小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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執筆の息抜きに紹介文。
すっごくストーリテラーな方で、それから作風の幅がかなり広いです。作品ごとの色合いがけっこう違っていて、だから、一作が気に入らなくても他の作品を読んだらまた違う、ということが割とあるんじゃないかなと思います。どの作品も面白いんだけど、好みが分かれる面があるというか。それから、登場人物が魅力的!
個人的な好みと偏見により読んだことのある本を紹介してみます。
ジャンルごとにオススメの本から順。(独断と偏見です)
<コメディ・人情系>
『ハードボイルド・エッグ』
ハードボイルド探偵小説の原典と言われる、チャンドラー作の私立探偵フィリップ・マーロウシリーズという、アメリカの有名な小説があるんですが、その主人公のマーロウに憧れて私立探偵になった主人公が、マーロウの真似をしてカッコつけてるつもりだけど、全然カッコついてないという。
美女の秘書が欲しいと思って募集したら、えらいご高齢のおばあちゃんが応募してきちゃうんですけど、このおばあちゃんが超いい味出してて。
息をつく暇のないコメディの連続に爆笑しながら読んだら、最後は涙無しには読めない展開。へたれだけど人のいい主人公がすっごい好きです。個人的にはこれぞ荻原作品! って感じです。
『神様からひと言』
袋ラーメンが主力の食品製造会社で、出世コースを外れた人が回される『お客様相談室』=クレーム対応班に配置された主人公が、それでも仕事にやりがいを見つけて奮闘する話。そして最後には……。
普段から会社組織に振り回されてストレスを感じておられるサラリーマンの方には超オススメです。まさに痛快!
『メリーゴーランド』
田舎の市役所に勤める主人公が、市が出資する超赤字テーマパークを立て直すっていう仕事を任されるんですけど、お役所仕事のあまりのひどさにキレて、何とかしようと奮闘する話。基本コメディですけど、こっちはちょっとほろ苦い。
『押入れのちよ』
表題作はコメディ+感動系なんですが、短編集で、収録作品の中にはダーク・ブラックなやつや、本気で怖いやつなども混じっております。人間的に怖いやつと、幽霊的に怖いやつ。
表題作は、安アパートの押入れに住む幽霊の女の子の話。愛嬌があって、怖そうなタイトルとは打って変わってこんな幽霊ならとり憑かれたい! みたいなイイ話です。
どの作品もまさにストーリーテリングの技が冴えていて、読み手のミスリーディングを誘って後半で一気に引っ繰り返したり、絶妙な順番で新しい事実をつきつけてくる構成など、これは小説書きとしては大変お勉強になる一冊。
『誘拐ラプソディー』
短気でなかなか仕事が勤まらず、軽犯罪ばかり繰り返していた小悪党な主人公が、いよいよ追い詰められて自殺を図ろうとしたけれど、ビビリだから死ねない。そんな彼の前に現れた、ちょっと抜けた感じの男の子。主人公はこれぞ天の恵と誘拐を企てるのですが、なんとその子は有名な極道のおうちの子で……。ドタバタ喜劇です。
『あの日にドライブ』
上司の不条理な言い分にたった一回反抗してしまったことが原因で左遷され、自分から銀行を辞めてしまったあと、タクシードライバーになった主人公。はじめは今の自分の不遇を怒り、嘆きながら、つなぎのつもりでタクシーに乗っているのが、途中からだんだんやる気になって頑張り始める。これもサクセスストーリーというのでしょうか。サラリーマン向けの一冊です。
『オロロ畑でつかまえて』『なかよし小鳩組』
倒産寸前の広告代理店・ユニバーサル広告社に勤める愉快な仲間達がくりひろげるドタバタ喜劇。かなり笑えるコメディです。前者はデビュー作で、面白かったんですが、あまり「笑えた」以外の印象が残っていません。逆に後者はちょっと家族モノ風味で、けっこう泣けるシーンも入ってて、かなり好き。
『母恋旅鳥』
いい話なんですけど、これだけは何でかあまり印象に残ってないなあ……。(ファンの方すいません!)連作形式になってて、家族愛だったり人情だったりします。
