オススメ紹介記事への拍手コメありがとうございました!(って、ここご覧になるかなあ……? 楽しませていただきました~。なんとも気の利かないレビューで失礼いたしました!)
それから別の方と思いますが、先日の三語小説に拍手をいただいていました。感謝です!
このところ、読書傾向がちょっと南米づいています。ちょっと前にガルシア=マルケス「族長の秋」を、南米の話だと知らずにタイトル買いしたのを皮きりに、空想科学祭でも「デスプエス~それから、」http://ncode.syosetu.com/n0352bi/ にのめりこみ、先日は池澤夏樹編・世界文学全集の中に収録されているチャトウィン「パタゴニア」。そして同じ巻に入っているフエンテス「老いぼれグリンゴ」を、いま読みかかっています。
南米って、さすがは地球の裏側だけあって、普通に暮らしていると、なかなか詳しく知るきっかけがないですね。歴史にもっと詳しければなあと、読みながら自分の知識のなさに歯噛みすること数回。高校のとき暗記系の授業がものすごく苦手だったんですけど、世界史あたりはせめてもうちょっと真面目に聞いておけばよかったなあ。地理なんか選択さえしてなかったし……ちょっと無念です。
さておき。「老いぼれグリンゴ」、すごく面白いです。まだ半分くらいなのですが……
読みやすくはないんです。文体が独特。文章表現自体はとても美しいのだけれど、過去の話といま起きていることが同じシーンの中でいっぺんにごちゃごちゃ語られたり、登場人物の視点をぐるんぐるん行ったり来たりする。あと、文脈の省略が激しいというか、こちらに下地になる知識がないために、現地の人が読んだら理解できる行間のニュアンスが、うまく汲めないというのもあるのかも。「え、どういう意味?」となる瞬間がわりとあります。
だけど、そこをおしてじっくり読むと、すごく面白いです。なんていうか、情熱的でドラマチック。
悲しみをたたえた眼をした白人の老いた男が、あるときふらりと革命軍のリーダーのところにやってきて、自分はここに死にに来たという。七十過ぎの老人です。あまりの場違いな光景に皆が笑う前で、老人はリーダーが投げたコインのど真ん中をみごと拳銃で撃ち抜いて、腕を認められてかれらの仲間に加わる。
読みながら思わず真顔で「なにこの萌え小説」と呟いてしまったのはここだけの話。いやその……ライトノベルやマンガでなく世界文学全集の中でこういうストーリーに行きあたるとは思ってなかったっていうか……。
うっかり新たな世界に目覚めそうなんですが、おっさん萌え属性に老人萌えまで加わってしまったら、もうわたしはどうしたらいいのか……(どうもしなくていいと思います)
こっちは本が大きくて重いので(なにせ世界文学全集だから)、家でちびちび読み進めつつ、通勤中にはベスター「分解された男」をちょっとずつ読んでいます。
ベスターはSFの巨匠で、「虎よ、虎よ!」のひとです。先日ツイッターで某氏さまが、ベスターの「ゴーレム100」が面白かったと仰っていたので、そちらを探すつもりで書店にふらりと寄ったところ、ふつうに置いてませんでした……地方の本屋はこれだから!(地団太)
しかたないので「ゴーレム100」は後日Amazon先生にお願いすることにして、とりあえず置いてあった「分解された男」を買って帰りました。書店によって何も買わずに帰るという選択肢はわたしにはない!
で、読みかかったら、超能力者の増えた社会を舞台にしたお話でした。いまストーリーの三分の一くらい。主人公が殺人者で、警察の捜査の手から逃れようとする側の話です。
ストーリーが好みか好みじゃないかといわれると、あまり好みではないのですが、さりげなく主人公のキャラクターに萌えます。萌えがあれば細かいことはどうでもよくなる読み手なので、結果的にはけっこう楽しく読んでいます。
主人公が悪人なんだけど(ひとを殺しちゃうくらいだし)、悪賢いのにどこか単純なところがあって、憎めないです。しかもよりによって自分の命運を握っている女に、うっかり惚れてしまっているようなふしがあって、そういうキャラクターの配置が何気なくとてもオイシイ。(ご覧の方で既読の方がおられましたら、ネタバレ厳禁でお願いします……!)
「虎よ、虎よ!」でもそうだったように、どこかでストーリー上の転換点があって、主人公が変わるのかもしれないなあと思いつつ、じわじわ読み進めています。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ラノベ棚