小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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読了。
人気球団の投手・沢村はある晩、マンションの前で見知らぬ男に呼び止められ、「約束を守れ」と突然殴られた。身に覚えのないことに戸惑っているうちに、関係者へ、そのときの映像を添えた告発文が送られてきた。「私は沢村投手を暴行した男たちが組織暴力団の構成員だという情報を、個人的ルートから得た。」
さらに謎の告発者は、沢村が暴力団関係者からの依頼で八百長試合をやっている、野球界から追放するようにと続ける。身に覚えのない嫌疑により、確たる証拠もないまま二軍落ちし、謹慎を命じられる沢村。このままやられっぱなしでいるわけにはいかない、犯人を捜し出してみせる――
野球ミステリ。
楽しく読めました。ミステリとしての構成がすごいとか、伏線やどんでん返しがどうとか、そういう感じではないのだけれど、負けず嫌いの主人公がぼろぼろになりながら意地と根性で闘い抜く、王道の面白さがあります。
才能があり頭もよく、プライドが高くて人付き合いが苦手、しょっちゅう周囲と摩擦を起こすという主人公のキャラクターは、まあ、ちょっとイヤなヤツかな。でも変に人間が出来てる主人公より、むしろ人間味があっていいなあと感じました。……主人公の性格を「若いなあ」と思ってしまった自分がすごくショックだったわけですけれども!(涙)
比重がやや野球>ミステリなので、野球がお嫌いな方は、もしかしたらそれほど面白くないかも? 私もつい二年前くらいまでは、野球は嫌いではないけれど関心がなかったので(今も別に詳しくはないのだけれど、ちょっと好きになったんです)、出会ったタイミングがよかったかもなあ、と思いつつ。
人気球団の投手・沢村はある晩、マンションの前で見知らぬ男に呼び止められ、「約束を守れ」と突然殴られた。身に覚えのないことに戸惑っているうちに、関係者へ、そのときの映像を添えた告発文が送られてきた。「私は沢村投手を暴行した男たちが組織暴力団の構成員だという情報を、個人的ルートから得た。」
さらに謎の告発者は、沢村が暴力団関係者からの依頼で八百長試合をやっている、野球界から追放するようにと続ける。身に覚えのない嫌疑により、確たる証拠もないまま二軍落ちし、謹慎を命じられる沢村。このままやられっぱなしでいるわけにはいかない、犯人を捜し出してみせる――
野球ミステリ。
楽しく読めました。ミステリとしての構成がすごいとか、伏線やどんでん返しがどうとか、そういう感じではないのだけれど、負けず嫌いの主人公がぼろぼろになりながら意地と根性で闘い抜く、王道の面白さがあります。
才能があり頭もよく、プライドが高くて人付き合いが苦手、しょっちゅう周囲と摩擦を起こすという主人公のキャラクターは、まあ、ちょっとイヤなヤツかな。でも変に人間が出来てる主人公より、むしろ人間味があっていいなあと感じました。……主人公の性格を「若いなあ」と思ってしまった自分がすごくショックだったわけですけれども!(涙)
比重がやや野球>ミステリなので、野球がお嫌いな方は、もしかしたらそれほど面白くないかも? 私もつい二年前くらいまでは、野球は嫌いではないけれど関心がなかったので(今も別に詳しくはないのだけれど、ちょっと好きになったんです)、出会ったタイミングがよかったかもなあ、と思いつつ。
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読了。
国内・海外ともに高い評価を得ている画家、宇佐美。個展の最終日を明日に控えたその日、係員が目を離した隙に、展示されていた肖像画に硫酸が掛けられるという事件が起きた。青くなる責任者をよそに、宇佐美は血相を変えることもなく、警察には通報しないでいいと言う。
その宇佐美の携帯に、知らない少女から電話が入った。「きょうは予行演習です。それをお伝えするために電話しました」――。
短・中篇が3本。
過去にひどい目にあわせた女性への罪の意識に苦しむ芸術家、明日から無実の罪を被って刑務所に入るという男、いつも昼間から飲んだくれている腕のいいクリエイティブ・ディレクター。
なんだろう、この空気。静かな哀愁、苦悩、皮肉。無頼、に見せかけた顔の下にひっそりと見え隠れする、純情のようなもの。それからダンディズムとロマンの匂い、かな。作品に漂う濃密な空気と、繊細な人物描写。物語世界に心地よく酔えました。三本目の『水母』が一番好きだなあ。
これ、作者さんは亡くなってるんですね。残念だなあ……!
