小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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読了。アフリカ文学初体験!
池澤夏樹個人編・世界文学全集より。同じ巻に『アフリカの日々』も入っていて、そちらはヨーロッパ人の目から見たアフリカ、こちらはアフリカ人の書くアフリカ。
とりあえず薄いほうから読んでみました。
主人公は、父親が彼のために専属でつけてくれたやし酒作りの名人が作るやし酒を、毎日浴びるほど飲んで暮らしていた。
しかし、ある日名人はやしの木から落ちて死んでしまう。もう彼の作るやし酒が飲めないことを嘆く主人公は、「死者も死んでしばらくはこの世界にとどまるものだ」という古老たちの言葉を信じ、なんとしても名人を探し出して、またやし酒を作ってもらおうと、ジュジュ(呪術の道具)を手に持って、長い旅に出る。
これは……文学・小説というよりも、どちらかというと神話・民話の部類なんじゃないかなあ。
鍛錬された作家の書く洗練された小説を読むことに慣れていると、ガツンとやられた感じがします。第一声は「なんじゃこりゃ!」。でたらめというか、はちゃめちゃというか、トリッキーというか、いやはや。
ナイジェリア人の作者さんが英語で書いたものを、さらに邦訳してあるそうです。土屋哲さんの訳もなかなかすごい。名訳というか迷訳というか、冒頭から引用すると、
---------------------------------
わたしは、十になった子供のころから、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。当時はタカラ貝だけが貨幣として通用していたので、どんなものでも安く手に入り、おまけに父は町一番の大金持ちでした。
---------------------------------
もう冒頭から眩暈がします。
解説を見てみると、原文からしてユニークな造語交じりの、独特の英語だったそう。
神々と精霊と人と、それから“生物”というおおざっぱなくくりで説明される何者か。そういう不思議な存在が、全部ごた混ぜの一緒くたに出てきます。
全体にユーモラス。ヘンテコな生き物やヘンテコな人々がいっぱい出てきて、大騒ぎです。
主人公もかなりのお調子者。法螺を吹いたり、見栄を張ったり、そのまま張った見栄を自分で信じ込んだり、おっかない生き物からあわてて逃げ隠れしたり。かと思えば襲い掛かってきた人や生き物に反撃して、大量虐殺を繰り広げているシーンも数箇所あったようなんですが……それって物語の主人公的にアリなの!? というツッコミは、無粋ってものでしょうか。
生も死も混沌として、平気で死者がその辺をうろうろしているし、死んだり生き返ったりけして死ななくなったりするし、主人公はたびたび旅の目的を忘れて寄り道して、何年ものあいだ面白おかしく遊び暮らしたり。
常識に囚われた固い頭で読むと「!?」となります。でも、神話とか民話とかって、そういうものですよね。
サムソンが神のお告げに従って髪を切らなかったら、怪力になって敵を一網打尽。そこで「なんで??」とか「いや、無理だろ……」とか言っても始まらない。
ということで、うまくこのお話の世界に入り込むことができれば、すごく面白いです。
美しく「完全な紳士」と見えた男は、実は体の各部を所有主から借りていただけで、借りた部分を返していくと、最後には頭ガイ骨だけが残る。
この世の何ものよりも素晴らしくドラムを打ち、踊り、歌う「ドラム」「ダンス」「ソング」という生き物がいて、彼らのようすを見聞すると、誰もどこまでもついて行かないではおられない気持ちになる。
何でも食べてしまい、いつもおなかをすかせている「飢えた生物」が、飢えのあまり主人公の妻を食べようと襲い掛かってくる。……
読む人によって好みはわかれるかもしれないけれど、独特の魅力があります。
池澤夏樹個人編・世界文学全集より。同じ巻に『アフリカの日々』も入っていて、そちらはヨーロッパ人の目から見たアフリカ、こちらはアフリカ人の書くアフリカ。
とりあえず薄いほうから読んでみました。
主人公は、父親が彼のために専属でつけてくれたやし酒作りの名人が作るやし酒を、毎日浴びるほど飲んで暮らしていた。
しかし、ある日名人はやしの木から落ちて死んでしまう。もう彼の作るやし酒が飲めないことを嘆く主人公は、「死者も死んでしばらくはこの世界にとどまるものだ」という古老たちの言葉を信じ、なんとしても名人を探し出して、またやし酒を作ってもらおうと、ジュジュ(呪術の道具)を手に持って、長い旅に出る。
これは……文学・小説というよりも、どちらかというと神話・民話の部類なんじゃないかなあ。
鍛錬された作家の書く洗練された小説を読むことに慣れていると、ガツンとやられた感じがします。第一声は「なんじゃこりゃ!」。でたらめというか、はちゃめちゃというか、トリッキーというか、いやはや。
ナイジェリア人の作者さんが英語で書いたものを、さらに邦訳してあるそうです。土屋哲さんの訳もなかなかすごい。名訳というか迷訳というか、冒頭から引用すると、
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わたしは、十になった子供のころから、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。当時はタカラ貝だけが貨幣として通用していたので、どんなものでも安く手に入り、おまけに父は町一番の大金持ちでした。
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もう冒頭から眩暈がします。
解説を見てみると、原文からしてユニークな造語交じりの、独特の英語だったそう。
神々と精霊と人と、それから“生物”というおおざっぱなくくりで説明される何者か。そういう不思議な存在が、全部ごた混ぜの一緒くたに出てきます。
全体にユーモラス。ヘンテコな生き物やヘンテコな人々がいっぱい出てきて、大騒ぎです。
主人公もかなりのお調子者。法螺を吹いたり、見栄を張ったり、そのまま張った見栄を自分で信じ込んだり、おっかない生き物からあわてて逃げ隠れしたり。かと思えば襲い掛かってきた人や生き物に反撃して、大量虐殺を繰り広げているシーンも数箇所あったようなんですが……それって物語の主人公的にアリなの!? というツッコミは、無粋ってものでしょうか。
生も死も混沌として、平気で死者がその辺をうろうろしているし、死んだり生き返ったりけして死ななくなったりするし、主人公はたびたび旅の目的を忘れて寄り道して、何年ものあいだ面白おかしく遊び暮らしたり。
常識に囚われた固い頭で読むと「!?」となります。でも、神話とか民話とかって、そういうものですよね。
サムソンが神のお告げに従って髪を切らなかったら、怪力になって敵を一網打尽。そこで「なんで??」とか「いや、無理だろ……」とか言っても始まらない。
ということで、うまくこのお話の世界に入り込むことができれば、すごく面白いです。
美しく「完全な紳士」と見えた男は、実は体の各部を所有主から借りていただけで、借りた部分を返していくと、最後には頭ガイ骨だけが残る。
この世の何ものよりも素晴らしくドラムを打ち、踊り、歌う「ドラム」「ダンス」「ソング」という生き物がいて、彼らのようすを見聞すると、誰もどこまでもついて行かないではおられない気持ちになる。
何でも食べてしまい、いつもおなかをすかせている「飢えた生物」が、飢えのあまり主人公の妻を食べようと襲い掛かってくる。……
読む人によって好みはわかれるかもしれないけれど、独特の魅力があります。
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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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