小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
読了。
家族が一人、また一人と先立っていく。大切な人があっけなく命を落とし、自分は取り残される。その死とまともに向き合うことも辛くて、夜毎に押し寄せる喪失の痛みをやり過ごし、いつか苦しみが通りすぎて過去になる日がくるのを、じっと待っている――。
いずれも愛する人を亡くした女性を主人公に据えた、短編が三本。
喪失の痛みにひたすら耐えながら、耐え続けた途方もない時間の先に、それでもいつか訪れる幸福を、確かに求めている自分に気付く。
……うーん、私が要約すると安っぽいですね。つくづく作品紹介の才能ないなあ。
主人公の周りの、ちょっとクセがあってヘンテコで、でもすごく優しい人たちが、いいなあー。優しさや善意をストレートに書ける作家さんて、なんかいいなあと思います。
今気付いたんですけど、これ、吉本さんのデビュー作なんですね。そのせいかどうか、やや文章がぎこちないというか、ところどころ読んですっと意味をつかめないような感じがあって、ちょうど読んでいる自分自身が疲れ目気味なのもあり、最初は「うっ……」と思ったんですけど、そんなこんなはさておき、読みづらさをおして読んでよかったかな。
表題作『キッチン』の冒頭がいきなり「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」で始まる。料理好きの女性なのかな? と思いきや(実際にのちに料理に目覚めるんだけど)、台所という場所そのものに思い入れがあるらしく、次々に家族を失い続けてとうとう一人になったあと、台所に毛布を持ち込んで眠るようになり、いつか死ぬときが来たら「その場所が台所なら、いいな」と思う。
主題とは逸れるけど、そういう細々とした描写がなんか好きだなあ。ガラスのコップに注いだ緑茶が、陽に透けて床に黄緑色の影を落とすくだりとか。
家族が一人、また一人と先立っていく。大切な人があっけなく命を落とし、自分は取り残される。その死とまともに向き合うことも辛くて、夜毎に押し寄せる喪失の痛みをやり過ごし、いつか苦しみが通りすぎて過去になる日がくるのを、じっと待っている――。
いずれも愛する人を亡くした女性を主人公に据えた、短編が三本。
喪失の痛みにひたすら耐えながら、耐え続けた途方もない時間の先に、それでもいつか訪れる幸福を、確かに求めている自分に気付く。
……うーん、私が要約すると安っぽいですね。つくづく作品紹介の才能ないなあ。
主人公の周りの、ちょっとクセがあってヘンテコで、でもすごく優しい人たちが、いいなあー。優しさや善意をストレートに書ける作家さんて、なんかいいなあと思います。
今気付いたんですけど、これ、吉本さんのデビュー作なんですね。そのせいかどうか、やや文章がぎこちないというか、ところどころ読んですっと意味をつかめないような感じがあって、ちょうど読んでいる自分自身が疲れ目気味なのもあり、最初は「うっ……」と思ったんですけど、そんなこんなはさておき、読みづらさをおして読んでよかったかな。
表題作『キッチン』の冒頭がいきなり「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」で始まる。料理好きの女性なのかな? と思いきや(実際にのちに料理に目覚めるんだけど)、台所という場所そのものに思い入れがあるらしく、次々に家族を失い続けてとうとう一人になったあと、台所に毛布を持ち込んで眠るようになり、いつか死ぬときが来たら「その場所が台所なら、いいな」と思う。