<感動系>
『明日への記憶』
若年性アルツハイマーに罹患した主人公の闘病記録。少しずつ記憶が壊れていく恐怖と闘う日々。もうすぐ娘が結婚する主人公は、病気のことを会社に隠しながら働きつづけようとします。せめて、娘の結婚式のときまでは、ちゃんとした会社員でいたいと。いつか妻や娘のことも分からなくなるんだろうかと、怯えながら。
あのラストの感動は……言葉にできない。すっごく泣けます。
『僕たちの戦争』
現代に生きる主人公が突然、自分とそっくりな戦時中の少年兵と入れ替わってしまった。現代に来てしまった若い兵士の方と、いきなり軍隊に入れられてしまった少年の方と、両サイドから話が進んでいきます。
キーワードは、特攻兵器『回天』。
いい話だった、しかし「ええー! そんなラスト!?」って感じです。私はこの終わり方はすっきりしなかったなあ……。
『さよならバースディ』
類人猿のボノボの赤ちゃんに言葉を覚えさせて、キーボードやカードを使って会話をできるようにするという研究をしている主人公。おなじ研究をしていた恋人にプロポーズした夜、彼女が突然窓から身を投げて……。
すごく悲しい話なんですけど、胸に響きました。ハッピーエンドじゃないと! っていう方にはあまりおすすめじゃないです。
『四度目の氷河期』
父親は生まれる前に死んだと聞かされて育った主人公は、周りの子とはどこか違う自分に苦悩しながら育ちます。そんな中、一人の少女と知り合い、やがて恋人になりますが、彼女は父親から虐待されている。なんとかして彼女を救おうとした主人公は、思いあやまって彼女の父親を殺すつもりで頭を殴り、逃げ出して……。
自分の生い立ちを受け入れることができるようになるまでの、少年の成長の話。あるいは恋愛小説。
<ダーク・ブラック系>
『噂』
まずは普通に読んでいっても、終盤まで刑事モノのミステリとして面白く、家族ドラマとしても良くて、大満足な作品です。しかし、最後の一行を読んで、その意味に気づいた瞬間……。これだけは、ラストから読むということはしちゃだめです。
『ママの狙撃銃』
今は日本で普通の主婦をしている主人公には、秘密がありました。かつて、暗殺者だったおじいちゃんの残した仕事を引き受けて要人の暗殺に手を染めた主人公は、毎晩のように殺した男の幻覚を見ます。殺人という行為の重さ、自分の罪と向き合う彼女の強さと弱さが、すごく胸に迫ります。
ところどころユーモアを交えながらも、かなり悲痛で重苦しい話なんですが、ラストにちょっとだけ見える光がすごく好きです。
『コールドゲーム』
友情と恐怖の話。これ、優れた作品で、心に響いたのは間違いないんですが、私には深刻に怖くてやるせなくて後味が悪かった。多分、犯人側に感情移入しすぎたんだと思います。いじめられっこの復讐の話に嫌悪感を覚える人には、すごく後味が悪いんじゃないかと。
人のダークサイドを避けてやり過ごすことがいいかどうかは別の話でしょうが……、私は小説としてはなるべく後味のいいものが好きなんで、好みの問題です。
読んだことのあるのは多分、以上。
こうやって見ると、けっこう読んだなあ。そして息抜きのレベルを超えて、えらい時間がかかりました(笑)
また暇なときに他の方でもやってみようかな。宮部みゆきとかは、こういうことをやりはじめたら量が半端ないし、どうせ本好きの方で宮部作品を読んだことがない人なんていないでしょうし、避けときます。(あれだけある作品をほとんど読んだことがある上に、高校の頃に図書館で読んだやつとか多くて、すでに細かいところを忘れてたりします)
人別でやるとするなら、横山秀夫か池澤夏樹かな。そちらもかなり数があるので、やるならほんとに暇なときに。
すっごくストーリテラーな方で、それから作風の幅がかなり広いです。作品ごとの色合いがけっこう違っていて、だから、一作が気に入らなくても他の作品を読んだらまた違う、ということが割とあるんじゃないかなと思います。どの作品も面白いんだけど、好みが分かれる面があるというか。それから、登場人物が魅力的!
