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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 老魔法使いの話を、ぽつぽつ下書きしています。



 手書きです。これをパソコンに移しながら推敲を重ねていくのか、それともいつものようにあくまで下書きとわりきって、また頭から書きなおすのか、まだ決めてはいませんが、手書きだけあって筆が粗く、とてもそのまま使えるレベルではないので、どのみち手は入れます。

 数多くの名作を万年筆と原稿用紙で生み出されているかの作家・浅田次郎さんが、某文具雑誌のインタビューで、「パソコンで打てば余計な言葉が増えて文章が軽くなる、手書きならば無駄な文章など書かない」というような話をされていて、読んだときには「ははあなるほど」と感服しましたが、あとではたと我に返って、いやそうかなあと首をかしげました。

 なんか、手書きのほうがどこまでも言葉が遊び、話があちこちに逸れて行きます。当初の予定からふらふら離れて、「あっいかんそういう展開にするつもりじゃなかった」と我にかえる率が、パソコンよりもむしろ高いような気がします。

 これは世代の差でしょうか。もうパソコンで書いてきた年月のほうが、手書きよりも長いからなのか。
 それとも、あれか。パソコンだとときどき戻って文章を削ったり、練り直したりしながら進めて行くところが、手書きだと自分の字が汚くて読み返したくないものだから、よけい後ろを振り返らないのか。
 ……多分それだよ、という気がします。

 もともと字が汚い上に、頭から文章の出てくる速度を殺したくなくてあわてて書きとめようとするのが、よけいに悪いのかもしれません。誤字だらけ、訂正だらけでぐちゃぐちゃになるし。
 むう……なんだろう。もっとこう、文豪気どりで心を落ちつけて、一語一語を吟味しながら、一筆入魂の気迫で…………すみません言ってみただけです。

「近ごろ眼精疲労が激しいことだし、ここはプロットや下書きを万年筆とノートでやろう」と最初に思った(というか、自分にそういう言い訳をして万年筆を買おうと思った)ときには、もっとなんかこう、優雅なひとときみたいなものを漠然と思い浮かべていたのですが、いざ使っているときには、がちゃがちゃ慌てて筆を動かしているだけっていうか、別に高尚な空気とかは欠片もないです。うん……

 便利は便利なんです。万年筆に慣れたら筆圧が落ちたので、長時間書いていても、手があまり疲れません。実用的には満足なんです……が。

 なんだろう。考えてもみれば当たり前のことなのですが、優雅というのは、道具が優雅なだけではだめで、それを使う人間のほうに、あらかじめそのような心持ちが備わっている必要があるんですよね。うんまあ、何事もそういうものだよね……(しょんぼり)

 優雅な性格ってどこかに売ってませんかね……五千円くらいで。(まずその金額しか出てこない時点で無理だと思う)

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