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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 読了。

 しゃばけシリーズ第十弾。今回は(も?)連作短編集。
 ある日若だんなは、左手(ゆんで)に進むはずだった道を、ほんのささいなきっかけで、右手(めて)に向かってしまった。そしてそれが、長崎屋の面々にとって、大きな分かれ道となった。長崎屋が火事に巻き込まれ、いつも若だんなといっしょにいる妖怪たちの一人・屏風のぞきの本体が、焦げて煤けてしまったのだ。
 あのとき道を左手に進んでさえいれば。後悔にさいなまれ、なんとか屏風のぞきを助けようとする若だんなだが……


<以下ネタバレを含む感想のため、続きに格納>

 冒頭で運命の岐路が、ついで話が数年後にとび、一話ごとに時間軸をさかのぼって描かれるというスタイル。逆順に進んでいくストーリーを活かしての小粋な演出があり、さいごにそれまでの構図をひっくり返す……という結び。

 興味を引く構成になっていて、試みとしては悪くないのだけれども、これまでシリーズを通して培われてきた安心感、「大団円が待っているはずだ」という読者の認識が、やや裏目にでたのかなっていう気はします。安心して読める半面、「どうなっちゃうの!?」みたいな緊迫感がなかったかなって。ひとえに、私がひねくれた読者なのがいかんのですが。

 それはさておき、一話一話は面白かったです。さいごの『始まりの日』に出てきた時売り屋のエピソードなんか特に、読んでて楽しかった。
 畠中さんの描かれる、ちょっととぼけて人のいいキャラクターたちって、読んでてほっとします。主要人物だけじゃなくて、悪役もちょっと間抜けで憎めなかったりするのがまたいいな。

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