書き手の人の年齢って、わかるようでわからないなあと思います。
空想科学祭の感想返信を見ていると、「えっ初心者だったの? ほんとに?」とか、「あっ、同世代だったんだ!」とか、色々わかって楽しいです。
ツイッターやチャットでやりとりをしていれば、わりと言動からおおよその見当はついたりしますが(たまに長いこと勘違いしていたっていう場合もあるけど……)、何かのきっかけでお知り合いになってから小説を読みにいく場合と違って、知らない方の小説を読んだときって、なんとなく年配の方っぽいとか、お若い方だろうなとか予想していても、意外とわからないですね。(わたしの人間観察眼が鈍いだけかもしれないですが……)
面白いなあと思っているうちに、ふと考え込んだのですが、わたしの書く小説は果たして、年相応なものなんでしょうか。
わたしの場合はわりと性別や年齢を公言しているほうなので、ご存じの方にはいまさらでしょうが、先入観なしで拙作を読んでくださった方からは、何歳くらいだと思われてるんだろう? とんでもない誤解をされてたりして。そういうの考えると、ちょっと楽しいですね。
若く間違えられたら、あるいはもっと上だと思っていたといわれたら、喜んでいいのかどうか。良く受け取ろうと思えばできるし、悪くとろうと思えばとれますね。幼い(or老けている)と受け取るか、感性がみずみずしい(or文章が古臭い)と受け取るか。これは難しい問題だなあ。
いまさらですが、公言せずにあえて間違われてるのも、それはそれで面白いかもしれないなあと思います。たまにいらっしゃいますね、ネット上では年齢性別不詳にして、それを楽しんでおられる方。
そうそう、性別もどうかわからないですよね。先日、少々誤解を招く言動をしたがために、性別を誤解されていたことが判明したのですが、ちょっと楽しかったです。あんまり意識してなかったけど、そういえば「わたし」って男女どっちでも使う人称ですもんね。
…………そこ意識してなかったって、小説書きとしてはどうなの?(えーと)
だいぶ脱線しました。
すごく巧くて重厚な文章で、人間関係の絶妙な機微を書かれてる人とかだったら、なんとなく勝手に「執筆歴が長そうだし、ある程度以上の年齢の人かなあ」とか思ったりもするんですけど、でも実はあんまり関係ないですね。
書くほうの経験が浅くても、読書量が多ければ、びっくりするくらい流麗な文章を書かれたりするし。(もともとのセンスかもしれないけど、それだけとは思いたくないというのは凡才の僻み)
それに、読書量も多い少ないだけじゃなかったり。古典の良著なんかを好んで読まれてる方だったりすると、若くても重々しい文章を書かれたりとかしますね。
それでもよくよく観察すれば、どこかに本来の気質がにじみ出ているはずなんじゃないのかと思うのですが、でも案外、見抜けないです。
お若くても、普段の周囲の人々への観察眼が鋭かったり、想像力が豊かで思索の深い方だったりすると、どういう人生経験積んできたのかと思うくらい、年配のキャラクターの心の綾をしっかり書き分けたりされる。
それが本当に自分の体験として実感して発した言葉でなくても、心に響く言葉って、あるなと思います。稀ですけどね。
小説書きの中には、「自分の話を書け」っていう流派のひともいらっしゃって、それはそれでもっともなんだけど、でも、ほんとうに経験したことの中から発する言葉だけが人の心に響くのかというと、全てが全て、そういうことでもないなと。周りの人の話を聞いたり、いろいろ読んだりする中で、それを上っ面でなく、深く共感して自らのうちに取り込める人が、いるなと思います。ほんとうの想像力って、そういうことなんだろうなと。
見習いたいと思うんだけど、技術だけじゃなくて人格の問題でもあるので、難しいですね。
共感し感情移入する能力って、素晴らしいものでもあるのだけど、常に人の心を思ってばかりいると、生きづらい世の中でもありますね。図太いほうが生きやすい。自分が参ってしまわないために、どこかで壁を作らないといけない。その壁を、なるべく低くできれば素敵だとは思うのですが、なかなかね。
逆に年配の方でも、驚くほど瑞々しく青少年の心の機微を書いておられたりして、それもけっこう憧れます。自分自身が、すでに十代のころの気持ちをだいぶ忘れてしまっていて、つまんない大人になりつつあるなと危機感を覚えたりするので、なおさら。
三日坊主ばっかりしてないで、十代のころから日記とかつけてればよかったかなあ。その当時の心境を思い出すきっかけくらいにはなったのかも。
思い出すのが恥ずかしくていたたまれないので、過去の恥はなるべく忘れようとして生きてきた気がします。でもそれって、書き手としてはどうなんだろうなあ。
と。やっぱりオチはないです。(すみません……)
とりとめもなくつらつらと。しばらくこんな感じのだらだらっとした記事が増えるかもしれません。
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