限られている

　仕事が少し落ち着いてきて、今日もちょっと早く帰れたのがうれしくて、さあ帰ったら何をしようかと、鼻歌を歌いながら帰宅しまして。そして気がついたら、むかし大好きだったラノベを本棚からひっくりかえして、かたっぱしから読み返そうとしていた自分がいました。そんなには時間はないよ！

　ラノベに限らず、何回でも読み返したい本が大量にあります。しかし、まだ読んだことのない、これから読みたい本もいっぱいあるんだ……。（紙袋いっぱい友達に借りた本を横目に見つつ）
　読みたい本を、気の済むまで読みつくすには、人生はあまりに短い。
　そのことに気づくたびに、一人でびっくりして、何から手をつけていいかわからないような、焦るような気持ちになります。

　当たり前のことですが、時間は有限です。人生も有限です。それに、いつも本ばかり読んでるわけにもいかないし。働かないといけないし、ゴハンも食べないといけないし、寝ないといけないし、小説も書きたいし。
　仕方がないから、限られた出会いをせいぜい大切にして、いま読める本を楽しく読もう。……と、毎度そのときには、淋しい気持ちをもてあましつつも、なんとか納得するんです。
　でも、しばらくして、またいつの間にか机に読みたい本や読み返したい本の山がうずたかく積まれているのを見ると、また同じことに気づいて、飽きもせず何回もびっくりしています。

　いくらなんでもまだ、人生の残り時間を数え始めるような年じゃないはずなんだけどなあ。