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「生者の仮面」のオマケ小話に拍手コメントいただいていました。ありがとうございます! 笑っていただけて何より、しかし全くもって笑いごとでなく切実な問題ですよね……私が死んだら友に墓前に供えてもらおうと思います。死ぬ前に新刊待ちリスト作っとかないと……(真顔)
その他、過去作数本に拍手を頂戴していました。ありがとうございました~。
ル=グウィンの短編集「コンパス・ローズ」が復刊(……でいいのかな。過去に別のところから出版されていたのが、あらためてちくま文庫から出た)されたので、今週はちびちび日々の楽しみに読んでいました。ブクログで新刊通知キーワードを設定していると、発売当日にメールを配信してもらえるので、新刊チェックが漏れなくてよいなあと思います。
一作ずつ、わりとジャンルも作風もバラバラな内容の短編集で、SFだったりファンタジーだったり、怪奇小説だったり純文学だったりします。収録作品の半分くらいは、どうにも難解だったり、話に脈絡が感じられず読者おいてけぼり感が漂っていたりして、なんか正直読んでもよくわからなかったのですが(自分の頭が悪いせいというのもあるが)、しかし残りの半分はかなりツボでした。
ル=グウィン女史の作品に限らない話ですが、SFにはしばしば、それまで生きていて当たり前のことと思っていた視点やものの見方を、ふとひっくり返して考え直させてくれるようなところがあるなと思います。
ストーリー的に大きな盛り上がりがあってドラマチックで……という面白さとはまた違うのですが、けれどたしかに本を開いているあいだ、読み手を遠くにつれていってくれるたぐいの面白さです。
一本目の「アカシヤの種子に残された文章の書き手」など、そういう訴えかけが大いにありました。さまざまな動物の言語について研究が進んだ未来の話で、アリやペンギンの“言語”を翻訳できるようになった未来人の手による、言語というものの本質への考察。
ほかにも、他の惑星に移住したはいいけれど、その環境になかなか適応できずに苦しい暮らしを送っている人々を描いた「目の変質」もよかった。地球とはまったく異なる赤い惑星、その星の風景を描いたはずの一枚の絵が、見る人にとってはなぜか遙かな地球の、それも自分の故郷のあたりを描いた絵に見える……という話。絵の、本質をとらえる力ということ、それから、同じものをみているはずでも、人によってその眼に映る光景はまったく違うのではないか、という認識の問題。
前述のとおり、途中によくわからないような話がいくつもあったものだから、中盤までは読みながらちょいちょい首をかしげていたのですが、ひととおり読み終わってみれば、この本好きだなあと思いました。手放しで人様に薦めていいものかどうかわからないのですが……あと文庫本なのに千円しました。レジに持って行ってから価格に気付いて慌てた……。(あまり中身が入っていなかった)
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