主題とは逸れるけど、そういう細々とした描写がなんか好きだなあ。ガラスのコップに注いだ緑茶が、陽に透けて床に黄緑色の影を落とすくだりとか。
PR
読了。
エッセイ集。
著者が滞在中(あるいは旅行中)に英国や米国、カナダで出あった、人々のさまざまな生き方、立ち位置。
異なる文化の中で生きる人との交流。異人種への差別、偏見。理解と、無理解と、理解できない相手をどこまで「そのまま受け入れる」ことができるかということ。日常を、どれだけ生き抜くことができるかということ。
うーん。一冊の中に、気に入った言葉がたくさんあって、どれかひとつでも引用しようかとも思ったのですが、一部を切り出してここに置いても、うまく伝わらない気がします。単に私にコピーのセンスがないだけ……かも。
周囲の人々を捉える視線の濃やかさ、暖かさがとても心地良い一冊。もう一冊のエッセイ「ぐるりのこと」と続けて読むとなおいいかもしれません。
エッセイ集。
著者が滞在中(あるいは旅行中)に英国や米国、カナダで出あった、人々のさまざまな生き方、立ち位置。
異なる文化の中で生きる人との交流。異人種への差別、偏見。理解と、無理解と、理解できない相手をどこまで「そのまま受け入れる」ことができるかということ。日常を、どれだけ生き抜くことができるかということ。
うーん。一冊の中に、気に入った言葉がたくさんあって、どれかひとつでも引用しようかとも思ったのですが、一部を切り出してここに置いても、うまく伝わらない気がします。単に私にコピーのセンスがないだけ……かも。
周囲の人々を捉える視線の濃やかさ、暖かさがとても心地良い一冊。もう一冊のエッセイ「ぐるりのこと」と続けて読むとなおいいかもしれません。
読了。
エッセイ。
『ぐるり』は自分の周囲、の意のぐるり。
住んでいる町で、滞在した英国で、旅行に行ったトルコの地で、ある日のドライブで、取材旅行先の東北で、あるいはニュースを見ながら。感じたこと・考えたことが綴られています。
個人と集団、集団への帰属意識、異分子を排除しようとする本能、境界。諦めること、理解しようとすること、受容するということ。
その観察眼と思索の、こまやかさ。日常の中で(あるいは旅先で)、目の前に広がる世界のひとつひとつを、実に濃やかに愛情深く見つめている、その視線が読んでいて心地良い。なるほど、こういう人だからこそ、ああいう小説が書けるのだなと、思わずそんなことを考えつつ。
小説を書くとき、冒頭の一文と、それから最後の一文の重要性というのは、割とよく言われることのような気がするんですけど、梨木さんの本を読んでいると、いつもそのことを思い出します。(本作はエッセイであって小説じゃないんですけども)
最後の一文が作り出す、この余韻!
エッセイ。
『ぐるり』は自分の周囲、の意のぐるり。
住んでいる町で、滞在した英国で、旅行に行ったトルコの地で、ある日のドライブで、取材旅行先の東北で、あるいはニュースを見ながら。感じたこと・考えたことが綴られています。
個人と集団、集団への帰属意識、異分子を排除しようとする本能、境界。諦めること、理解しようとすること、受容するということ。
その観察眼と思索の、こまやかさ。日常の中で(あるいは旅先で)、目の前に広がる世界のひとつひとつを、実に濃やかに愛情深く見つめている、その視線が読んでいて心地良い。なるほど、こういう人だからこそ、ああいう小説が書けるのだなと、思わずそんなことを考えつつ。
小説を書くとき、冒頭の一文と、それから最後の一文の重要性というのは、割とよく言われることのような気がするんですけど、梨木さんの本を読んでいると、いつもそのことを思い出します。(本作はエッセイであって小説じゃないんですけども)
最後の一文が作り出す、この余韻!
