おそろしい話

　マンガ家・西原理恵子さんのエッセイマンガ『毎日かあさん』が好きなんですけど、ほかのマンガも読んでみようと思って、このあいだ『パーマネントのばら』を、今日『ぼくんち』を買ってきて読みました。

えげつな！

ものすごく悲しくて、ものすごくえげつないです。内容がおそろしくて、読みながらときどき冷や汗だらーってなります。明るいタッチで、ときに面白おかしく笑い飛ばすように、ときにじーんと染み渡るように描かれているので、実際はかなり読みやすいんだけど、もし同じエピソードをリアルに生々しく描かれたら、読むだけでもつらいかもしれないな……。（へたれです）
暴力とセックスと酒とドラッグと困窮と。子どもが犯罪の片棒をかつがされたり、ドラッグでおかしくなって刺したり刺されたり、そんな光景が当たり前に出てくる。つらくて、悲しくて、やっていられないような話があふれていて、だけど、それなのに、登場人物がみんなすごくいい笑顔で、情があふれている。つらいことも悲しいことも、無理やり笑い飛ばす、パワフルなマンガです。

もちろん子どもが読むには好もしくないような表現満載です。毎日かあさんも、ときどきけっこう身もふたもない話が出てきたりするんですけども、それでもあちらはエッセイだし、新聞連載だし、配慮されてるんだなあ。うん。

『毎日かあさん』からすでに、自分からしてみたら世界が違うっていうか、おそろしくてとても真似はできないような生き方なんですけども、だけど、世の中にはこういう価値観もあるんだ、こういう生き方もあるんだって、読んでて目からぼろぼろ鱗が落ちる感じがします。少なくとも「ぼくんち」の内容は、よいこは真似しちゃだめですけども！