみようと、ひそかにもくろんでいます。

　こういうとき、まだ読んだことのない作家さんが、数え切れないほどいるということに、じったんばったん悶絶します。歯軋りです。実際、「これを読まないままでいるなんて、人生の損失だ！　もったいない！」と力説したくなるような本が、自分の小さな書棚にさえたくさんあって、自分がそう思っているということは、他の人がそう思っているけれど自分が読んだことがない本も、世の中にはたくさんあるということで。それを思うたびにもやもや焦ります。遠いか近いかわからない将来、わたしはどれくらいの傑作を読み残したまま死んでいくんだろうなあ。く、悔しい。