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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。

 最終世界大戦により、放射能に汚染された灰が降り続ける地球では、ほとんどの生き物が死に絶え、人類の多くは火星に逃げるように移住して、一部の人間だけが汚染の危険にさらされながら、いまだに地球に留まっている。
 主人公は賞金稼ぎで、脱走した危険なアンドロイドを始末するのが仕事。一方、火星の不毛の大地を開拓する移民たちの間では、より人間らしいアンドロイドを求める嗜好が強まって、一見したところでは生身の人間と区別のつかないアンドロイドが次々に開発されていて……。

 有名なSF作品ですね。SFがぜんぜん分からないので、まずは有名どころから少しずつ読もうと思って手にとって見たのですが、いやあ、面白かった!
 移住政策の結果、がらんとして人の少なくなった地球。放置され、朽ちていく建物。機械で自在にコントロールできるようになった感情、作り物のやすらぎ。人にそっくりだけど、決定的に異なるアンドロイドたち。押し寄せる圧倒的な孤独、人恋しさ。人間とアンドロイドの違いとは、人間とは……。

 わたしの場合、学が無いので、現代科学に照らし合わせた検証とかって、あまり分からないので、SFでもファンタジーでも架空戦記でも、なんとなくそれっぽければ大満足しちゃうんですが、「それっぽさ」の演出って、フィクションでは大事ですよね。もっともらしさというか。
 トンデモ設定のなかに身近な感覚が潜んでいたり、でまかせのくせに変な説得力のあるウンチクが混じっていたり。そういうの好きなんです。
 この作品でそういう空気を作っているのが、タイトルにもなっている「電気羊」の存在。

 放射能の灰が降り続ける世界で、生きた動物のほとんどが絶滅してしまって、地球に残った人類だって、いつおかしくなるか分からない。そんな中で、本物の動物は希少で、手に入れるのにもかなりの金がかかる。けれど、生きた動物を飼っていることがステイタスとされていて、何も動物を飼わない人間は見下される。それで、本物の動物を買うだけの余裕のない人間は、模造動物(本物そっくりの精巧な動物型ロボット)を買って、さもそれが生きた本物のペットであるかのようなふりをしている。
 その模造動物の修理をする会社は、表向き、動物病院を装っていて、電話すれば、ちゃんと獣医のようなかっこうをした運転手が故障した引き取りにきてくれる。
 そんな会社のひとつで働く男が、新顔の客から電話をもらって模造動物を引き取りに行ったところ、押し付けられた猫は、ぜいぜいと喘いで苦しんでいる。
 なにせ、本物のふりをして飼うことが目的なのだから、模造動物は故障すると、機械であるということを他人に見破られないように、リアルな動作で苦しんで見せるような仕様になっているのだ。それにしても、どう見ても本物にしか見えない。これは精巧なつくりだと感心しながら、男は会社に戻るが、よくよく見るとそれは本物の生きた猫で……
 設定をひとつずつまじめに検証すれば、アラがたくさん出るんだろうけども、そういう皮肉なエピソードがひとつずつ、もっともらしい空気を作ってるんですよね。

 こういうの好きだー。もっとSFいろいろ読もうと思いました。

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 読了。

 ある朝アーサー・デントが、我が家を取り壊そうとしているブルドーザーに気付き、工事責任者を問い詰めると、責任者は、ここにバイパスを作る工事の公示はもうずっと前からしてあったんだから、抗議するならもっと前に申し出ればよかったのだという。アーサーが、工事のことなんか知らなかったと抗議すると、責任者は言った。「ですがね、ミスター・デント、計画はもう九か月も前から地元の設計課で閲覧できるようになってたんですよ」
 納得がいかず座り込みを続けるアーサーのもとを、友人のフォードが訪ねて「すごく重要な話があるから、いますぐちょっと来てくれ」と言う。それどころではないとアーサーは抵抗するが、フォードは「地球が終わるまであと十二分ほどしかない」と妙なことをいいだして、強引にアーサーを連れて近所のパブに場所を移す。
 十数分後、本当に大軍の宇宙船がやってきて、いきなり全世界へ放送をはじめた。『すでにお気づきと思いますが、銀河外縁部開発計画に基づき、この星系を通る超空間高速道路の建造が不可欠となりました。まことに遺憾ながら、地球は取り壊し予定惑星のひとつになっております。工事は地球時間にして二分足らずで完了の予定です。以上です』
 地球の要人が抗議をとなえると、彼らは言い返す。『いまごろ大騒ぎしてなんになる。設計図も破壊命令も、最寄りの土木建設課出張所に貼り出してあっただろう。アルファ・ケンタウリの出張所に地球年にして五十年も前から出てたんだから、正式に不服申立をする時間はいくらでもあったはずだ。』――