以下、とりとめのない独り言。
生きてるうちに書ける小説って、どのくらいの分量だろう。読める本って何冊くらいだろう。
もし、うまいこと長生きできたとして、細かい字に何時間も向かえる体力のある期間が、どんなに長くたってあと五十年そこそこ……か。読むほうは、それでも何千冊か読めるかもしれないけど、書くほうはすごく限られてる気がします。一年に何本も長編小説を量産できるような体質だったらよかったんだけど、無理。遅筆だし、生活もあるし、第一、仕事も真剣にやりたいし。今の仕事、不満は山ほどあるし、正直二日に一回はうんざりするけど、でも好きな仕事なんです。適性的には、けして自分に向いているというわけではないんだけど。
最近、読む本読む本が面白く感じられて、少し困ってます。たまたま良著に当たりつづけている可能性もあるんですけど、どうも、前より少し、読書を楽しむコツを掴んだみたいな気がします。それはいいことなんですけど。
でもそのせいで変に焦る。読みたい本を読みつくすには、人生はあまりにも短すぎる気がして。書きたい小説を全部書きつくすには、もっと短すぎるかもしれない。せいぜい気合入れて、そのとき読んでる(書いてる)ものを精一杯楽しむしか仕方ないのか。それが自己満足にすぎなくても。
国内・海外ともに高い評価を得ている画家、宇佐美。個展の最終日を明日に控えたその日、係員が目を離した隙に、展示されていた肖像画に硫酸が掛けられるという事件が起きた。青くなる責任者をよそに、宇佐美は血相を変えることもなく、警察には通報しないでいいと言う。
その宇佐美の携帯に、知らない少女から電話が入った。「きょうは予行演習です。それをお伝えするために電話しました」――。
短・中篇が3本。
過去にひどい目にあわせた女性への罪の意識に苦しむ芸術家、明日から無実の罪を被って刑務所に入るという男、いつも昼間から飲んだくれている腕のいいクリエイティブ・ディレクター。
なんだろう、この空気。静かな哀愁、苦悩、皮肉。無頼、に見せかけた顔の下にひっそりと見え隠れする、純情のようなもの。それからダンディズムとロマンの匂い、かな。作品に漂う濃密な空気と、繊細な人物描写。物語世界に心地よく酔えました。三本目の『水母』が一番好きだなあ。
これ、作者さんは亡くなってるんですね。残念だなあ……!
以下、とりとめのない独り言。
生きてるうちに書ける小説って、どのくらいの分量だろう。読める本って何冊くらいだろう。
もし、うまいこと長生きできたとして、細かい字に何時間も向かえる体力のある期間が、どんなに長くたってあと五十年そこそこ……か。読むほうは、それでも何千冊か読めるかもしれないけど、書くほうはすごく限られてる気がします。一年に何本も長編小説を量産できるような体質だったらよかったんだけど、無理。遅筆だし、生活もあるし、第一、仕事も真剣にやりたいし。今の仕事、不満は山ほどあるし、正直二日に一回はうんざりするけど、でも好きな仕事なんです。適性的には、けして自分に向いているというわけではないんだけど。
最近、読む本読む本が面白く感じられて、少し困ってます。たまたま良著に当たりつづけている可能性もあるんですけど、どうも、前より少し、読書を楽しむコツを掴んだみたいな気がします。それはいいことなんですけど。
でもそのせいで変に焦る。読みたい本を読みつくすには、人生はあまりにも短すぎる気がして。書きたい小説を全部書きつくすには、もっと短すぎるかもしれない。せいぜい気合入れて、そのとき読んでる(書いてる)ものを精一杯楽しむしか仕方ないのか。それが自己満足にすぎなくても。
読了。
幼い頃に淡路から北海道へ入植した宗方家の兄弟には、アイヌの友がいた。兄の三郎は農学校で学んだ知識を活かし、アイヌの人々の力を借りて土地を開拓し、気候に適した作物を植え、牧場を初めることにした。
