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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 読了。連作短編集。一話一話が少しずつ繋がって重なっています。美しい情景に、情愛と狂気と無残な死体とが絡み合って、なんとも不思議な味わい。かなり良作だと思いますが、ただ、猟奇描写が駄目な方は読まないほうがいいかと。表現が美しいので、私は平気でしたが、身体の一部を切断するような描写は無理、というかたは受け付けないかもしれませぬ。

 単純に考えるなら幻想ホラー。でも基調に流れているのはタイトルにもある『弔い』の部分なんだろうなあと思います。怖いというよりは、ちょっと隠微で、それからだいぶ物悲しい感じです。
 濃密な狂気をはらんでいて、幻想的で、残酷で、どこかひっそりとした甘美な死の匂いに囚われている。そしてもの悲しい。普段はあまりこういうテイストのものは好きでないのですが、小川さんの手にかかると鮮やかに輝きだすから不思議です。

 この本をコメント欄で教えてくださった山田さん様、ありがとうございました。そして、終わり方が明確じゃない、というお言葉に納得です。どちらの人物が見たものを幻覚と捉えて読むか。
 普段はどちらかというと、そういうの苦手なんですけど、小川さんが書かれると魅力的に思えるのが驚きです。

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手放しで面白かった、って程ではないようですが、それなりに楽しんで下さったようでホッとしてます。
僕なんかは「不明瞭な終わり方」ってのが大好物なもので、はたして推薦してしまって良かったのかどうか、ドキドキしていました(苦笑)。
Posted by 山田さん 2009.02.17 Tue 20:49 編集
山田さん様へ
 それなりどころか、とても楽しんで読ませていただきました。怖がりなので、一部読みながら腰が引けていた箇所はありましたが……w
 今読みかえしたら、この感想記事も腰が引け気味ですね。公開記事でオススメしておいて、万が一にでも猟奇描写や狂気を取り扱った描写が苦手な方が読まれたら申し訳ないということもあり、つい逃げ腰に(汗)
 小川さんは本当に描写が美しいですね。狂気の描写もまた美しくて、力があり。少々怖くはありましたが、出会えてよかったです。教えていただきありがとうございました。
Posted by HAL.A URL 2009.02.17 Tue 21:59 編集
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