個人的な好みと偏見により読んだことのある本を紹介してみます。
ジャンルごとにオススメの本から順。(独断と偏見です)
<コメディ・人情系>
『ハードボイルド・エッグ』
ハードボイルド探偵小説の原典と言われる、チャンドラー作の私立探偵フィリップ・マーロウシリーズという、アメリカの有名な小説があるんですが、その主人公のマーロウに憧れて私立探偵になった主人公が、マーロウの真似をしてカッコつけてるつもりだけど、全然カッコついてないという。
美女の秘書が欲しいと思って募集したら、えらいご高齢のおばあちゃんが応募してきちゃうんですけど、このおばあちゃんが超いい味出してて。
息をつく暇のないコメディの連続に爆笑しながら読んだら、最後は涙無しには読めない展開。へたれだけど人のいい主人公がすっごい好きです。個人的にはこれぞ荻原作品! って感じです。
『神様からひと言』
袋ラーメンが主力の食品製造会社で、出世コースを外れた人が回される『お客様相談室』=クレーム対応班に配置された主人公が、それでも仕事にやりがいを見つけて奮闘する話。そして最後には……。
普段から会社組織に振り回されてストレスを感じておられるサラリーマンの方には超オススメです。まさに痛快!
『メリーゴーランド』
田舎の市役所に勤める主人公が、市が出資する超赤字テーマパークを立て直すっていう仕事を任されるんですけど、お役所仕事のあまりのひどさにキレて、何とかしようと奮闘する話。基本コメディですけど、こっちはちょっとほろ苦い。
『押入れのちよ』
表題作はコメディ+感動系なんですが、短編集で、収録作品の中にはダーク・ブラックなやつや、本気で怖いやつなども混じっております。人間的に怖いやつと、幽霊的に怖いやつ。
表題作は、安アパートの押入れに住む幽霊の女の子の話。愛嬌があって、怖そうなタイトルとは打って変わってこんな幽霊ならとり憑かれたい! みたいなイイ話です。
どの作品もまさにストーリーテリングの技が冴えていて、読み手のミスリーディングを誘って後半で一気に引っ繰り返したり、絶妙な順番で新しい事実をつきつけてくる構成など、これは小説書きとしては大変お勉強になる一冊。
『誘拐ラプソディー』
短気でなかなか仕事が勤まらず、軽犯罪ばかり繰り返していた小悪党な主人公が、いよいよ追い詰められて自殺を図ろうとしたけれど、ビビリだから死ねない。そんな彼の前に現れた、ちょっと抜けた感じの男の子。主人公はこれぞ天の恵と誘拐を企てるのですが、なんとその子は有名な極道のおうちの子で……。ドタバタ喜劇です。
『あの日にドライブ』
上司の不条理な言い分にたった一回反抗してしまったことが原因で左遷され、自分から銀行を辞めてしまったあと、タクシードライバーになった主人公。はじめは今の自分の不遇を怒り、嘆きながら、つなぎのつもりでタクシーに乗っているのが、途中からだんだんやる気になって頑張り始める。これもサクセスストーリーというのでしょうか。サラリーマン向けの一冊です。
『オロロ畑でつかまえて』『なかよし小鳩組』
倒産寸前の広告代理店・ユニバーサル広告社に勤める愉快な仲間達がくりひろげるドタバタ喜劇。かなり笑えるコメディです。前者はデビュー作で、面白かったんですが、あまり「笑えた」以外の印象が残っていません。逆に後者はちょっと家族モノ風味で、けっこう泣けるシーンも入ってて、かなり好き。
『母恋旅鳥』
いい話なんですけど、これだけは何でかあまり印象に残ってないなあ……。(ファンの方すいません!)連作形式になってて、家族愛だったり人情だったりします。
<感動系>
『明日への記憶』
若年性アルツハイマーに罹患した主人公の闘病記録。少しずつ記憶が壊れていく恐怖と闘う日々。もうすぐ娘が結婚する主人公は、病気のことを会社に隠しながら働きつづけようとします。せめて、娘の結婚式のときまでは、ちゃんとした会社員でいたいと。いつか妻や娘のことも分からなくなるんだろうかと、怯えながら。
