明るい話を

　ツイッターで、気持ちが和むような画像だったり、ほっとするような美談だったり、思わず笑ってしまうような小ネタだったり、そういうものを積極的に流されている方々がいらして、ああ、いまこのタイミングでツイッターをやっててよかったなって思いました。ネットをやっていて、かな。
　反面、善意が仇をなしていたり、混乱を招くような情報が、拡散されたりする場面も、しばしばあるようです。そういうものを、どうにかしてなくそう、減らそうと尽力されている方も、たくさんお見かけしました。
　成功しているかそうでないかはともかく、それぞれに何とかして人を励まそうとしているんだなって、そういう気持ちが目に見えるのが、ほっとするなって思います。

　実際に、被災地でいまだ深刻な物資の欠乏に悩まれている方々もたくさんいらっしゃって。それがちょっとした不自由であるならば、まだしもなのだけれど、食料がない、水がない、暖をとる術がないというのは、たまらないですね。天気に文句をいってもしかたがないのだけれど、よりによってこのタイミングで、この寒波。
　自衛隊や警察や消防の方々が、たくさん現地に出向かれて、必死に活動をされているのに、それでもいまだにそういう状況が続いているということ。津波に飲まれる町の映像を見た瞬間の、恐怖もなのだけれど、広域災害というのはこういうことなのかと……。
　早く道路の復旧が進んで、燃料が届いて、流通が一日も早く回復しますように。せめて食べ物と水と毛布が、ちょっとでも早く現地に行き渡りますように。

　いろいろ書いては消し、消しては書いて、ああ言葉は無力だ、と思う反面、いや、そんなことないよなあ、とも思います。実際、これまでの人生の中で、読んだ小説に救われたこともたくさんあったし、いまだってひとさまのブログやツイートを読んで、元気が出たりしてる。問題は、自分がなかなか人を元気にできるタイプの書き手ではないということなんだよ！（涙）

　スラムダンクやリアルでおなじみの井上雄彦先生が、震災からこちら、ずっと笑顔のイラストを描いていらっしゃるのを、ツイッターで眺めていて、ああ、明るい話を書きたいなあと思いました。たいそうなものはかけなくてもいい、きれいごとだらけで、リアリティがなくてもいい、大きな盛り上がりもなくてもいい、薄っぺらくてもいいから、とにかく読み終わって、ちょっと元気になれるようなやつを。

　このところ不調ではあったのですけれど、１１日以来、何も書けていません。いまそんな場合じゃないでしょ、などとささやく自分が気持ちのどこかにいて、そいつをぶん殴ってやりたいって思う自分もいます。小説を書くことそのものは、不謹慎でもなんでもないし（内容が不謹慎なもの……という場合はあるかもだけど）、そんなことを自粛したって、誰の役にも立ちません。まあ、書いたって役にはたたないけどさ。（ぐっ……）
　節電するとか、保存食を買うのをしばらく控えるとか、車に乗るのを減らしてガソリンを節約するとかいうのが、いまできる自粛なんですよね。