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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。

 国内・海外ともに高い評価を得ている画家、宇佐美。個展の最終日を明日に控えたその日、係員が目を離した隙に、展示されていた肖像画に硫酸が掛けられるという事件が起きた。青くなる責任者をよそに、宇佐美は血相を変えることもなく、警察には通報しないでいいと言う。
 その宇佐美の携帯に、知らない少女から電話が入った。「きょうは予行演習です。それをお伝えするために電話しました」――。

 短・中篇が3本。
 過去にひどい目にあわせた女性への罪の意識に苦しむ芸術家、明日から無実の罪を被って刑務所に入るという男、いつも昼間から飲んだくれている腕のいいクリエイティブ・ディレクター。
 なんだろう、この空気。静かな哀愁、苦悩、皮肉。無頼、に見せかけた顔の下にひっそりと見え隠れする、純情のようなもの。それからダンディズムとロマンの匂い、かな。作品に漂う濃密な空気と、繊細な人物描写。物語世界に心地よく酔えました。三本目の『水母』が一番好きだなあ。

 これ、作者さんは亡くなってるんですね。残念だなあ……!

 以下、とりとめのない独り言。
 生きてるうちに書ける小説って、どのくらいの分量だろう。読める本って何冊くらいだろう。
 もし、うまいこと長生きできたとして、細かい字に何時間も向かえる体力のある期間が、どんなに長くたってあと五十年そこそこ……か。読むほうは、それでも何千冊か読めるかもしれないけど、書くほうはすごく限られてる気がします。一年に何本も長編小説を量産できるような体質だったらよかったんだけど、無理。遅筆だし、生活もあるし、第一、仕事も真剣にやりたいし。今の仕事、不満は山ほどあるし、正直二日に一回はうんざりするけど、でも好きな仕事なんです。適性的には、けして自分に向いているというわけではないんだけど。

 最近、読む本読む本が面白く感じられて、少し困ってます。たまたま良著に当たりつづけている可能性もあるんですけど、どうも、前より少し、読書を楽しむコツを掴んだみたいな気がします。それはいいことなんですけど。
 でもそのせいで変に焦る。読みたい本を読みつくすには、人生はあまりにも短すぎる気がして。書きたい小説を全部書きつくすには、もっと短すぎるかもしれない。せいぜい気合入れて、そのとき読んでる(書いてる)ものを精一杯楽しむしか仕方ないのか。それが自己満足にすぎなくても。

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無題
世の中には、出会っていない素晴らしい本がたくさんありますよね。
だけど、すべてに出会えるわけじゃない。
一期一会の出会いを大切にしたいですね。

やる気と体力のある限り、ボクも書き続けたいですね。
Posted by かなたん 2009.05.24 Sun 08:54 編集
かなた様へ
 ホント一期一会、ですねえ。
 最近は大抵どの本も楽しく読書してるんですけど、同じ本を読んでも、そのときの体調や状況次第でまるで違って感じられたりするし、かつて初めて読んだときにつまらなく感じた本も、また時間を置いて読み直せば印象が違うんじゃないかと思いながらも、初読の印象がイマイチだったら、なかなか読み返せなかったり。何か色々勿体無いなあー、と思いつつ。

 書く方も、完全燃焼するまで書き切れればいいんですけど、大抵いつも「技術があればもう少し面白く書けたんじゃないか」って、くよくよしてばっかりです。頑張ろう……
Posted by HAL.A URL 2009.05.24 Sun 22:17 編集
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