ＰＤＦ版

「紫鱗に透ける」をプリントアウトしてから読んでくださったというお話を伺って、ぎゃっと思いました。嬉しいけれど、申し訳ない気持ちでいっぱいです。長くてごめんなさい……！　でも嬉しいです。読んでくださってありがとうございます。

　拙作にかぎらず、長めの小説は、やっぱり横書きではなかなか読みづらい……というのは、わりとよく聞くお話で、というかむしろ、自分自身が横書きの読みづらさにたえかねて、オンノベを読むときには、いつも縦書きにして読んでいます。よっぽど短い掌編ならそのまま読むかな、くらい。

　プリントアウトまではしないのですが、フリーソフトの「窓の中の物語」で読んでいます。
　こちら、とても便利なソフトでして、txtやHTMLのファイルを、ＰＣにダウンロードしてから開くようになっているのですが、わざわざダウンロードしなくても、ブラウザ上で画面右クリック→すべてを選択→コピーすれば、そのまま窓の中の物語を開いて、「クリップボードから読み込む」を押すだけで、縦書き本の形にしてくれて、クリックでページをめくって読めます。しかも設定がけっこう自由にきいて、文字数、段組、フォント、行間隔、背景などカスタムすると、自分好みに設定しておくことができるという。（いまでもダウンロードできるはずですので、ご興味のある方はググってみられてください）

　わたしは明朝体にして、文庫本程度の字数にあわせて、紙の本気分でルンルン読みます。実は、自分の小説も同じソフトで読みかえしながら推敲しちゃうので、改行の感覚や、間の取り方や、句読点の使い方が、ばっちり縦書き仕様になっています。ウェブブラウザでそのまま読まれる方には、とても不親切かもしれません……（大汗）
　わかっていて、気が咎めてもいるのだけれど、横書きではどうしても感覚がつかめない、因果な人間です。ごめんなさい。

　ともかくそれで、ちょっと実験的にＰＤＦ版を作ってみました。が、なんていうか、重いです……。ごめんなさい。（約467KB）
　お好みでどうぞ、ということで……。すごくいまさらですが！　

　いま、ＰＤＦを作れるフリーソフトって、ずいぶん充実してるんですね。四年くらい前に、仕事の都合でＰＤＦ作成ソフトの相場を調べたことがあって、そのときは、シンプルなものは何千円かで手にはいるけれど、多機能なやつはすごく高かったという記憶がうっすらあります。それがいまやフリーソフトでらくらく変換。時代に取り残されている自分を思い知りました。

　あと、ＰＤＦって、見開きで眺めるときに、左から右にページが表示されるから、縦書きを読むときになんとも面倒だ……と、ずっとそう思っていたのですが、Adobe Readerの設定で、右から左に開き方向を変更できることに、ようやく気が付きました。あれっ……。
　なんでもググってみるものですね。

　ちなみに、「編集」→「環境設定」→「言語環境」→「デフォルトの読み上げ方向」を変更するといい感じです。（Adobe Reader 9.4.0で確認）
　……知らなかったの、私だけだったりして。そ、そんなことないですよね？（なぜか必死）