おりしも、和人のアイヌへの迫害は勢いを増していたころだった。アイヌの子と親しくしているというだけで世間から白い目で見られる、そんな時代だった。
初めての収穫の頃、近隣地域がバッタの大量発生により飢饉に見舞われた。作物の茎も葉もやられたが、いくらかのジャガイモだけが、かろうじて土の中に残されていた。
乱獲のせいで、鮭も鹿も数を減らしていた。和人は援助を受けてかろうじて食いつないでいけそうだったが、アイヌの人々は、飢えて冬を越せずに死ぬしかないと思われた。
飢える和人を差し置いて、アイヌの人々にこれを渡したことを人に知られれば、どんな目に合うか分からない。三郎は大きな選択を迫られた――。
フィクションだけれど、作者の曽祖父とその兄をモデルにした、史実に沿った話だそうです。登場人物は創作だけれど、大筋は事実ということ。
たまたま先般読んだエッセイ『ぐるりのこと』の中にも、アイヌの人々の伝承についてちらっと触れてあったんですけど、文字を持たない代わりに、とても記憶力のある人々だったとのこと。物語は全て、口承で語り継がれてきたんですね。
話は『静かな大地』に戻りますが、作中で主人公の由良という女性が、自分の夫や子らにアイヌの伝承を話してきかせながら、喜んで話を聴く家族に対して、「これじゃだめだ」と首を振るシーンがありました。以下抜粋。
「ええ。今、わたしはこの話を十五分くらいで読んでしまったでしょう。でも本当は一時間も二時間もかかるお話なのではないかしら。
同じような響きの言葉を何度も繰り返して、ゆっくりと少しずつ筋をたどって、聞いている人たちが心から怖がったり、安心したり、嬉しい気持ちになったり、そうやって楽しく一晩を過ごすようなお話。
最初から最後まで筋を知っている人でも、モロタンネのお婆さんが話すとなれば、その話しぶりが聞きたくて冬の寒い道を遠くから歩いてやってくる。
紙の上に字を書いたのを読んでも、そういう楽しさは伝わらないわ」――
冬の長い夜、火を囲んで、目を輝かせる子どもたちや大人たちに向かって、語り部がゆっくりと抑揚をつけて語る話。
ああ、物語の理想形だなあ……と、ぼんやり思い耽ってしまいました。紙に書かれた本を読むことも小説を書くことも、大好きなんですけどね。
幼い頃に淡路から北海道へ入植した宗方家の兄弟には、アイヌの友がいた。兄の三郎は農学校で学んだ知識を活かし、アイヌの人々の力を借りて土地を開拓し、気候に適した作物を植え、牧場を初めることにした。
おりしも、和人のアイヌへの迫害は勢いを増していたころだった。アイヌの子と親しくしているというだけで世間から白い目で見られる、そんな時代だった。
初めての収穫の頃、近隣地域がバッタの大量発生により飢饉に見舞われた。作物の茎も葉もやられたが、いくらかのジャガイモだけが、かろうじて土の中に残されていた。
乱獲のせいで、鮭も鹿も数を減らしていた。和人は援助を受けてかろうじて食いつないでいけそうだったが、アイヌの人々は、飢えて冬を越せずに死ぬしかないと思われた。
飢える和人を差し置いて、アイヌの人々にこれを渡したことを人に知られれば、どんな目に合うか分からない。三郎は大きな選択を迫られた――。
フィクションだけれど、作者の曽祖父とその兄をモデルにした、史実に沿った話だそうです。登場人物は創作だけれど、大筋は事実ということ。
たまたま先般読んだエッセイ『ぐるりのこと』の中にも、アイヌの人々の伝承についてちらっと触れてあったんですけど、文字を持たない代わりに、とても記憶力のある人々だったとのこと。物語は全て、口承で語り継がれてきたんですね。
話は『静かな大地』に戻りますが、作中で主人公の由良という女性が、自分の夫や子らにアイヌの伝承を話してきかせながら、喜んで話を聴く家族に対して、「これじゃだめだ」と首を振るシーンがありました。以下抜粋。
