メガネ

　職場で、パートのきれいなおねえさんからまじまじと見つめられ、「えっ、何、何？（ぽっ）」とかアホな反応をしていたら、「それ○○（聞き取れなかった）ですね！」と叫ばれ、「はっ？」と戸惑っていたら、メガネのブランドのことでした。
　ていうかメガネにブランドってあるんだ！？

　いや、服にも靴にも財布にもあるんだから、あるんだろうというのは分かるんですけど、世の人が、メガネのブランドというものを意識して暮らしているのだということに、なんでかやたらと衝撃を受けました。
「ほらほら、わたしのこの時計も同じブランドなんですよー」と、別のバイトさんが横から話題に入ってきました。えっ、有名なの！？

　ええと、わたし、メガネキャラは大好きですが、メガネそのもののフェチではありませんので……（何の話！？）
　い、いや。職場でいきなりそんな話をかましたりはしてませんよ？　心の中で思っただけだよ！　そんなどうしようもない隠れオタです。（……）

「えー、高かったでしょう」と聞かれ、「いや、そんなことなかったと思うけど……」と、冷や汗をかきながら答えました。
　なんで冷や汗かというと、高そうなものを安かったというと、私の金銭感覚がずれているのだと冷たい目でみられやしないかと、そういうことをいちいち気にする小心ものだからです。
　でもほんとにそんなに高くなかったよ！？
　そもそもメガネって、ブランドだろうとなんだろうと、そんなに安くないですよね？　というか、レンズがいくらでフレームがいくらだったのか、内訳を覚えていない自分に気が付きました。あれっ……（冷や汗）
　でも、合計しても、そんなに高くなかったはず。なんでかな。そのブランドのほかの小物は高いけど、メガネは比較的廉価なんでしょうか。それとも私がメガネを作ったお店で、割引かなんかあったんでしょうか。不明です。

　今度買い換えるときには、後学のために、メガネのブランドについても下調べしてみようかな。でもどうせ、調べたところで結局はろくすっぽ気にせずに買っちゃうと思うけど。というか、メガネの買い替えの必要性が出てきたときって、だいたい壊れたときだから、それどころじゃないもんね。

　おしゃれさんなら、服装に合わせて何本かもってる人もいますよね。というか、おしゃれのためでなくても、ほんとはいざというときの予備メガネを持っているべきなんでしょうけど。
　それにしても、メガネのブランドかあ。たとえば誰かが、ひとの名刺入れを見て「あ、バーバリーだ」とか、手帳を見て「クオバディスですね！」とかいっているのを見ても、べつに驚かないんですけど、なんでかメガネは予想外でした。
　……間違いなく自分のほうが、世間様の感覚からずれているんだという気が、だんだんしてきました。うっ。……そ、そのうち勉強します。