小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

サニーサイドエッグ (創元推理文庫)
読了。
『ハードボイルド・エッグ』続編。
ハードボイルドの原点ともいわれるチャンドラーのキャラクター・私立探偵フィリップ・マーロウに憧れて、探偵になった主人公。しかし実際に入ってくる仕事のほとんどは、ペット捜索……。
マーロウ口調で話し、どんなに暑くても背広で決めて、敵を作ることを恐れず(あるいは恐れないふりをして)意地をはり、自分の正義を通そうとする。そんな主人公が、マーロウと違う決定的なぶぶんは、酒にも女にも喧嘩にも弱いということ。
美人で有能な助手がほしいと常々いっていたところ、知人から押し付けられたのは、アメリカがえりの十六歳、ド派手な格好をして、すぐ突飛な行動に出る、非常に口の悪い小娘だった。
主人公・最上俊平、情けないようで、すっごくカッコイイです。へたれ好きにはたまらない、おもわずにやにやしながら見守ってしまうようなキャラクターですが、決めるところでは決めてくれます。腕っ節は弱いのに、へたれなのに、足がぶるぶる震えているのに、女をかばう為になら、危険を承知でやくざの前に立ちふさがる。その女性が、自分のものにはならないとわかっているのに。
序盤のコメディシーンのインパクトは、前作を踏襲している形式の分、前作のときよりも薄かったですが、そのぶん中盤から、転がり落ちる石が勢いを増すように、面白くなっていきました。
荻原さんの描かれるちょっと情けない男の人(やオジサン)って、いつもすごく好きで、人の弱さがいとおしくなるような、そんな愛嬌があります。
おもしろかった!
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