「ええ。今、わたしはこの話を十五分くらいで読んでしまったでしょう。でも本当は一時間も二時間もかかるお話なのではないかしら。
同じような響きの言葉を何度も繰り返して、ゆっくりと少しずつ筋をたどって、聞いている人たちが心から怖がったり、安心したり、嬉しい気持ちになったり、そうやって楽しく一晩を過ごすようなお話。
最初から最後まで筋を知っている人でも、モロタンネのお婆さんが話すとなれば、その話しぶりが聞きたくて冬の寒い道を遠くから歩いてやってくる。
紙の上に字を書いたのを読んでも、そういう楽しさは伝わらないわ」――
冬の長い夜、火を囲んで、目を輝かせる子どもたちや大人たちに向かって、語り部がゆっくりと抑揚をつけて語る話。
ああ、物語の理想形だなあ……と、ぼんやり思い耽ってしまいました。紙に書かれた本を読むことも小説を書くことも、大好きなんですけどね。
読了。
父親の視点から家族を描く短編集。
オヤジ狩りなんていう言葉が流行る中、コンビニや自販機の前にたむろする中高生に注意する勇気が出ない。中学生になったばかりの息子に、うまく接することができない。まだ中学生の娘が、素行の悪い相手とつきあっているらしい。活発で人気者だと思っていた娘が、気付けばクラスでいじめにあっていた――。
三十代後半から四十代前半にかけてのお父さんたちの悩みを綴った一冊。
あ、これ、好きだなあー。最初の『ゲンコツ』が一番好きかもしれません。
これまでにも重松さんの本は三冊ほど読んだことがあって、そっちももちろん良かったんですけど、それほど強烈な印象は残ってませんでした。今作が一番好きかな。
現代日本の家族をリアルに描くことで有名な作家さんです。派手なドラマはないんですけど、こういう、人間がしっかり書かれている作品って好きです。
父親の視点から家族を描く短編集。
オヤジ狩りなんていう言葉が流行る中、コンビニや自販機の前にたむろする中高生に注意する勇気が出ない。中学生になったばかりの息子に、うまく接することができない。まだ中学生の娘が、素行の悪い相手とつきあっているらしい。活発で人気者だと思っていた娘が、気付けばクラスでいじめにあっていた――。
三十代後半から四十代前半にかけてのお父さんたちの悩みを綴った一冊。
あ、これ、好きだなあー。最初の『ゲンコツ』が一番好きかもしれません。
これまでにも重松さんの本は三冊ほど読んだことがあって、そっちももちろん良かったんですけど、それほど強烈な印象は残ってませんでした。今作が一番好きかな。
現代日本の家族をリアルに描くことで有名な作家さんです。派手なドラマはないんですけど、こういう、人間がしっかり書かれている作品って好きです。
読了。
うわあ、これはいい。働く女性にはぜひ読んでほしい。
主人公の女性は三十七歳、未婚、入社十四年と十ヶ月、一流企業の企画部で、肩書きは課長、年収一千万円クラスの本物のキャリアウーマン。仕事はできる、代わりに職場では煙たがられている。ひとりぼっちのランチタイムにはもう慣れた。必死にとんがりながら、オフィスに渦巻く悪意や嫉妬と必死に闘い続けるワーキングガール。
バリバリ働きながら人当たりもいい完璧なカッコイイ女、でもないし、ただの嫌なお局様、でもない。会社で口にしない弱音もたくさんある。でも最後のところでくじけない。闘う。
仕事は好きだけど冴えないヒラな私にも「あるある!!」と思えるようなところもばっちりあって、しっかり共感できるんですよね。アオリの「全国のOLから共感の声」「慢性的な精神疲労に、よく効きます」が納得。
痛快! なんだけど、ただの快進撃じゃない。大好き。
……職場の偉い人(女性)が貸してくださったんですけど、買いたくなってきました……どうしよう。これはまた読みたくなるなあ。買っておくか。読みたくなったときに買うか。うーん。
