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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 ここ数日で、「Unshared Blue」と「天眼の鬼」に拍手をいただいていました。ありがとうございます!

 昨日、横山秀夫さんの新刊「64(ロクヨン)」を購入しました。七年ぶりの新刊です。嬉しすぎて、理性は「土曜までガマンして一気読みしろ」と叫んでいたにもかかわらず、昨日の夕刻、さっそく読みだしてしまいました。だってファンなんだもの……。
 読みだしてしまえば止まるはずがなく、午前二時すぎに読了しました……きょう仕事中に居眠りしなかったのが奇跡のようだぜ!(ちゃんと社会人らしく自己管理してください)

 面白かったー!
 10年ほど前から、氏の小説のファンです。仕事帰りにタイトル買いした「クライマーズ・ハイ」に圧倒されて、その後のめりこんで、買いあさりました。
 警察小説で有名な方ですが、「クライマーズ・ハイ」は新聞記者の話で、日航ジャンボ墜落事件を追うストーリーです。氏はもと新聞記者の方で、ご自身の体験を執筆に活かしておられます。

 横山作品は、主人公がものすごく格好いい、仕事に生きる男であることが多いです。わけても「臨場」の主人公・倉石は、強烈なカリスマ性を持つキャラクターで、弱みも稀には垣間見せながらも、基本的にはキャーキャー黄色い声を上げたくなるような、痺れるような男ぶりですが、そのほかの刑事小説に登場する主人公たちは、デキる男でありながら情に厚く、どこか青臭さを捨てきれずに残しており、必ずと言っていいほど、なにかしらの弱みを抱えています。

 ひとりの男としての生き様と組織人としてのありようとの間で、仕事に生きることと家族との間で、自らを縛る過去と目の前の事件の間で、強烈なジレンマに陥っている。色々なことに縛られながら、その中で必死で考え、苦しみ、悩みながら戦っている。そういう人間味あふれるキャラクター造形が、大きな魅力のひとつです。

 64の主人公もそうです。長く刑事畑にいて実績を上げ、刑事としての自分に誇りを抱いていたにも関わらず、横やりが入って、広報畑に回されてしまう。それでも任期中はともかくその場所で出来ることをしようと腹をくくった矢先、家族を人質に取られるも同然の形で首根っこを抑えられ、上官に屈せざるを得なくなる……
 警務部と刑事部、キャリアとノンキャリア、警察とマスコミのあいだの対立。そのあいだで板挟みになり続ける主人公。14年前に起きて未解決のままの誘拐事件を軸に、交差するそれぞれの思惑。

 オススメです。

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