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【64日目】一度だけ、クーデターのあった次の日に、ヨリコからメッセージが届いた。傍受されて追っ手がかかるかもって、思わなかったのかな。それとも、宇宙に出てさえしまえば追いかけてくるような余力、管理局にはないって踏んだのかな。ヨリコは頭がいいから、そっちのほうかも。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 18
【65日目】今日から学校が再開。今日は午前まるごと使って、新しい管理局の運営体制の説明があった。近所の大人の人たちも聞きに来てた。父さんは昨日から泊まり込みで仕事。下っ端とはいえ管理局の職員なんだから忙しいよね。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 19
【66日目】前とは違って、もう盗聴やスパイにびくびくしなくてもいい。それでも、変わっていないことのほうが多いのかも。行政府が解体されて、秘密警察がなくなって、自由に好きなことを話してよくなっても、根本的な問題が解決しているわけじゃない。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 20
やっぱりコロニーの物資は足りてないし、地球はだめになったまま。人口は減り続けて、300年後には人類は滅亡する。月には廃墟だけがぽつんと残って、いるかどうかもわからない宇宙人にいつか発見される日を、死んだ基地の残骸だけが夢見て待ち続ける。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 20
【67日目】管理局の体制が変わったからって、進路を自由に決められるわけじゃないけど、ともかく希望は申告できるようになった。通るかはわからないけど。できたら工学系の仕事につきたい。ヨリコみたいに成績がいいわけじゃないから、だめかもしれないけど。そのときは独学で勉強する。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 21
もしいつか少しの予算の無駄遣いが許される状況があったら、わたしは外宇宙に向けて種を撒く。高度な機能はいらない。ほんの少しの記憶容量と、再生スイッチと、あとはスピーカー。推進力はそんなにいらない。月重力を振り切るだけの初速さえあればあとは慣性飛行で十分。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 21
その「種」にみんなの思い出話をたくさんふきこんで、それをあちこちに向かって飛ばすんだ。この小さな月コロニーから誰もいなくなって、地球人類が残らず死に絶えてしまっても、いつかわたしたちの言葉が、誰かに拾われるかもしれないって、そう思えるように。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 21
わかってる。そんな誰かは、どこにもいない。仮に奇跡が起こっても、とっくに滅んだ異星人の言葉を研究してくれるような暇はないかもしれない。だけどそれならそれでいいと思う。どうせたしかめようのないことだもの。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 21
その空想を抱いて、死ぬまでここで生きる。空想と、合成の代用品だらけのご飯と、つくりものの青空と、録音の小鳥の歌。そんなものでもあれば、きっと生きていける。 #妄想日記
— 朝陽遥 (@hal__a) 2015, 10月 21
(おしまい)
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