 正直、英国人の皮肉のセンスを舐めてました……! いやはや、ツボにどんぴしゃではまりました。
 突拍子もないはちゃめちゃな展開と、ものすごいシュールな設定、くだらないジョークとブラックなユーモア、そして哲学の香りとが、なんとも絶妙な融合を見せています。こういうの大好き!
 うつ病のロボットがふてくされて、自分で自分のスイッチを切って眠るシーンがありまして、思わず吹き出してしまって、それからちょっとしんみりしました……。

 どうやら続きがあって、三部作になっているそうです。続きもそのうち買おうっと。

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 読了。

 主人公・イタルは、駅の改札を出ようとしたところで、切符がポケットにないことに気付く。
 キップがないと駅から出られないから、なくしたら駄目よと、いつか母親が言った言葉を思い出して焦るイタルに、知らない女の子が「おいで」と声をかけてくる。
 ついていくと、駅の構内には不思議な詰所があった。駅では切符をなくして改札から出られなくなった子ども達が、「駅の子供」として寝泊りしているらしい。
 駅の子ども達は、改札を出さえしなければどの電車に乗ってもいいし、駅内の店であればどこでも無料で利用することができる。その代わり、平日の朝と夕方、手分けして駅のホームに立ち、ラッシュに押されて困っている子供たちや、ホームに落ちそうになっている子供たちを助けるという仕事を任されている……。

 池澤さんにしてはちょっと珍しい、可愛らしい感じのファンタジー。ちょっと不思議で、でも細部にリアリティーがあって、少し切なくて、子供たちの成長と友情がとても微笑ましい。
 駅の子供たちの中には、もうすでに死んでいる女の子も出てきます。死んだらどこかに行かなくてはいけないらしい、けれどまだ決心がつかない。駅長さんはそんな彼女に、決心がつくまでは、しばらく駅にいていいよと言ったらしいのだけれども、彼女は遺していく母親が気になって、なかなか思い切りがつけられずにいます。
 人は死んだらどうなるのか。作中で語られる生死感が、何だかすごく池澤さんらしくて、じんわり好きです。

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 読了。

 密室殺人や時刻表トリック、バラバラ死体、凶器の消失、消える犯人。『天下一シリーズ』という探偵小説、のメイン登場人物であるボンクラ刑事が、「推理小説の登場人物にだって苦労が多いんだ」と読者に向かってぼやき、作者や過去の推理小説作品を批判しながら、自分の役どころに沿って事件の謎を明かしてしまわないように努力を続けます。謎を解くのは、名探偵がやらないといけないから、うっかり刑事が真相にたどり着いてはならないわけですね。
 主人公の刑事や探偵が、ときどき小説の役から外れた顔をして、作者に文句をつけたり、読者に愚痴をこぼしたりする。メタフィクションというやつですね。
 本格推理小説作品の欠陥、“お約束”の不条理さを皮肉に笑い飛ばす、風刺に満ちた一冊。

 母がドラマを観て買ってきたとのことで、読ませてもらったんですけど、正直、私には微妙でした。ちょっとくすりと笑えて、そこそこ面白くはあったんだけど、絶賛するほどはハマらなかったなあ。
 というのが、純粋にコメディとして楽しむにはやや笑いのツボが微妙にあわず、あるいは私が本格推理好きだったら、風刺部分で深い感慨があったのかもしれないのだけれども、そもそも本格推理小説そのものが苦手なんですよね。
 ミステリ小説そのものは好きなんだけども、人間ドラマやストーリーテリングに力の入ったものが好きで、トリックや推理に重点をおいたものはあまり楽しめないんです。頭が悪くて、推理そのものを楽しむことができないのが問題なんですが……。

 ということで、個人的な感想としては「うーん、微妙」、しかし本格推理ファンの方には根強い人気があるそうで、たしかに、好きな方は好きだろうなあと思いました。本格推理小説への愛があってこその楽しみ方ができるのかも。

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 読了。シリーズ二作目。

 陽気な銀行強盗チームの四人が、それぞれに関わった小事件。それが意外なところでつながりを見せて、気付けばいつもの四人で協力して、誘拐された社長令嬢を救出することに……。

 やっぱり面白かった! いやもう、読んでいてひたすら楽しかったです。
 伊坂さんの、次をどんどん読みたくなるような興味を引く書き方って、ほんと真似したいくらい。こんなにわくわくできる本に出会える機会って貴重です。
 ……っと、もしかしたら伊坂さんファンの贔屓目もちょっと入っているかもしれませんが。

 一作目を読んでから楽しむのが○です。
 文庫化にあたって、短い書下ろしがついているので、新書版をすでに読まれたファンの方も、図書館などで文庫版を探してみられてもいいかもです。

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プロフィール
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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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自己紹介:
朝陽遥(アサヒ ハルカ)またはHAL.Aの名義であちこち出没します。お気軽にかまってやっていただけるとうれしいです。詳しくはこちらから
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