読了。
近未来、インターネットの発展した時代。人は知らない単語に出会ったとき、まずどうするか? ――検索するのだ。
「その言葉」を検索しようとする者は、悲惨な目に合う。見て見ぬ振りも勇気。姿を晦ました先輩SEからの警告メッセージを受けとった主人公は、それでも「それ」に深入りしてしまう。
政治家でも官僚でもなく、『国家』そのものの意思。大きな流れ。巨大なシステムにも似た何か。逆らっても手ごたえの無い、正体のない怪物。そうしたものを目の当たりにしたとき、人に何ができるのか。
面白かった! これから読まれる方がいらっしゃいましたら『魔王』のあとにどうぞ。できれば続けて読んだほうが面白いかもしれません。
読み応え抜群でした。(というかつい読み始めてしまって、気付いたら黙々と読んでいた……)いつもながら親しみの持てる面白いキャラクターと、飽きない展開。それにユーモアセンス。
思えば最初に伊坂さんの本を読んだときは、独特のシュールな世界観に「?」となってしまって、しばらく違和感があったんですけど、今はそれが伊坂作品の妙味だと思っている始末。いつのまにかすっかりやられちゃっているというか、中毒になってます。うーん。
近未来、インターネットの発展した時代。人は知らない単語に出会ったとき、まずどうするか? ――検索するのだ。
「その言葉」を検索しようとする者は、悲惨な目に合う。見て見ぬ振りも勇気。姿を晦ました先輩SEからの警告メッセージを受けとった主人公は、それでも「それ」に深入りしてしまう。
政治家でも官僚でもなく、『国家』そのものの意思。大きな流れ。巨大なシステムにも似た何か。逆らっても手ごたえの無い、正体のない怪物。そうしたものを目の当たりにしたとき、人に何ができるのか。
面白かった! これから読まれる方がいらっしゃいましたら『魔王』のあとにどうぞ。できれば続けて読んだほうが面白いかもしれません。
読み応え抜群でした。(というかつい読み始めてしまって、気付いたら黙々と読んでいた……)いつもながら親しみの持てる面白いキャラクターと、飽きない展開。それにユーモアセンス。
思えば最初に伊坂さんの本を読んだときは、独特のシュールな世界観に「?」となってしまって、しばらく違和感があったんですけど、今はそれが伊坂作品の妙味だと思っている始末。いつのまにかすっかりやられちゃっているというか、中毒になってます。うーん。
読了!
アマチュアバンドのギタリストである主人公。昔からのバンド仲間たち、少し前までドラムを叩いていた主人公の恋人・ひかりと、彼女が抜けたあとに入ったひかりの妹・桂。貸しスタジオのオーナー。彼らの間にある、ちょっと複雑な人間関係。
それから主人公の過去。幼い頃に死んだ主人公の姉と、その直後に脳腫瘍で病死した父親。家族をふたり立て続けに失って、心を病んだ母親。
あまり詳しくは書きません。ネタバレになったら嫌だから。
すべてのピースがぴたりと嵌まったとき、胸に訪れる驚きと、深い感動。
これぞミステリの醍醐味。もう、ここまでいったら芸術の域だと思いました。(いや、文学も芸術の一形態という意味で考えると、この言い方はすごく語弊があるんですけど……)
ミステリ要素も唸るしかない見事さですが、ストーリーもすごく良かった。帯に『最高傑作』と書かれている意味が、よく分かる。
読み終えた今、万雷の拍手を贈りたい。
教えてくださったかなた様に大感謝です。最近本を買いすぎなので、少しばかり自重しつつ、道尾さんの他の本もいずれゆっくり読んでみたいと思います。
アマチュアバンドのギタリストである主人公。昔からのバンド仲間たち、少し前までドラムを叩いていた主人公の恋人・ひかりと、彼女が抜けたあとに入ったひかりの妹・桂。貸しスタジオのオーナー。彼らの間にある、ちょっと複雑な人間関係。
それから主人公の過去。幼い頃に死んだ主人公の姉と、その直後に脳腫瘍で病死した父親。家族をふたり立て続けに失って、心を病んだ母親。
あまり詳しくは書きません。ネタバレになったら嫌だから。
すべてのピースがぴたりと嵌まったとき、胸に訪れる驚きと、深い感動。
これぞミステリの醍醐味。もう、ここまでいったら芸術の域だと思いました。(いや、文学も芸術の一形態という意味で考えると、この言い方はすごく語弊があるんですけど……)
ミステリ要素も唸るしかない見事さですが、ストーリーもすごく良かった。帯に『最高傑作』と書かれている意味が、よく分かる。
読み終えた今、万雷の拍手を贈りたい。
教えてくださったかなた様に大感謝です。最近本を買いすぎなので、少しばかり自重しつつ、道尾さんの他の本もいずれゆっくり読んでみたいと思います。
プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
拍手コメントをいただいた場合は、お名前をださずにブログ記事内で返信させていただいております。もしも返信がご迷惑になる場合は、お手数ですがコメント中に一言書き添えていただければ幸いです。
ブクログ
ラノベ以外の本棚
ラノベ棚
ラノベ棚
フォローお気軽にどうぞ。
リンク
アーカイブ
ブログ内検索
カウンター

