小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

ピスタチオ
読了。
「棚」というちょっとかわった筆名でライターをしている翠は、日本で仕事をしながら、どういうわけかこのところ、アフリカの風を感じる機会が続いた。そんな折に舞い込む、ウガンダへの取材旅行の話。旅立った棚が出会う、奇妙につながったいくつもの出来事、奇妙な縁。なにか大きな力に背中を押されるようにして、棚が見つけたものとは……
非科学的なものを信じることに抵抗を覚えながらも、なにかに導かれているとしか思えないような流れで、はるかな異国を旅する棚。アフリカの大地、夜の暗闇、精霊、呪術と分化していない医術。そこに生きる人々の価値観、信仰。
棚に掘り起こされることを待っていた物語。人はなぜ物語を必要とするのか。
ヒトという動物が言葉を話すようになってまもないころ。そういう古い古い時代から、物語というものは、生まれ続けてきた。語られるうちに変形し、消えて、また新たな物語が生まれ……。
小説がいまのような形態になったのは、あるいは映画や漫画というメディアが普及したのは、ごく最近のことかもしれないけれど、年寄りが焚き火を囲んで子どもたちに昔話を聞かせていた時代から、ずっとずっと、物語は必要とされ続けてきた……
ほの暗く湿ったイメージ、ほのかな不気味さや、わりきれない感じがあって、万人に面白い本ではないかもしれないけれど、個人的には読んで良かった一冊でした。ストーリーそのものが面白いというよりも、ところどころでさりげなくにじみ出る価値観のほうが、印象深い感じ。
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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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