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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。

 引き続き「鳥類学」を読みながら、鳥すげえな!? と叫んでおります。鳥の知能とか、渡りの能力なんかがすごいことは、漠然と知ってた(あるいは知っている気になっていた)けれど、何から何まですごいです、鳥。季節にあわせて体重どころか脳の容量まで変動させちゃう話とか、多くの鳥が食物中の水分と、代謝のときに体内で生成される水分量で事足りて、あまり水を飲む必要がないという話だとか。鳥によっては片方の脳ずつ交替で眠らせて(片目を開けたまま)、起きている残りの片方の脳と眼で、眠ったまま敵を警戒するとか。消化の仕組みなんかも、歯がなくて丸呑みするので、胃の中に小石を入れている鳥もいるんだとか。その石が、歯の代わりに食べ物を細かくするんだそうです。

 鳥系人類の話といえば、わたし、今度書こうとしているSFのほかにも、異世界ファンタジーでも一度挑戦したことがあるのですが(「ファナ・ティオトルの学び舎にて」)、そのときには、「でもまあ、けっこう無理あるよね……」とか思ってたんです。脳が大きすぎれば飛行の邪魔になるだろうし……とか、卵生では進化の限度があるんじゃないかとか、だからといって胎生だと、妊娠中の行動/食糧獲得にものすごく不利なんじゃないか……とか。

 だから今回も、設定を思いついたときには、我ながらかなりトンデモなつもりで、「まあハードSFじゃないし、いいや!」という感覚だったんです。けどこの本で、鳥の脳や行動について読んでいたら、ほんのちょっとした環境や素因で、鳥類が進化して高度な文明を築き上げても、べつに何もおかしくないんじゃないか、という気持ちになってきました。
 科学的に厳密にどうか、というよりも、いまから鳥系人類の話を書こうとしているわたし自身が、そういう可能性を信じる気持ちになれたことが、重要な気がします。

 いい資料を選んだなあと思います。読みながら、じわじわと世界観のイメージの細部が湧いてきました。異世界ファンタジーと一緒で、そういう世界設定って、つきつめればどこまでも際限のないことですので、どこまでやれるかはわかりませんが。

 あと純粋に、この本、読んでいて楽しい。(※難しい話は全自動スルー)
 鳥はあまり水滴を必要としないと書きましたが、地域や種類によってはそうもいかなくて、砂漠地帯のオウム類は、定期的に水を飲まなければならないんだそうです。だけど、水場には捕食者がいる。それで、生き残るために、とんでもなく大きな群れを作って、いっせいに水辺に移動したりするんだそうです。
 砂漠地方のほんのちいさな水たまりに集まる、何万羽ものオウム。なんかもう、それだけで小説の場面になりそうですね。
 オーストラリアの砂漠で水たまりに集う、大軍のセキセイインコの写真が添えられていました。白黒なのが残念です。

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