小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

トラや (文春文庫)
読了。
医師としての仕事の重圧から、うつ病を発症し、苦しむようになった主人公。一時は自殺寸前まで追い詰められたところを、ほんのなりゆきで飼うことになった一匹の猫に支えられ、どうにか日々を生き延びた……
南木さんは、特にご自身の体験をもとに小説を書かれる方で、多くの作品が、医療の現場を題材にされています。
ご自身が、かつてカンボジアの難民キャンプに派遣されていたときのことや、うつ病に苦しまれたことや、末期がん患者の治療方針に思い悩まれたことや、そういう実体験にもとづくエピソードやテーマが、それぞれの作品にくりかえし出てきます。
中でも本作はとくに、私小説としての色合いが強いように感じられました。
仕事の重圧、うつ病の発症、同僚の医師からの皮肉、父の介護、子どもたちの自立……十五年間、家族を見守り続けた愛猫は、やがて老い、少しずつ弱っていき、静かに息をひきとって。
猫とともに暮らす人間としては、たまらなく胸をしめつける一冊。
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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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