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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
 小説「彼の予感/彼女の追憶」更新。
 二人称が書きたくて書き始めたはずだったんですけど、二人称ってこれであってるのかな……。なんか間違っているような気がしなくも無いです。ま、細かいことはいいかな……。

 本題。『薬指の標本』読了。
 自重は……もういいや。読みたいときは好きに読もう……。

 人々の思い出の品を標本にして保管する「標本室」で働く「わたし」。標本技術士の弟子丸氏は、彼女にも何かを標本にすることを薦めたが、彼女自身には、これまで標本にして封じ込めてしまいたいような、本当に悲しい思い出などなかった。だが……。

 表題作「薬指の標本」のほか、「六角形の小部屋」の中篇二本が載っています。百八十ページくらいの薄い文庫本です。
 現実と幻想の間の肌触りがします。どちらも不思議な話なんですけど、描写が濃やかで、人間の息遣いや手触りのようなものがあるので、ただの不思議な話で終わっていない。
 即物的な私は、どっちかというとはっきりした読み筋があって明確な結末の待っている話の方が好きです。こういう終わり方の本だったら、大抵は「すっきりしないなあ」と思ってしまうのですが、これは夢中になって読んでしまいました。表題作はちょっと怖い話なんですけれど、語り口が優しいせいか、不思議と後味が悪くなかったです。
 
 この方の本を読むのはまだ二作目です。初めて読んだのは『博士の愛した数式』。しばらく前に映画になったので、有名ですね。私は映画は観ていませんが、少なくとも原作はすごくよかったです。

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No title
久しぶりに僕も読んだことがある本が紹介されているww。
「薬指の標本」も映画化されてますね。
ただしフランス映画ですが(見たこと無いです)。
「博士の愛した数式」はまだ読んでないのですが、小川洋子さんって結構好きな作家です。
個人的に一番のお気に入りは「 寡黙な死骸 みだらな弔い」。
ただし終わり方は明確じゃないですが(汗)。
後は「偶然の祝福」という短編集に収録されている「キリコさんの失敗」は面白かった。
って、ほとんとが面白い作品なのですが。
「ブラフマンの埋葬」「アンジェリーナ―佐野元春と10の短編」は今いちだったかなぁ。
Posted by 山田さん 2009.02.08 Sun 20:36 編集
山田さん様へ
 わあ! ありがとうございます!
 この方の本、次は何を手に取ろうか迷っていたので、すごく参考になります。「寡黙な死骸 みだらな弔い」を探してみようかな。最近は皆様のブログを拝見するうちに読みたい本が増えてきたので、いつになるか分かったものじゃありませんが……。
 そう遠くないうちに引越しがありそうなのに、本の量がえらいことになってきていたり。う、売りたくない……(またあとで読み返すと思って処分できないタイプ)
Posted by HAL.A URL 2009.02.08 Sun 20:57 編集
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