<ここからだらだら日記>
うちの職場は、現代社会一般の中では、女性蔑視の風潮はかなり少ない方です。が、少ない=ゼロではない。「女性は出世できない」というほどではないけれど、ある程度以上の役職の方はほとんど男性です。これはまあ、男女差別の問題だけではなくて、五十?六十代の女性は職場内にそもそも数が少ないというのもありますが。
自分自身は出世したくない派なんで、それはいいんですけど。下っ端の仕事を一生懸命やりたい。部下をまとめる器量とかもないですし。大きな責任を背負うのが嫌な、今どきの若者です。……若者ですから! (大事なことなので二回言いました)
さておき、この本を貸してくれた方は、いま在籍している女性陣の中では一番の出世頭です。
個人的にすっごく尊敬しています。出世しておられるから、ではありません。出世しておられるのに、気さくで肩肘張ったところがなく、部下の話をよく聞いてくださり、仕事が誠実で丁寧だからです。
男女雇用機会均等法の成立以降、男女比が同じくらいになるように、女性の登用が盛んだった時期があります。そういう時期に働き盛りだった女性には、男性陣に舐められまいと仕事に情熱を注ぐあまり、肩肘張ってとんがった方も多いものですけれど(そうした人々が必ずしも嫌な女だとも思いませんけど、それはさておき)、この方にはぜんぜんそんなところがないんですよね。いつも優しいんです。おっとりしていて、気配りが細やか。
じゃあ、仕事ができない人なのかというと、そんなことはない。ぱっと目に見える派手な有能さではないんですが、よく見ていると、非常に仕事が早く丁寧で、色々なことに濃やかな心配りをされている。
でもそれが、わかりにくいんでしょうか。今の職場で、男性陣の数名が、本人がおられないところでぶうぶう言うんですよね。「あの人は分かってない、あんなやり方じゃだめだ」という感じ。
最初はびっくりして、ホントにそうなんだろうかと思って、仕事の合間に気にしていたんですけど、見る限りぜんぜんそんなことはない。
もちろん、仕事は気配りさえできればいいっていうもんじゃないです。偉い人だし、リーダーシップとか決断力とか先を見通す広い視野とか、その他色々必要だと思うんですけど、そうした部分についても、他の管理職の方々に比べて、それほど大きな遜色があるようには見えないんですよね。
もっとも私は、その方と別の職場でも一緒に仕事をしたことがあって、そのときに気持ちよく働かせていただいたので、贔屓目のようなものがあるかもしれないんですけど。それに、私の頭ではおいつかないような、男性陣の仕事に対する信念というか理屈があって、その基準で言うと本当に「だめ」なのかもしれないし。
けど、もしかして、ひょっとしたら、これが男性だったら、こんな不満は出てこないんじゃないかなあ……。
ぽつりと思って、口には出さないその思いが、胸の端っこのところにひっかかっています。
その男性陣の心の中の、表には出さないところ、ひょっとしたら自分でも自覚していない部分に、女性の下で働かないといけないことに対する微妙な鬱屈があって、見えないところでそれが色眼鏡になって、上司への評価を邪魔してるんじゃないかなあ。
邪推かもしれません。
まあ、正直私も、人のことを責めれた立場じゃないんですけど。
たとえば「仕事がさばけない上に人に押し付けて、押し付けた相手がものすごい大変そうにしているのに、自分は残業せずにさっさと帰る」ような人がいるとき。(家庭の事情とかで、すまなさそうにしながら帰る人とかは別ですけどね)
その相手が女性なら、内心の愚痴は「あーもう、迷惑だなあ」くらいで終わりだけど、男性だったら「ふざけんな、誰のせいでこっちが残業してんだ、さっさと辞めろボケ!」くらいはこっそり思ってます。それは女尊男卑だよ!
