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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)
スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)


 読了。

 十五歳のときにできた自分の子どもが、いまそれと同じ年頃になり、ノートに大量殺人計画をつづって、その手始めにと猫を殺した。自分自身も心を病んで、半年ものあいだ無気力に家に閉じこもっていた主人公は、警察がやってきて、息子が逮捕されようというそのときになって、ようやく自分が何をすべきかを考え始める。――表題作『スクールアタック・シンドローム』
 そのほか、独自の理屈をもって行動する変わり者どうしの夫婦と、その家族を描いた短編『我が家のトトロ』、なぜか死んでも何度でも蘇る奇妙な女の子と、彼女が受け続けるグロテスクで壮絶な虐待を描いた『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』の三本。

 なんだろ、歯に衣着せず一言でいうなら、すごくヘンな小説。理不尽な展開はいっぱいあるし、頭の配線がとことんずれたような人がどんどんでてくるし、猟奇描写はあるし、かと思えばへんにセンチメンタルだったり、メルヘンチックだったりする。
 エグい描写も淡々と描かれているので、意外と平気に読んじゃいましたが、でもまあ、猟奇描写や理不尽な展開が苦手な人にはアレですね……。

 人に勧めるにはかなり悩むというか、ものすごく読む人を選ぶ作品だなあと思うのですが、個人的にはかなり面白かったです。ところどころでがっつんがっつん胸を打ちました。
 わたしはもともとこういうのって苦手なほうなんですが(猟奇的なところがじゃなくて、理不尽のほうが)、不思議なくらい面白かったです。シュールな設定・展開でくるんであっても、描かれているストーリーラインは王道で直球だからかも。

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