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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。

『スカイ・クロラ』シリーズの番外編集。森さんの作品は、まだ三シリーズくらいしか読んでないんですが、今のところこのシリーズが一番好きです。

『スカイ・クロラ』シリーズは、近未来SF。偶発的に生まれた『キルドレ』と呼ばれる人々。彼らはずっと子どものまま年を取らない。そして過去をほとんど記憶しない。忘れ続けながら、生きていく。
 過去にあったような戦争の代替行為として、いくつかの『会社』が飛行機を飛ばして定期的に戦闘を繰り返しており、ときおりその模様を報道しているらしい。そういった情勢が、明確には説明されていなくて、読み手は登場人物の言葉や行動の背景からうっすらとこの世界の状況を読み取ることになります。そうした飛行機に乗るパイロットたちが、主人公。
 パイロットのうち何割か(あるいは大部分)が、普通の人間ではない『キルドレ』らしい。彼らはまだ生まれて数十年ほどしかたっておらず、分からない部分も多い。世間から偏見の目で見られているようで、だけど彼ら自身はあまりそれを気にしていない。彼らの中で大事なことは、空での「ダンス」。

 孤独、憧憬。純粋な彼らの、どこか悲しい、透明な生き様。
 このシリーズが一番好きだといいながらも、実は一読でははっきりと理解できなかった部分が残っています。
 シリーズの途中で、それまでの思い込みを引っ繰り返す、ある部分が出てきます。そこで「あ、そういうことなのか!?」と思ったはいいけれど、実は、そこがはっきりと確信を持てるほどは示されていない。だから、ヒントを拾って推測するしかない。
 そのうちもう一回、頭から通読したいなあと思っています。(そんな本ばっかりなんですが!)

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 読了。
 中学生になってわずか一月、どうしても学校に行けなくなった主人公・まいは、家族の配慮でしばらくの間、祖母の家で暮らすことになった。
 山の中、細い小道を抜けた先、草木に囲まれた場所に、おばあちゃんの家はある。町までは車で三十分かかる、そんな場所。庭の植物は生き生きとしている。小さな畑で野菜を作り、鶏を飼い、ハーブを育て、野苺でジャムを作る。
「まいは、魔女って知っていますか」おばあちゃんは、うちは魔女の家系なのだと言った。

 多感な時期、感受性の鋭い女の子の、繊細で潔癖で傷つきやすく、いつも必死な姿が、実に丁寧に描き出されています。溢れるような愛情も。この方の作品は、あまり激的な展開があったりはしないのだけれど、読んでいてじんわりと沁みるような良さがあります。

 梨木さんの本、七冊目かな。まだ読んでいない作品もぼちぼち買おうかと思ってます。かなり好きな本が多いのですけれど、今のところ、やっぱり一番好きなのは『家守綺譚』。
 同じ方の本でもやはり好き嫌いはあるし、最初の出会いの印象があまりよくなければ、なかなか次の本を読むのに足踏みしてしまう。逆に最初の印象がよければ、次に読む本をより楽しむことができる。そういうことを考えたら、その作家さんとの最初の出会いが良著であるというのは、幸せなことだなあと思います。

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 読了。

 照美の家の近所には、かつて英国人一家の別荘だった洋館があった。その一家にはふつうの庭とは別に、普通は絶対に入れない『裏庭』と呼ばれる世界があり、その『裏庭』を管理する役目の少女が代々生まれてきた。照美はある出来事をきっかけに、その『裏庭』に入り込んでしまい……

 なんだろう。ファンタジーとして大作なのは分かる。ひとつひとつの場面としては、感じるところもあった。読んでいてつまらなかったわけではなく、むしろ読み始めたらぐいぐい読んでしまったことは間違いない。
 でも、無念ながら今回はあまり肌に合わなかった。

 好きな人はすごく好きなんじゃないかなとも思います。かつて宮部みゆきの『ブレイブ・ストーリー』を読んだときにも、同じことを思ったおぼえが。(雰囲気は大分違いますが)
 典型的な「行きて帰りし物語」であり、だけどただの類型には収まらない何かがある。作品としての評価が低いわけではなくて、すごいと思う。ただ、どうも肌に合わない。

 充分に楽しめなかった原因はふたつほどあるように思います。まず、主人公を含め、登場人物ひとりひとりの性格をうまくつかめなかったこと。共感しそこなってしまったんですね。
 それから、裏庭世界の足元が不確かなこと。主人公の心象によって変化していく世界のありようが、なんとなく苦手。しかし、この不確かさ、夢と現実の境界のようなめまぐるしく移り変わる模様を、あるいは幻想と呼ぶのかもしれず、そう思ってみれば、こういうものがある意味で正しいファンタジーのあり方なんだろうとも思います。

 だから、好みの問題かな。私は異世界ファンタジーは大好きなんですけど、どちらかというと、そこに確たる世界があるもののほうが好き。魔法や精霊や亜人種や独自の文化や、その他の不思議がたくさんあってもいいのだけれど、そこに住んでいる人々には、地に足を着けて暮らしていて欲しい。
 けして抽象的、幻想的な作品が嫌いなわけではないのだけれど、長編で読むにはちょっと辛い。
 そう考えると、もしかしたら私が好きなのは異世界ファンタジーじゃなくて、異世界を舞台にしたSFなのかもしれません。

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 読了。

 短編集です。いずれも医者や看護士などの視点から、医療現場の現実を描き出した作品。

 この方の本を読んだのは、『阿弥陀堂だより』『エチオピアからの手紙』に続いて、三作目。いずれも淡々と静かに綴られているのだけれど、その奥の激情や葛藤、苦悩が強く胸を打ちます。そしてそれは、作者自身の生の言葉だからなんだと思います。
 実際に内科医として働きながらの、週末作家さんだそう。フィクションなんだけど、作者さんご自身の人生を背負った言葉なんだろうなと思います。
「地に足をつけて発言したい。」筆者自身がそう語っておられるのが、納得のいく作品ばかり。医療関係の話に興味がないという方も、一読して損はありません。

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 読了。

 殺された妻の復讐をするため、仇の男が在籍する会社にもぐりこんでいる『鈴木』。依頼を受けた相手を「自殺させる」仕事を請け負っている、自殺屋『鯨』。同じく依頼を受ければ相手が女子どもであっても平然とナイフで惨殺する『蝉』。裏社会に生きる三人の男の視点から交互に語られる物語。

 鈴木はまだしも、鯨も蝉もひどいやつらなんだけど、どこか人間味があって、憎みきれない。本作に限らず、伊坂さんの作品は、どれも登場人物が強烈で、魅力的です。
 すぐれたストーリーテリングと魅力的なキャラクターのふたつの要素が揃っていて、面白くないはずがない。手持ちでまだ読んでいない三冊がすごく楽しみです。

 文庫本の裏のあらすじで「疾走感あふれる」と紹介されているんですが、まさにそんな感じ。まず、出だしの掴みがすごい。そして続く展開がいちいち手に汗握る。夢中になって読みました。
 ただ、若干の猟奇描写があり、びっくりするぐらい人が死にますので、そういうのが苦手な方は、避けたほうがいいかもです。
 すごく面白かったのですが、ただ、読み終えて、うまく自分の中で上手な着地点を見つけ切れなかった伏線が少しばかりあり。わざと曖昧にしてあるのか、私が読み損なっているのか、そこが気になっています。

<以下、追記にネタバレ含むつぶやき。未読の方はご遠慮ください>

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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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