ごまかしなく言えば、心のどこかでたぶん「野郎はきりきり働け!」と思ってます。ホントはそうじゃないんだよ。頭じゃちゃんと分かってる。男だからって、誰も身を削って働く必要なんかないんです。男女の区別なく、誰でも仕事は責任もって丁寧にやってほしいけど、家庭と両立して欲しいし、体や心を壊すまで残業しないで欲しい。それが理想。
でも現実に、仕事量がまるで追いついてなくて、一部の人は過大な残業をこなしていて、なのに一方では、勤務中もしょっちゅう休憩に立ち、終業になったらさっさと帰り、それで悪びれない人もいる。下手をすると他の人が残業していることにも、気付いていない。その不公平感の方が(つまり感情の方が)、理想論より先に立つんですね。
そういう人だって、話してみれば必ずしも嫌な人ではない。「仕事はできないけどいい人」は、嫌いではないけど、一緒に仕事はしたくない。少なくとも忙しい部署では。そこが私の悪いクセ、心が狭いというか、底の浅いところ。
「仕事はできないけど、面白い人」とかが、職場で実は役に立っていることだってあるんですし。限られた場面で威力を発揮する得意技があるとか(仕事は雑だけどトラブル処理は上手、とか)、場を和ませることができるとか。場が和むってすごく大事なことで、それがあるのとないのとでは、働くストレスが全然違うし。
だからもっとおおらかな、ゆるーい視点でものごとを見たいなあと、常々思ってはいるんです。自分もそこそこ暇なときはそれができるんですけど、忙しくなると自分のことでいっぱいいっぱいになるから、他人を見る目も冷たくなりがちというか。心がすさむというか。
たとえば仕事のできない社員をいっぱいおいててもたっぷり余裕があるような、そんな会社だらけの社会だったらいいのに。仕事のできない人が部署に何人も混ざってても、残りの人が残業に追われずに、ゆったり切り回せる会社。
誰だって、自分が大変なのに横でさぼってる人がいると腹が立つけど、自分もそこそこ余力があるなら、苦笑しながらわりと仲良くやれると思うんだ。……こんな不況の中で、なんてファンタジー。
実際には、余力があっていらない暇が出来たら、そのぶん人間関係のイザコザが増えたりするかもしれないんですけど。その辺、どうなんだろうなー。不景気になってからしか働いたことがないからわかりません。
うわあ、これはいい。働く女性にはぜひ読んでほしい。
主人公の女性は三十七歳、未婚、入社十四年と十ヶ月、一流企業の企画部で、肩書きは課長、年収一千万円クラスの本物のキャリアウーマン。仕事はできる、代わりに職場では煙たがられている。ひとりぼっちのランチタイムにはもう慣れた。必死にとんがりながら、オフィスに渦巻く悪意や嫉妬と必死に闘い続けるワーキングガール。
バリバリ働きながら人当たりもいい完璧なカッコイイ女、でもないし、ただの嫌なお局様、でもない。会社で口にしない弱音もたくさんある。でも最後のところでくじけない。闘う。
仕事は好きだけど冴えないヒラな私にも「あるある!!」と思えるようなところもばっちりあって、しっかり共感できるんですよね。アオリの「全国のOLから共感の声」「慢性的な精神疲労に、よく効きます」が納得。
痛快! なんだけど、ただの快進撃じゃない。大好き。
……職場の偉い人(女性)が貸してくださったんですけど、買いたくなってきました……どうしよう。これはまた読みたくなるなあ。買っておくか。読みたくなったときに買うか。うーん。
<ここからだらだら日記>
うちの職場は、現代社会一般の中では、女性蔑視の風潮はかなり少ない方です。が、少ない=ゼロではない。「女性は出世できない」というほどではないけれど、ある程度以上の役職の方はほとんど男性です。これはまあ、男女差別の問題だけではなくて、五十?六十代の女性は職場内にそもそも数が少ないというのもありますが。
自分自身は出世したくない派なんで、それはいいんですけど。下っ端の仕事を一生懸命やりたい。部下をまとめる器量とかもないですし。大きな責任を背負うのが嫌な、今どきの若者です。……若者ですから! (大事なことなので二回言いました)
さておき、この本を貸してくれた方は、いま在籍している女性陣の中では一番の出世頭です。
個人的にすっごく尊敬しています。出世しておられるから、ではありません。出世しておられるのに、気さくで肩肘張ったところがなく、部下の話をよく聞いてくださり、仕事が誠実で丁寧だからです。
男女雇用機会均等法の成立以降、男女比が同じくらいになるように、女性の登用が盛んだった時期があります。そういう時期に働き盛りだった女性には、男性陣に舐められまいと仕事に情熱を注ぐあまり、肩肘張ってとんがった方も多いものですけれど(そうした人々が必ずしも嫌な女だとも思いませんけど、それはさておき)、この方にはぜんぜんそんなところがないんですよね。いつも優しいんです。おっとりしていて、気配りが細やか。
