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唐突に脈絡もなく靴の話なのですが、不詳わたくし、非オシャレ系女子であるばかりでなく、もともとが経済的に苦しい家庭に生まれ育ったものですから、お育ちがよろしくなくて、靴は安いのでいいと、頭っから決めつけて暮らしておりました。
良くも悪くも、それでやいのやいのいう家族もおりませんでしたので、二千円台とか三千円台とかの靴を履きつぶしては買い替え、みたいな生活を、社会人になってからもふつうに続けていました。高いのっていったら結婚式用に買ったやつしかないよねみたいな。
歩き方が悪いので、すぐ靴を駄目にします。だから、高いの買うのもったいないよねっていうのもあったし。
が、ある日たまたま、人に会わねばならないというのに、うっかりしてボロボロな靴を履いてでかけてしまいまして。そろそろ捨てるつもりだった、汚いやつ。迷った挙句に見栄が勝って、待ち合わせ前に、近くにあった靴屋さんに飛び込んだんです。
ところが入ったのが小さな靴屋さんでして、自分にあうサイズで普段から履けるようなデザインの靴が、ない。いや、一足だけ許容範囲のがある。が、高い。一万数千円也。普段履いてるのが三足も四足も買える。
しかし、間の悪いことに近くでほかの靴屋を知らない。このまま汚い靴で向かうか、涙をのんで福沢さんに別れを告げるか。
三十秒悩んで、買うことにしました。
そのときには心で泣いていたのですが、数か月後、ふと気付いたんです。あれ、この靴、ものすごく頑丈だぞ……?
雑に履いてるのに、何か月たっても形がほとんど崩れない。傷もつきにくい。外側もだけど、中敷きも頑丈。そしてとても歩きやすい。
デザインは、可愛くもなんともない、武骨というか無難というか、女子力の欠片もないようなやつなんですが。しかし逆にいえば、それってつまりお値段の大部分が、デザインやブランド台じゃなくて、素材やつくりに懸かっているということなんでしょう。とにかくへたれません。
目からうろこがぼろぼろ落ちました。靴に金をかけるというのは、オシャレのために奮発する覚悟のある人か、立ち仕事の人か、そうでなければ営業や販売のように、ファッションが仕事に求められる人がしたらいいことだと思ってた。
違うんだね。三千円の靴を四足履きつぶすのと同じ期間、ほとんどへたれもせずに長持ちしてくれる頑丈な靴があるんなら、そりゃ四倍の金をかける価値はあるよね。
で、その靴をだいぶ長いことヘビーローテーション極まる感じで履いていて、さすがにだんだん傷が目につくようになってきたので、一度は「ああ、これまでか……」と思ったのだけれど、「ん、待てよ。本革だよな……?」と気付き、グーグル先生に頼って手入れの仕方を調べました。そんで1500円くらいかけて、靴用のブラシとクリーナーとお手入れクリームを買ってきました。で、スマホの画面とにらめっこしながら、こすったり拭いたり塗ったりして、古布でごしごしごしごし……
……きれいになった……。(愕然)
ツヤが戻ったとかいうだけじゃなくて、一気に傷が目立たなくなりました。よく見ないとわからないくらい。
なんてこった。これが革の力なのか……。
ほんとはね、靴ってそもそも、こまめに手入れして履くものらしいんですよね。なんかなんとなく聞きかじってはいたけれど、正直、別世界の出来事だと思ってた。手入れをして大事に履くような靴を買う機会はそうそうなかろうと。
ふだん無精してほぼ履きっぱなしにしているわけだけど、まじめに反省した。これから靴はときどき手入れしながら長く履く。また買い替えるときがきたら、ちゃんと長持ちするやつを選ぶ。
でも、そこそこのお値段してもすぐボロボロになる靴もあるらしいので、問題はどうやって見分けるかだな……。
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