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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 上下巻読了。

 近隣の地域で次々に起きた自殺事件。かれらの自殺の直前に撮られた写真を見ると、なぜか背には、二つの眼のようなものが映りこんでいた。
 寂れた小さな村の民宿に泊まり、観光のつもりでぶらぶら滝つぼを見に行った主人公・道尾。しかしそこで、心霊現象としか思えない、不気味な声を耳にする。二泊するつもりだった宿もキャンセルし、急いで逃げ帰った道尾だが、偶然、旧友の真備が心霊研究で名を知られていることを耳にして、十年ぶりに彼に会いに行く。
 霊は本当に存在するのか。どうか存在してほしいと狂おしく願い続けながら、霊現象と思しき自称の真贋をたしかめていく真備。変人にしか見えない彼だが、霊現象を捜し求めているのには、理由があって……

 真備シリーズの一作目。怖いの苦手なんですけども、ホラーと見せかけて、これはきっと理路整然たる仕掛けがあるミステリだ! と思ってがんばって読みました。ミステリかつホラーだった……ううっ。
 でも面白かったので、シリーズの続きもぼちぼち読みます。とりあえず次の『骸の爪』はもう読了したのですが、そちらの感想はまた後日。

 ワトソン役であるところの人物が、道尾さんご自身をモデルにしていらっしゃるらしく、そのまま道尾という名前のホラー作家で、そして見事にワトソンでした。(なんだその感想……)京極堂とか御手洗潔シリーズとかもだけども、ワトソン役の存在は、もう探偵小説の形式みたいなものですよね。探偵が常人の理解を超えた頭脳と感性を持つ変人であるのもね。
 べつにそれがどうだと言っているわけではなくて、さすがの構成と筆致で、最初から最後まで楽しく読ませていただきました。
 事件は解決したものの、真備の過去など、まだまだ伏線と想像の余地を残した終わりで、先を読むのを楽しみにします。

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