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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 読了。

 や、やっぱりブンガクって難しいなあ……。なんて、ネガティブな感想から入ってしまった。ごめんなさい!
 もちろん、ぜんぜんつまらなかったとか、そういうのとは違うんだけど、浅学な身にはこの作品の面白さはわかりづらいです。いや、学よりも、むしろ感性の問題なのかな。

 ストーリーに起伏があって、結末に向って収束するような『物語』ならば、肌にあう合わないは別として、すくなくともそこに一定の面白さはあるんですよね。
 わかりやすい「おはなし」がなければ、あとはその小説の評価を決めるのは、どれだけ自分の心の琴線に触れるか、感情移入できるか、あるいは心をひっかくような何かを見出せるかだろうと、思うんですけど……

 断片的に切り取られた情景、不思議でヘンテコな人たち。現実のこととは思われないような出来事。遠くからなんとなく眺める分には、所々に狂的な美しさがある、ような気がするのだけれども、「……えっ、これでおしまい? それで、このお話のキモは何だったの?」という感じ。なんて貧しい感想だろう。
 小説に起承転結だとか、テーマだとか、カタルシスだとか、オチだとか、何かしらそういう脈絡を求めずにはいられない、良くも悪くも娯楽小説に飼いならされて育った人間の感想だなあという気がします。

 うーん。目の前にある文章の行間に、薄膜一枚隔てた向こうに、何か私にはうまく見出せないでいる、不思議な魅力があるような、そんな手ごたえはあるんですよね。
 でもその皮一枚を、どうとりはらっていいかがわからない。彼我の文化の違いがあるのかもしれないし、私個人の感受性の問題なのかも。

 なんかよく分からないままで終わるのも悔しいな。本屋さんで見かけて衝動買いした一冊だったのですが、池澤夏樹さんが世界文学の紹介で、同じ作家さんの『アメリカの鱒釣り』をレビューしてらっしゃったので、いずれそちらを探して読んでみようなかなと思います。それまで評価保留かなあ。

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