じゃあ、仕事ができない人なのかというと、そんなことはない。ぱっと目に見える派手な有能さではないんですが、よく見ていると、非常に仕事が早く丁寧で、色々なことに濃やかな心配りをされている。
でもそれが、わかりにくいんでしょうか。今の職場で、男性陣の数名が、本人がおられないところでぶうぶう言うんですよね。「あの人は分かってない、あんなやり方じゃだめだ」という感じ。
最初はびっくりして、ホントにそうなんだろうかと思って、仕事の合間に気にしていたんですけど、見る限りぜんぜんそんなことはない。
もちろん、仕事は気配りさえできればいいっていうもんじゃないです。偉い人だし、リーダーシップとか決断力とか先を見通す広い視野とか、その他色々必要だと思うんですけど、そうした部分についても、他の管理職の方々に比べて、それほど大きな遜色があるようには見えないんですよね。
もっとも私は、その方と別の職場でも一緒に仕事をしたことがあって、そのときに気持ちよく働かせていただいたので、贔屓目のようなものがあるかもしれないんですけど。それに、私の頭ではおいつかないような、男性陣の仕事に対する信念というか理屈があって、その基準で言うと本当に「だめ」なのかもしれないし。
けど、もしかして、ひょっとしたら、これが男性だったら、こんな不満は出てこないんじゃないかなあ……。
ぽつりと思って、口には出さないその思いが、胸の端っこのところにひっかかっています。
その男性陣の心の中の、表には出さないところ、ひょっとしたら自分でも自覚していない部分に、女性の下で働かないといけないことに対する微妙な鬱屈があって、見えないところでそれが色眼鏡になって、上司への評価を邪魔してるんじゃないかなあ。
邪推かもしれません。
まあ、正直私も、人のことを責めれた立場じゃないんですけど。
たとえば「仕事がさばけない上に人に押し付けて、押し付けた相手がものすごい大変そうにしているのに、自分は残業せずにさっさと帰る」ような人がいるとき。(家庭の事情とかで、すまなさそうにしながら帰る人とかは別ですけどね)
その相手が女性なら、内心の愚痴は「あーもう、迷惑だなあ」くらいで終わりだけど、男性だったら「ふざけんな、誰のせいでこっちが残業してんだ、さっさと辞めろボケ!」くらいはこっそり思ってます。それは女尊男卑だよ!
ごまかしなく言えば、心のどこかでたぶん「野郎はきりきり働け!」と思ってます。ホントはそうじゃないんだよ。頭じゃちゃんと分かってる。男だからって、誰も身を削って働く必要なんかないんです。男女の区別なく、誰でも仕事は責任もって丁寧にやってほしいけど、家庭と両立して欲しいし、体や心を壊すまで残業しないで欲しい。それが理想。
でも現実に、仕事量がまるで追いついてなくて、一部の人は過大な残業をこなしていて、なのに一方では、勤務中もしょっちゅう休憩に立ち、終業になったらさっさと帰り、それで悪びれない人もいる。下手をすると他の人が残業していることにも、気付いていない。その不公平感の方が(つまり感情の方が)、理想論より先に立つんですね。
そういう人だって、話してみれば必ずしも嫌な人ではない。「仕事はできないけどいい人」は、嫌いではないけど、一緒に仕事はしたくない。少なくとも忙しい部署では。そこが私の悪いクセ、心が狭いというか、底の浅いところ。
「仕事はできないけど、面白い人」とかが、職場で実は役に立っていることだってあるんですし。限られた場面で威力を発揮する得意技があるとか(仕事は雑だけどトラブル処理は上手、とか)、場を和ませることができるとか。場が和むってすごく大事なことで、それがあるのとないのとでは、働くストレスが全然違うし。
だからもっとおおらかな、ゆるーい視点でものごとを見たいなあと、常々思ってはいるんです。自分もそこそこ暇なときはそれができるんですけど、忙しくなると自分のことでいっぱいいっぱいになるから、他人を見る目も冷たくなりがちというか。心がすさむというか。
たとえば仕事のできない社員をいっぱいおいててもたっぷり余裕があるような、そんな会社だらけの社会だったらいいのに。仕事のできない人が部署に何人も混ざってても、残りの人が残業に追われずに、ゆったり切り回せる会社。
誰だって、自分が大変なのに横でさぼってる人がいると腹が立つけど、自分もそこそこ余力があるなら、苦笑しながらわりと仲良くやれると思うんだ。……こんな不況の中で、なんてファンタジー。
実際には、余力があっていらない暇が出来たら、そのぶん人間関係のイザコザが増えたりするかもしれないんですけど。その辺、どうなんだろうなー。不景気になってからしか働いたことがないからわかりません。
プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
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