小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

幸福な食卓 (講談社文庫)
読了。
「父さんは今日で父さんをやめようと思う」――そんなインパクトのある一行から始まる連作短編集。
変なところが生真面目で、思いやり深いけれど思いつめる癖のある父さん。家を出て一人暮らしをしているのに、しょっちゅうご飯だけを作りにやってくる母さん。ものすごい天才で周囲の期待も高かったのに、頭を使うことには充実感を覚えないといって、農業法人に就職しておいしい野菜づくりに生きがいを見出した兄の直ちゃん。そんなちょっと風変わりの家族に囲まれた主人公。
そういうちょっとコミカルな序盤からスタートして、じわじわと明かされていく家族の歪み。どうしてこんな形になったのか。それぞれの関係が、どうかわっていくのか。
登場人物が魅力的です。直ちゃんの恋人・ヨシコがすごくいい。がさつだし二股三股かけたりするしと、最初はヤな女として登場するんだけど、後半のエピソードでだんだんとわかってくる、芯のところがすごく優しい女性。主人公の彼氏の大浦君も、ちょっとずれていて面白くて、親しみが持てました。
くすりと笑えて、泣けて、じわっと心に沁みる、優しい物語です。
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ブクログ
ラノベ以外の本棚
ラノベ棚
ラノベ棚
フォローお気軽にどうぞ。
リンク
アーカイブ
ブログ内検索
カウンター