小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

きらきらひかる (新潮文庫)
読了。
脛に傷持つもの同士ってやつだね――睦月はそういって朗らかに笑う。ゲイの睦月に、アル中で自分の感情をうまくコントロールできない笑子、アンバランスな夫婦。そのうえ睦月には、昔からの恋人までいるのだった。
互いの両親には相手の問題を隠したまま結婚した二人。偽装結婚というには、互いのことを大事に思っている彼ら。けれどどこかバランスを欠いていて、うまくかみ合わない。だんだんと情緒不安定さを増していく笑子。だけど、睦月の恋人である紺にも、笑子は好感を抱いていて。
睦月も笑子も、それぞれに大人になりきれない部分を残していて、不安定なところがある。どこか欠けた人間どうしが、寂しさをもてあまして、不器用に傷つけあいながら、それでも大事に思いあっていて。
二人とも、それぞれにすごくダメなところのある人なんだけど、そのダメさに悶絶するほど萌えた……! 現実のダメ人間とお付き合いするには覚悟がいるけれど、フィクションのダメ人間には異様に共感したり萌えたりする自分がいます。
あと、文章の空気というか、描写がすごくて、どっぷりひたって読みました。笑子が睦月を銀のライオンにたとえるくだりがすごく好きです。儚くて、不安定で、だけど強い、銀のライオンたち。
作外のことになってしまいますが、あとがきに書かれている言葉が、とても印象深かったです。ちょっと引用。
「素直にいえば、恋をしたり信じあったりするのは無謀なことだと思います。どう考えたって蛮勇です。
それでもそれをやってしまう、たくさんの向こう見ずな人々に、この本を読んでいただけたら嬉しいです。」
出会えてよかった一冊でした。薦めてくださったねじ様に感謝!
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ブクログ
ラノベ以外の本棚
ラノベ棚
ラノベ棚
フォローお気軽にどうぞ。
リンク
アーカイブ
ブログ内検索
カウンター