小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
おめでとうございます。
年末年始に大雪で、祖母宅にいくべきところ、車が出せずに延期になりました。それでもまあ、陸続きだから、また別の日に出直すつもりですが、船が時化で止まってしまった離島の方々は、気の毒だったなあと思います。
数年前に一度、ちょうどお盆のシーズンに島に向かう機会があって、よりによってそのタイミングに、台風の名残の熱帯低気圧により一日船が全便欠航しました。
翌日の早朝から何時間も並んだ挙句、どうにか翌日のフェリーに乗ったのですが、そのときに、乗り合わせた奥さんが、ぽつぽつとおっしゃるには、高校卒業して就職のために県外にいったきり、向こうで結婚して、もう何十年ぶりの帰省だったとのこと。
いまの住まいから長崎まで戻ってくるのにまず何時間もかかり、そこからさらに船で四時間かけて久しぶりの郷里に帰ろうかというときに、時化で欠航。近所のホテルにどうにか部屋をとり(近いところはそういうとき、同じ事情で泊まる人で、すぐ埋まってしまうようです)、翌朝早朝の四時とか五時とかから、雨の降りしきる波止場に並んで、八時か九時ごろようやく順番が着て切符を買う。ようやく乗れたかと思えば、まだ海は荒れていて、船の揺れは半端じゃない。
あの日、波は四メートルも五メートルもあり、船はぐらんぐらん揺れ、ときどき「どーん」というおそろしい音が響く始末。船内はぎゅうぎゅうづめで、混雑しているとき以外だったら毛布をかぶってゆったり寝る余裕がある船室も、その日は足を伸ばすのも、周りに遠慮しながらやっとというくらい。船酔いで気分の悪くなった人がそこらへんに横たわり、すっぱいにおいが漂っています。
デッキで煙草を吸ってきた地元のおいちゃんが、「二階の乗客が戻したのが降ってきて、たまらん」と苦笑しながら引き返してくる。船乗りという年配の男性が、ひとりけろっとしてあたりをうろうろし、気分の悪くなった人に水をあげたりアドバイスしたり。いやもう、すごい光景でした。幸い、わたしは離島勤務のあいだに船にすっかりなれてしまって、大揺れの船室でカップヌードル食べながら平気で帰ってくるようになってたんですが、船酔いする人はほんと大変だなあと思います。
あの奥さんのこと、天気が荒れると、ふっと思い出します。
とんだ災難だった、めぐりあわせといえばそれまでだけど……。たしか次の年のお盆は普通の海だったようなので、いつもがいつもそんなんじゃないんです。ちょっと高いけど、ジェットフォイルを予約しておけば、こっちは一時間半くらいのものだし。ただこちらは、波が高いとすぐ欠航になるんですよね。フェリーのほうが波に強いです。
まったく、なんて間の悪い熱帯低気圧。あの奥さんは、あれから帰省される機会はあったのかなあ。もうこりごりだって、なってないといいけどな。
島を出たひとが、帰省の足が遠のきがちになるのも、わかるなあと思います。でもやっぱり、ちょっと寂しいですよね。
この年末年始、大波止で足止めをくらった人たちが、どうにか無事に帰省できてたらいいなって思います。諦めて引き帰しちゃった人もいるかなあ。いるかもなあ。
……なんて新年早々、しんみりした話題から入ってしまいましたが。
2011年です。執筆される方には、インスピレーションに満ちたいい創作の年になりますように。読み専門の方には、いい小説とたくさん出会える年になりますように。
わたしもオンラインノベル界の隅っこで、牛歩ながらも精進してまいりますので、どうぞ今年も一年、お付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。お忙しい方はたまーにでもけっこうですので、思い出されたときにのぞいてやってくださるとうれしいです。
年末年始に大雪で、祖母宅にいくべきところ、車が出せずに延期になりました。それでもまあ、陸続きだから、また別の日に出直すつもりですが、船が時化で止まってしまった離島の方々は、気の毒だったなあと思います。
数年前に一度、ちょうどお盆のシーズンに島に向かう機会があって、よりによってそのタイミングに、台風の名残の熱帯低気圧により一日船が全便欠航しました。
翌日の早朝から何時間も並んだ挙句、どうにか翌日のフェリーに乗ったのですが、そのときに、乗り合わせた奥さんが、ぽつぽつとおっしゃるには、高校卒業して就職のために県外にいったきり、向こうで結婚して、もう何十年ぶりの帰省だったとのこと。
いまの住まいから長崎まで戻ってくるのにまず何時間もかかり、そこからさらに船で四時間かけて久しぶりの郷里に帰ろうかというときに、時化で欠航。近所のホテルにどうにか部屋をとり(近いところはそういうとき、同じ事情で泊まる人で、すぐ埋まってしまうようです)、翌朝早朝の四時とか五時とかから、雨の降りしきる波止場に並んで、八時か九時ごろようやく順番が着て切符を買う。ようやく乗れたかと思えば、まだ海は荒れていて、船の揺れは半端じゃない。
あの日、波は四メートルも五メートルもあり、船はぐらんぐらん揺れ、ときどき「どーん」というおそろしい音が響く始末。船内はぎゅうぎゅうづめで、混雑しているとき以外だったら毛布をかぶってゆったり寝る余裕がある船室も、その日は足を伸ばすのも、周りに遠慮しながらやっとというくらい。船酔いで気分の悪くなった人がそこらへんに横たわり、すっぱいにおいが漂っています。
デッキで煙草を吸ってきた地元のおいちゃんが、「二階の乗客が戻したのが降ってきて、たまらん」と苦笑しながら引き返してくる。船乗りという年配の男性が、ひとりけろっとしてあたりをうろうろし、気分の悪くなった人に水をあげたりアドバイスしたり。いやもう、すごい光景でした。幸い、わたしは離島勤務のあいだに船にすっかりなれてしまって、大揺れの船室でカップヌードル食べながら平気で帰ってくるようになってたんですが、船酔いする人はほんと大変だなあと思います。
あの奥さんのこと、天気が荒れると、ふっと思い出します。
とんだ災難だった、めぐりあわせといえばそれまでだけど……。たしか次の年のお盆は普通の海だったようなので、いつもがいつもそんなんじゃないんです。ちょっと高いけど、ジェットフォイルを予約しておけば、こっちは一時間半くらいのものだし。ただこちらは、波が高いとすぐ欠航になるんですよね。フェリーのほうが波に強いです。
まったく、なんて間の悪い熱帯低気圧。あの奥さんは、あれから帰省される機会はあったのかなあ。もうこりごりだって、なってないといいけどな。
島を出たひとが、帰省の足が遠のきがちになるのも、わかるなあと思います。でもやっぱり、ちょっと寂しいですよね。
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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
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