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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
蒼路の旅人 (新潮文庫)
蒼路の旅人 (新潮文庫)

 読了。

 精霊の守人シリーズ第七巻。
 新ヨゴ皇国の皇太子・チャグムは、父である皇帝から長らく疎まれてきた。そんな不安定な皇宮に持ち込まれる、南方からの不穏なしらせ。宮廷の陰謀に巻き込まれたチャグムは、敵方の虜囚に身をやつし、たった一人で、敵対する大帝国の王子に対峙することになる……

 ああああっ早く続きが読みたい! ものすごい気になるところで終わっていました。
 文庫化をじっと待つ身としては……ううっ。いっそハードカバーで……いやいやいや。獣の奏者も精霊の守人も、ずっと手放したくないシリーズなので、いずれ引っ越しても持っていけるように、ガマンして文庫で揃えるのです。さ、さすがにハードカバーで買って読んで、文庫が出たら文庫を買ってハードカバー版を売るとか、そこまでは……やらないデスヨ?(動揺)

 まず図書館で借りて読めばいいんですけどね。なんでか本は買いたい派です。よく知らない作家さんの本なら、借りてすませきれるけど、大好きな作家さんなら購入一択。難儀な性癖だな……

 本筋に大きく絡む部分じゃないのですが、守人シリーズの世界観がすごく好きなので、ちょっとだけ引用。

「島の女が子どもを孕んでいるときに、驚くほどの大漁が続いたり、襲った船がとんでもないお宝を積んでたりしたら、その幸運は、その腹の子――ヤルターシ・コゥ・ラー<海の恵みの子>――のおかげなんだ。
 ヤルターシ・コゥ・ラー<海の恵みの子>は幸運をもたらす子だから、普通の女の子のように陸では育てられない。ツアラ・カシーナ<船の魂>として、船に幸運をもたらすように、やっと伝い歩きできるくらいから、船の上で育てられるんだ。
 そして、襲撃をまかせられるくらいの年になったら、船ノ頭になるんだよ」


 うまく言えないんですけど、こういうの読むとすごく萌え萌えする……!
 いろんな文化や民俗の設定がていねいに作りこまれていて、そしてその世界に色んな民族のいろんな文化や信仰が混在している。それもただ設定されているだけじゃなくて、そうした細部が物語の筋にきれいに絡みあって世界観を構築しているので、上橋さんの小説には、どっぷり世界観にひたって読めるんです。
 ハイ・ファンタジーがお好きな方なら、小野不由美さんの『十二国記』シリーズとあわせて、上橋さんの本は読んでおいて損はないです。と、あらためてオススメ。

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