小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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読了。
叔母が亡くなったあと、「私」の手に譲られた、先祖伝来の「ぬかどこ」。ある日、ぬか床をかき回すと、中から卵のようなものが出てきて……
幻想ファンタジーかと思えば、急に生物学の話題へ。ただのSFでもないし、ただのファンタジーでもない。
酵母、菌類や生物の細胞、の生殖についてのミクロな話から、殖え、多様性を獲得し、ときに消えてゆくすべての生き物、宇宙、についてのマクロな物語へ。
個と全体、自分とそのほかのものの境界。連綿と続いていく命、ということ。形を変えながらも続いていこうとする意思。受け継がれるものと変容していくもの。『からくりからくさ』でも主題とされていたテーマですが、また少し違う切り口から描かれています。
濃密な幻想の匂いをまとって、物語があちこち行ったり来たりしますが、描かれているものが上っ面のことだけじゃなくて、根幹にひとつ確かなテーマを背負っているから、話が軽くならない。
読む人によって好みが分かれそうな気はしますが、私は好きだなあ。
途中、人の手の入らない森、それから人が居なくなって植物に呑まれていく過程にある廃墟の、圧倒的な生命力を持って繁茂する植物の描写が圧巻。
叔母が亡くなったあと、「私」の手に譲られた、先祖伝来の「ぬかどこ」。ある日、ぬか床をかき回すと、中から卵のようなものが出てきて……
幻想ファンタジーかと思えば、急に生物学の話題へ。ただのSFでもないし、ただのファンタジーでもない。
酵母、菌類や生物の細胞、の生殖についてのミクロな話から、殖え、多様性を獲得し、ときに消えてゆくすべての生き物、宇宙、についてのマクロな物語へ。
個と全体、自分とそのほかのものの境界。連綿と続いていく命、ということ。形を変えながらも続いていこうとする意思。受け継がれるものと変容していくもの。『からくりからくさ』でも主題とされていたテーマですが、また少し違う切り口から描かれています。
濃密な幻想の匂いをまとって、物語があちこち行ったり来たりしますが、描かれているものが上っ面のことだけじゃなくて、根幹にひとつ確かなテーマを背負っているから、話が軽くならない。
読む人によって好みが分かれそうな気はしますが、私は好きだなあ。
途中、人の手の入らない森、それから人が居なくなって植物に呑まれていく過程にある廃墟の、圧倒的な生命力を持って繁茂する植物の描写が圧巻。
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このごろ気付けばいつも、恋敵の女性が死ぬ場面を夢想している。そういう自分が、恐ろしくて堪らない……そう打ち明けた主人公に、男は言った。「あなたが、その女性の死について空想してしまうのは、あなたに予知能力があるせいだ、とわたしが言ったら、あなたは信じるだろうか」
好きな相手と寿命を交換して、代わりに自分が死ぬことができるとすれば、どうするか。
命と引き換えにしてでも生み出したいと思うような創造の嵐に触れたとき、人はどうするか。
死神・島野と関わった女性を主人公にした中篇が二本。自分の中の心の闇と戦う話でもあります。
こないだ読んだ『ワーキングガール・ウォーズ』がすごく面白かったので、書店で見かけた瞬間に衝動買い。
本作もなかなか面白かったんですけど、前回の方がよかったな。いずれ他の本にも手を出してみようと思っているんですが、多作な作家さんのようなので、どこから手をつけようか……。ぼちぼち探してみます。
好きな相手と寿命を交換して、代わりに自分が死ぬことができるとすれば、どうするか。
命と引き換えにしてでも生み出したいと思うような創造の嵐に触れたとき、人はどうするか。
死神・島野と関わった女性を主人公にした中篇が二本。自分の中の心の闇と戦う話でもあります。
こないだ読んだ『ワーキングガール・ウォーズ』がすごく面白かったので、書店で見かけた瞬間に衝動買い。
本作もなかなか面白かったんですけど、前回の方がよかったな。いずれ他の本にも手を出してみようと思っているんですが、多作な作家さんのようなので、どこから手をつけようか……。ぼちぼち探してみます。
読了。
成瀬将虎は、女好きだ。単にセックスをしたいというだけではなく、「魂が震えるような女とめぐりあいたい」――そんな“妄想”を抱いてすらいる。
以前、成瀬は私立探偵をしていた時期がある。それは結局半人前にもならないうちに辞めてしまったのだが、今になって友人の女性に依頼され、素人探偵を気取って悪徳商法の調査に踏み出すことになった。彼女の家族が被害にあい、更に知らないうちに保険金を掛けられた挙げ句、轢き逃げされたのだという……
タイトルに惹かれて手にとってみると、裏表紙のあらすじに「必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。」と書かれている。そこまで薦められると読みたくなる。ということで、ふらっと購入。
……すっごく面白かった!
