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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。

 主人公はキューバの海岸で暮らす年老いた漁夫。腕のいい漁師だったが、運に見放されたのか、八十四日もの間不漁が続き、たった一人航海に出た八十五日目にようやく、大物に出会う。信じられないような大きな魚を相手に、主人公は命がけで勝負を挑み……

 ああー、これ好きだなあ……!
 しかし買ってみたら、文庫本の裏表紙のあらすじに、展開がおおむね全部書いてあって、思わず吹きました。ネタバレなんてレベルじゃないよ、これ。
 でも、あらすじはあらすじで、省略されていない部分こそが小説の真髄だということを、つくづく実感させられた一冊です。当たり前と言えば当たり前なんだけど。
 騙されるのを楽しむような、ミステリの楽しみ方とはまた別に、先が分かっていても関係ない、問答無用の魅力ってありますよね。
 厳しい自然、漁師の誇り、広大な海をひとりさまよう孤独、死闘を繰り広げる相手への敬意とふしぎな共感、きれぎれの夢、主人公を思いやる漁師の少年への愛情。喪失と徒労。

 それにしても、漁師ってロマンがありますよね。いいなあ、海の男。(←影響を受けやすい)
 感想文からは離れますが、現代だって漁の種類によってはけっこう危険ですし、この小説では四日間の孤独な死闘で、それもすごく浪漫なんだけど、たくさんの乗組員が何か月もかけて遠洋漁業に行くというのも、それはそれで別の浪漫だなあと思うわけであります。まあ、大変なお仕事なんで、もしかしたら当の漁師さんたちは浪漫も何もないかもしれないんですが。

 たまたま仕事でちょっとだけお会いしたお客さんに、女性のもと船員さんがいらっしゃったんです。お仕事の中身がそのときのご用向きと関係なかったので、残念ながら詳しいことを聞くわけにもいかなかったんですけど。日帰りできる近海の漁とかそういうやつじゃなくて、ばっちり長距離航海の船乗りさんぽかったんですよね。ふつう、船ってやっぱり男の世界で、客船でもなけりゃ女子トイレだとか女性用の浴室だとか更衣室だとかはない船が多いと思うんですけど、その辺どうしてたんだろう。気になって仕方ありません。聞いてみたかったなあー。(公私混同するなよ……)
 それにしてもかっこいいなあー。

 小学生のころに亡くなった祖父は、漁師でした。記憶にある限りは近海での漁だの海苔だのばかりで、何泊もするような漁には出てなかったと思います。それでも船は「女は乗ったらいかん」と言われてた記憶があります。だから、祖父の生前に趣味の陸釣りには連れてってもらったことがあるけど、仕事の漁船には、たぶん触らせてもらったこともないです。それで余計に憧れがあるんだよなあー。
 あまり詳しく記憶に残ってないけど、たぶん女が船に乗ったら海の神様が怒るとかそういう類の話です。郷里は、お盆の精霊流し(しょうろうながし)も盛んな地域なんですけど、そういえば漁船だけじゃなくて、精霊船も女はぜったいに障ったらだめだった。そういう話って、わりとあちこちにあると思うんですけど、まあ考えてみたら、全国どこでも女がタブーなわけではないんですよね。実際に女性の船乗りさんもいるんだと知って、「へえー!!」ですよ。近海での漁とか、海女さんは想像の範囲内なんだけど。

 外国の昔の女海賊の話とかはですね、浪漫は浪漫なんだけど、自分からかけ離れてるので、すっかり別世界の出来事なんですよね。でも、現代日本のどこかにいる、遠洋の航海に出る女性の船乗りさんのことを想像すると、ちょっと別種のわくわく感が。さすがに「私も船乗りになろう!」とは思いませんが、でもいいなあー。
 プライベートの知り合いなら、突っ込んで取材するのに! さすがに公私混同できなかったです。悔しい!

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