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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 ちょっと電波気味な話で恐縮なのですが。
 だいたいもとから、どっかから不意に落っこちてきた話を、そのまま頭に浮かんだ通りに書くようなタイプの書き手ではあるんです。書く前にある程度の構成を意識的に考えたりとかいうのが、最近になってようやく少しできるようになったけれど、もともとはそういうの、不得手なほうです。

 それはまあいいんだけど、今日の晩御飯のカレーうどんを食べていたら、ものすごく唐突に四十くらいのちょっときれいな女の人が頭の中にやってきて、投げやりな感じでどかっと座りこみ、「母はフルタイムで働いて、残業なしで毎日きっかり六時半に帰宅すると、私の夕食をきちんきちんと支度してから、浮気に出掛けて行く女だった。……」とかなんとか話し始めました。

 いったいなんでまたわたしは、脈絡もなくこんな話を書いているんだろうと思いながらも、ともかく落っこちてきたものは仕方がないので、万年筆とメモ帳を取り出して、口の中にカレーの味を残したまま、彼女が語るとおりにログを取りました。
 しかしなんというか、話にオチがありません。彼女は、十代のころに彼女の家で起きた事件の顛末を、いちおう一通り語ってはいったのだけれど、だからどうだというような結論を言い残さずに、そのまましれっと頭の中から去っていきました。どうせならそこまで喋っていってくれればいいのに。

 しかたがないので、そのまましばらく寝かしておきます。いつか結末が見つかったときに手を入れて仕上げるか、そうでなかったらそのまま忘れてゴミ箱行きか。
 だいたい書いたのが原稿用紙10枚ぶんくらいかな、細かい描写がないので、もしちゃんとまとめるつもりで清書するなら、三倍くらいになるのかなあという感じです。なんとなく雰囲気小説で纏められるようなタイプの話ではなく、オチがなければ仕方がないような中身なので、わたしが自力でオチを見つけたら、そのときに仕上げるということにするしかないのですが、しかし、わたしがこの話にオチを見いだせるほどの人生経験を積むのは、果たしてどれほど先のことなんだろうかと考えると、なんか眼が泳ぎます。ええと……あと十年くらいで足りるのか……?
 自分より年上の主人公の話なら、書くことがないわけではないのだけれど、なんかこれはちょっと荷が重いような気がするなあ。

 ふらりと語り部がやってきて自分から語ってくれる話は、自分に経験のないことでもとりあえず書けるのに、いざ自分の頭で話を組み立てようとすると、自分で味わったことのない感情を書くというのは、すごく難しいことのように感じられます。なんなんだろうなあ、これ。
 意識してるか無意識にやってるかを別にすれば、どっちも自分の脳みそが考えてることのはずなのになあ。

 テーマだけを抽出して突き詰めれば、ろくでなしの父親を嫌悪しつつも、女として強者だった母親に対してコンプレックスを抱いている娘の話なので、完全に自分と無縁な話っていうわけでもないんです。そういうのを頭において最初からまとめなおせば、なんとかまとまりそうな気がしないでもないんですけども、なんかそれをやってしまうと、ぜんぜん別の話になってしまいそうな気もするし。
 もやもや。

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