繰り返し、繰り返し

　本題の前に連絡。最後に拍手コメへの返信があります。

　先日、拙作を読んでくださった方から、冴木忍さんを思い出したって、教えていただきました。
　もう長いこと読み返していませんが、同世代のけっこうな人数がそうであるように、読書体験のそうとう初期のほうでかなりハマって読み込んだ読者でした。ふだん意識はしていないけれど、何かしらの影響が残っていても、おかしくはないなって思います。

　思い返すと懐かしいです。《卵王子》カイルロッドの苦難、妖怪寺縁起、星の大地、風の歌星の道、メルヴィ＆カシム、道士リジィオ、夢天幻想譚。そのあたりまでだったかな。いずれも何度も読み返した記憶があります。

　わたしの好みが変わったのか、冴木先生の作風が変わったのか、それ以降の作は、ほとんど読まなくなってしまいましたが、当時はすごく好きでした。小学校高学年くらい、ちょうど読書に目覚め始めた時期で。
　読書体験の初期にはまった作品って、なかなか忘れませんね。

　同じ方から、ＡＩを主人公にしたものを続けて書いたことにも、言及していただいていました。「インストール」や「Good luck, My little boy」や「それはこころを焼きつくすような」について触れていただいたのですが、「沈黙の向こう」や「旅空におもう」もそういえばＡＩの話でした。
　ＡＩが大好きです。インプラントされた補助脳なんかも大好きです。「インストール」の主人公の使っているような補助脳は、「海辺の町で暮らす君」でも書いていましたし、「魂とは移植可能なものであり、」の主人公もそうでした。機械に移植された人格には魂があるか、というようなお話です。
　わたしはいったいどれだけ似たようなものを量産する気でしょうか。読まれた方がいいかげん飽き飽きするくらい、同じことを書いているような気がします。まるで同じ話をエンドレスリピートする田舎のばーちゃんのようです。いくらなんでもちょっと反省しようかと思うのですが、でも記憶力が残念な感じなので、たぶんまたけろっとして書いているかと思います……。

　あと、しつこく同じテーマを書くのは、好きだからというだけでもなくて、単に書きたいテーマのヴァリエーションをそれほど抱えていないので、使いまわして焼き直ししているだけです。（わあ正直！）

　書くたびに改良できているのならいいのですが、劣化していたとしても、やっぱりしつこく焼きなおすんじゃないかなと思います。ＡＩに限らず。
　たまに自分で気まずいのですが、ときどき思い出したように、小説にファザコンの主人公が出てきます。ケセル、アカアシ、亜希子と、異人種の話を頻繁に書いているのもそうで、結局、ふだんから関心のむいていないものは書けないという、それだけの話だろうなという気がします。
　人生の幅が狭いんだなあと、これも実はうっすら自覚があって、考え出すと、なんとなく目が泳ぎます。

　でも、どういっても書けるものしか書けないので、せめていま書きたいものを、一生懸命書こうと思います。（こうやって逃げ口上ばかりが達者になってゆく）


　続きに、拍手コメへのお返事です。

> 片桐様

　たとえリライトの出来がどんなにひどくても、片桐さまはきっとお怒りにならないと信じております……！（逃げ腰）　わたしのほうは、明日の夜くらいには投稿できそうです。
　プレゼント交換という語感に、なんでかやたらとときめきました。そして恐縮し合う?のくだりでものすごい納得しました（笑）
　ありがとうございます！　すごく嬉しいです。無期限ですし、お時間のあるときで！　と遠慮しつつも、楽しみにしています。そして、あわよくばそこから何かを盗…………ごほん。学び取らせていただきたいです。……ってタイプしてるあいだに、もう投稿されてた！　仕事早あ！
　すごく嬉しいです。ありがとうございました……！


> まる様

　はじめまして……ですよね？　読んでくださってありがとうございます！　かつて少女だったころの感覚を、驚くほど忘れてしまっている自分におののきながら書いた一本でしたので、そんな風にいっていただけてとてもうれしいです。
　お言葉を励みに精進していきたいと思います。コメントありがとうございました！