ものすごくさりげない伏線と、後半のどんでん返し。それまでの先入観がひっくり返った瞬間には「うそ!?」と思い、振り返ると「あ、そういえば……ええー!?」と思い当たる。こういう楽しさがあるから、ミステリを読むのはやめられないんですねえ。
映像じゃ無理な、小説だからこそできるミスリードを使った技法。こういうの大好きです。あんまり語るとネタバレになりそうなので、詳しくは差し控えるとして。
いやあ、それにしてもこの主人公、最初は「あんまり好きになれないかも?」と思いながら読み出したんですけど、これが大間違い。後半で株がだだ上がりしました。最高にイケてる!
成瀬将虎は、女好きだ。単にセックスをしたいというだけではなく、「魂が震えるような女とめぐりあいたい」――そんな“妄想”を抱いてすらいる。
以前、成瀬は私立探偵をしていた時期がある。それは結局半人前にもならないうちに辞めてしまったのだが、今になって友人の女性に依頼され、素人探偵を気取って悪徳商法の調査に踏み出すことになった。彼女の家族が被害にあい、更に知らないうちに保険金を掛けられた挙げ句、轢き逃げされたのだという……
タイトルに惹かれて手にとってみると、裏表紙のあらすじに「必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。」と書かれている。そこまで薦められると読みたくなる。ということで、ふらっと購入。
……すっごく面白かった!
ものすごくさりげない伏線と、後半のどんでん返し。それまでの先入観がひっくり返った瞬間には「うそ!?」と思い、振り返ると「あ、そういえば……ええー!?」と思い当たる。こういう楽しさがあるから、ミステリを読むのはやめられないんですねえ。
映像じゃ無理な、小説だからこそできるミスリードを使った技法。こういうの大好きです。あんまり語るとネタバレになりそうなので、詳しくは差し控えるとして。
いやあ、それにしてもこの主人公、最初は「あんまり好きになれないかも?」と思いながら読み出したんですけど、これが大間違い。後半で株がだだ上がりしました。最高にイケてる!
読了。
米軍基地の近くにある町。基地の兵士と、麻薬に溺れる若者たち。繰り返される、飽食と麻薬と乱交のパーティ。日常的に繰り返される乱痴気騒ぎと暴力。
青春小説。眩暈のするようなイメージの奔流、まるで詩のような文体。淡々と描かれる暴力と堕落、退廃、停滞、自棄、倦怠と悲哀、現実との解離、回帰願望。青年ならではの危うさ。
危うさどころか、どっぷり首までインモラルな世界に漬かりきっていて、果てしなく破滅的。麻薬は日常的、酩酊したまま車を運転して基地に突っ込むし、電車に乗っていた見知らぬ女性に暴行は加える。もう無茶苦茶だし、あまりに痛々しいし、淡々と描かれているとはいえグロテスクな描写も多い。賛否両論真っ二つというのも頷けます。
自分の倫理感覚からいうと、絶賛するのも気がひけるんだけど、たとえば十代の若い人に面と向かって「これを読んで村上龍のファンになった」とか言われたりしたら心配になると思うんだけど、ただ、誤解を恐れずに言えば……良かった。
刺激的だからとか雰囲気がカッコイイからとかではなく、むしろ痛々しくいたたまれない話だと思うんですけど。でもひとつ、すごく好きなシーンがあります。
ジャンキーの友人が主人公に向かって、「お前、フルートを吹けよ」と話しかける、ただそれだけの、会話だけのシーンなんですけど。ヘロインが切れて、もうヘロインが欲しくて欲しくてヘロインのためなら人でも殺そうってときに、ガタガタ震えて気が狂うほどヘロインを打ちたいと思うのに、なのに自分とヘロインだけじゃあ何か足りないような気がして、その足りないものは、お前があのとき吹いてくれたフルートだと思う、だからお前はフルートを吹けよ――
なんだか、しばらく胸に残って、何度も思い返すような、そんな気がします。
米軍基地の近くにある町。基地の兵士と、麻薬に溺れる若者たち。繰り返される、飽食と麻薬と乱交のパーティ。日常的に繰り返される乱痴気騒ぎと暴力。
青春小説。眩暈のするようなイメージの奔流、まるで詩のような文体。淡々と描かれる暴力と堕落、退廃、停滞、自棄、倦怠と悲哀、現実との解離、回帰願望。青年ならではの危うさ。
