小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

赤い指 (講談社文庫)
読了。
加賀刑事シリーズ。物語は犯人側の視点からスタートします。
妻が姑と折り合わず、痴呆のはいった父の介護に手を貸すこともないまま、その死を見送った。やがて母までもが痴呆症となり、やむなく同居を決断したものの、妻は毎日、激しい不満ばかりをぶつけてくる。息子は何もかもを親のせいにして、少しでも気に入らないことがあればすぐにキレる、手のつけられない青年に育った。
家庭は荒れ、家に帰っても少しも気が休まらず、たいした用もないのに残業して時間を潰す日々。そんな中、ある日、息子が小学生の女の子を殺してしまう。
当の息子は現実から逃げるようにゲームにのめりこみ、問いただしてもうるさいの一点張りで、反省の欠片もない。目の前が真っ暗になった。自首させるしかないと思っていた。電話機を手に取ると、妻が鋏を手にしていった。「あの子を警察に渡すくらいなら、このまま死んだほうがまし」
死体を隠し、証拠を隠滅して、知らぬふりを決め込もうと画策した。けれど警察を完全にあざむくのは難しい。自首させるほかに道はないのか。そのとき頭に、悪魔のような考えが閃いた……
最初、むかむかしながら読んでいたけれど、最後まで読んだら、涙が滲みました。
どこにでもいる普通の人間の、心の弱さ。罪悪感に見てみないふりをし、都合の悪いことは忘れて、ひとは簡単に、楽なほうに流れる……。悪魔に魂を売り渡した男を、最後の一線で押し留めたのは。
東野圭吾さんの作品って、個人的にあうのとあわないのと極端で、多作な方だけに、いつも次はどれを読むべきか悩んでいるというようなことを、ツイッターでぶつぶつつぶやいていたら、かなた様から勧めていただきました。おなじ加賀刑事のシリーズの「卒業」には、いまひとつはまれなかったのですが、こちらはすごくよかったです。
またいずれほかの作品にも手を出したいです。
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