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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。というか、高校のころ一度読んでいました。再読。

 火山活動についての研究者である主人公の頼子は、日々忙しく研究にいそしむ一方で、仕事と日常の間の折り合いのつけ方に、心の底のほうで疑問を抱いている。
 ある日、弟の友人である広告マンが、頼子のもとに、変わった話をもってくる。電話を利用したサービスを企画しているのだという。
 その企画の名称は『シェヘラザード』。色々な分野に関する短いエピソードを大量に集めて、利用者がその番号にダイヤルすると、その中からランダムにひとつのストーリーが選ばれて、読み上げられる。
 その話のひとつひとつには、意味はありそうであまりない。何が出てくるか分からないことが、価値なのだという。ふとした日常の隙間にダイヤルしてみて、飛び出してきた話が好みに合うかどうかは分からない。人は意味や意義や目的や効率に飽きていると、広告マンは言う……

 うーん、一応書いてはみたけれど、この小説に関しては、あらすじを書いてもあまり意味がないのかな、という気もしています。
 ストーリーがどうというよりも、そこに載せられたテーマ、思想、生き方や概念、そういうものへの共感や驚きが、この小説のポイントなのかなと思います。

 池澤さんの本の魅力のひとつに、その豊富な幅ひろい知識と、独特の澄んだ視点があります。ものごとの見方というか……
 ……ああ、なんと言ったら伝わるのかな。たとえば鳥や虫や草木、夜空に瞬くはるか遠くの星、火星の赤い砂漠、上空を循環する大気の流れ、火山の内部で起きていることや、熱帯の森に埋もれた古文明の遺跡、木々の闇にひそむもの。
 その語られる分野は広く、たとえば自然科学、地球の歴史や天文、気候や風土、文化や芸術、民俗や信仰、戦争や歴史――この世界のありよう、そこに生きるものたちについて、ひどく広いさまざまな視点から、それも抽象的な概念ではなく、肌で感じるものとして、語られている。世界に向き合う姿勢というのか……

 うう、書けば書くほど、何か書きたいこととずれていくような気がする。
 変な書評になってしまいました。
 読む人によって好みは分かれるかもしれないのですが、すごく好きな一冊です。

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