危うさどころか、どっぷり首までインモラルな世界に漬かりきっていて、果てしなく破滅的。麻薬は日常的、酩酊したまま車を運転して基地に突っ込むし、電車に乗っていた見知らぬ女性に暴行は加える。もう無茶苦茶だし、あまりに痛々しいし、淡々と描かれているとはいえグロテスクな描写も多い。賛否両論真っ二つというのも頷けます。
自分の倫理感覚からいうと、絶賛するのも気がひけるんだけど、たとえば十代の若い人に面と向かって「これを読んで村上龍のファンになった」とか言われたりしたら心配になると思うんだけど、ただ、誤解を恐れずに言えば……良かった。
刺激的だからとか雰囲気がカッコイイからとかではなく、むしろ痛々しくいたたまれない話だと思うんですけど。でもひとつ、すごく好きなシーンがあります。
ジャンキーの友人が主人公に向かって、「お前、フルートを吹けよ」と話しかける、ただそれだけの、会話だけのシーンなんですけど。ヘロインが切れて、もうヘロインが欲しくて欲しくてヘロインのためなら人でも殺そうってときに、ガタガタ震えて気が狂うほどヘロインを打ちたいと思うのに、なのに自分とヘロインだけじゃあ何か足りないような気がして、その足りないものは、お前があのとき吹いてくれたフルートだと思う、だからお前はフルートを吹けよ――
なんだか、しばらく胸に残って、何度も思い返すような、そんな気がします。
読了。
舞台は中国、ときは清代、西太后が権力を握る頃。
滅びに向かっていく国。星の定めに導かれ、あるいは自らの力で定めを覆して歴史を作っていく人々。科挙を受けて進士となった役人、軍人、宦官、満人の皇族たち。その功罪。貧しい農村で飢え凍える民。宮中の陰謀、外交、連綿と続く歴史の重み。
面白かった!
読み応え抜群です。たぶん細かいところを無粋に突っ込もうと思えば、突っ込みどころはあると思うんですが(話を端折られた感じがする部分があるとか、若干ご都合キャラに見える人物がいるとか)そういうことは二の次。『いい小説って何』ということについては、突き詰めていくと「面白い」「心に響く」の二点に集約されると思うんですが、そういう意味で文句なく良かったです。胸に迫る名シーンがたくさんあります。
滅び行く国の物語だけど、それよりも、根深い差別と人の誇りの話、かなあ。英雄の話でもあるし、愛の話かもしれません。いろんな角度からの読み方ができる懐の深さがあるように思います。
ところで今さらですが、これ、もしかして「珍妃の井戸」「中原の虹」に続いてる……?(ごくり)
最近、ほとんど読んでばっかりで他に何もしないものだから、読書量を意図的に減らそうかと思わなくもないんですけど…………いいや、読もうっと。下手に我慢しようと思うと自分に裏切られるから。買うつもりのなかった大量の本を抱えて自分に呆然とするのはもうこりごりだよ!
舞台は中国、ときは清代、西太后が権力を握る頃。
滅びに向かっていく国。星の定めに導かれ、あるいは自らの力で定めを覆して歴史を作っていく人々。科挙を受けて進士となった役人、軍人、宦官、満人の皇族たち。その功罪。貧しい農村で飢え凍える民。宮中の陰謀、外交、連綿と続く歴史の重み。
面白かった!
読み応え抜群です。たぶん細かいところを無粋に突っ込もうと思えば、突っ込みどころはあると思うんですが(話を端折られた感じがする部分があるとか、若干ご都合キャラに見える人物がいるとか)そういうことは二の次。『いい小説って何』ということについては、突き詰めていくと「面白い」「心に響く」の二点に集約されると思うんですが、そういう意味で文句なく良かったです。胸に迫る名シーンがたくさんあります。
滅び行く国の物語だけど、それよりも、根深い差別と人の誇りの話、かなあ。英雄の話でもあるし、愛の話かもしれません。いろんな角度からの読み方ができる懐の深さがあるように思います。
ところで今さらですが、これ、もしかして「珍妃の井戸」「中原の虹」に続いてる……?(ごくり)
最近、ほとんど読んでばっかりで他に何もしないものだから、読書量を意図的に減らそうかと思わなくもないんですけど…………いいや、読もうっと。下手に我慢しようと思うと自分に裏切られるから。買うつもりのなかった大量の本を抱えて自分に呆然とするのはもうこりごりだよ!
プロフィール
HN:
朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
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