あのラストの感動は……言葉にできない。すっごく泣けます。
『僕たちの戦争』
現代に生きる主人公が突然、自分とそっくりな戦時中の少年兵と入れ替わってしまった。現代に来てしまった若い兵士の方と、いきなり軍隊に入れられてしまった少年の方と、両サイドから話が進んでいきます。
キーワードは、特攻兵器『回天』。
いい話だった、しかし「ええー! そんなラスト!?」って感じです。私はこの終わり方はすっきりしなかったなあ……。
『さよならバースディ』
類人猿のボノボの赤ちゃんに言葉を覚えさせて、キーボードやカードを使って会話をできるようにするという研究をしている主人公。おなじ研究をしていた恋人にプロポーズした夜、彼女が突然窓から身を投げて……。
すごく悲しい話なんですけど、胸に響きました。ハッピーエンドじゃないと! っていう方にはあまりおすすめじゃないです。
『四度目の氷河期』
父親は生まれる前に死んだと聞かされて育った主人公は、周りの子とはどこか違う自分に苦悩しながら育ちます。そんな中、一人の少女と知り合い、やがて恋人になりますが、彼女は父親から虐待されている。なんとかして彼女を救おうとした主人公は、思いあやまって彼女の父親を殺すつもりで頭を殴り、逃げ出して……。
自分の生い立ちを受け入れることができるようになるまでの、少年の成長の話。あるいは恋愛小説。
<ダーク・ブラック系>
『噂』
まずは普通に読んでいっても、終盤まで刑事モノのミステリとして面白く、家族ドラマとしても良くて、大満足な作品です。しかし、最後の一行を読んで、その意味に気づいた瞬間……。これだけは、ラストから読むということはしちゃだめです。
『ママの狙撃銃』
今は日本で普通の主婦をしている主人公には、秘密がありました。かつて、暗殺者だったおじいちゃんの残した仕事を引き受けて要人の暗殺に手を染めた主人公は、毎晩のように殺した男の幻覚を見ます。殺人という行為の重さ、自分の罪と向き合う彼女の強さと弱さが、すごく胸に迫ります。
ところどころユーモアを交えながらも、かなり悲痛で重苦しい話なんですが、ラストにちょっとだけ見える光がすごく好きです。
『コールドゲーム』
友情と恐怖の話。これ、優れた作品で、心に響いたのは間違いないんですが、私には深刻に怖くてやるせなくて後味が悪かった。多分、犯人側に感情移入しすぎたんだと思います。いじめられっこの復讐の話に嫌悪感を覚える人には、すごく後味が悪いんじゃないかと。
人のダークサイドを避けてやり過ごすことがいいかどうかは別の話でしょうが……、私は小説としてはなるべく後味のいいものが好きなんで、好みの問題です。
読んだことのあるのは多分、以上。
こうやって見ると、けっこう読んだなあ。そして息抜きのレベルを超えて、えらい時間がかかりました(笑)
また暇なときに他の方でもやってみようかな。宮部みゆきとかは、こういうことをやりはじめたら量が半端ないし、どうせ本好きの方で宮部作品を読んだことがない人なんていないでしょうし、避けときます。(あれだけある作品をほとんど読んだことがある上に、高校の頃に図書館で読んだやつとか多くて、すでに細かいところを忘れてたりします)
人別でやるとするなら、横山秀夫か池澤夏樹かな。そちらもかなり数があるので、やるならほんとに暇なときに。
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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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自己紹介:
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