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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。すこしまえに文庫化したとのことで、いそいそ買ってきて、そのまま積んでました。最近、読むのを自粛しているのに、買うのをやめていないので、積み本がすごいです。行動が矛盾している……!

 さておき、本題。
 表題作ほか3編が収録された短編集。『ラッシュライフ』に登場したハードボイルドな泥棒・黒澤さんや、同じ作品に出てきた郵便局強盗の老夫婦など、懐かしい顔ぶれがちらほら登場します。

 真夜中の動物園で野宿している、彼がいるだけでふしぎと動物たちに活気が出て、「動物園にエンジンがかかる」と言われる変わり者の男。単純でちょっと間抜けな、お人よしの空き巣。父親から正義の味方になれと言いきかされて育った数学教師。
 いつもながら、ちょっと一癖ある登場人物たちがとてもいきいきしていて、魅力的です。表題作の『フィッシュストーリー』が一番好きかなあ。

 伊坂さんの本って、読み始めたら、ストレスなくぐいぐい読んじゃうんですよね。興味を引くつくり、読みやすい文章、いっぷう変わった、けれど親しみの持てるキャラクター。すごいなあ。なんとかこう、見習いたいものです。

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 読了。

 ものすごく遠い未来を舞台にしたSF。永い永い時の果て、太陽は膨張し、まもなく燃え尽きて新星になろうとしていた。
 地球の自転のバランスが崩れ、常に太陽と同じ面を向けて公転するようになり、月も地球の周りを巡るのをやめた。
 地球の昼の面は、膨張した太陽の熱を受けつづけて灼熱と化し、夜の面は極寒の地となった。ほとんどの動物が滅びに瀕し、かろうじてわずかな種類の獣と虫、海洋生物ばかりが、進化と退化の果てに細々と生き延びている。植物は太陽の恵みを受け、放射線に適応して強靭な生命力を誇り、じつに様々な形へと進化していった。
 動物にとってはあまりに過酷な世界と化した地球にかろうじて適応し生き残った、じきに滅びていこうとしている人間たち。そして瀕死の地球を捨てて、外宇宙へ逃れようとする、わずかな生き物たち。

 かなりトンデモな設定が多々見えていて、「いや、それはないわ」と思うような箇所もけっこうあったけれども、それにしても壮観。これだけ壮大な設定の小説って、なかなか見ないような気がします。
 文字通り沈まない太陽。繁茂する森、人間や他の獣、植物らに襲い掛かる、さまざまな植物。壮絶な自然の中で人はあまりに弱い。

 難を言えば、あともう少し臨場感がほしかった気がします。これだけの圧倒的な異世界に完全に入り込んで読むには、想像力を喚起する描写、リアリティが、もう少しだけ弱かったように思いました。(私の想像力が弱いのかもしれませんが……)
 それにしてもこの想像力はすごい。SFってやっぱりいいなあ。

 また追々、少しずつSF方面に手を広げてみようと思います。

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 読了。すっごくよかった……!

 御手洗潔シリーズ。
 公園で目覚めた男には記憶がなかった。
 心細く彷徨っている所に知り合った若い女の子と運命を感じ、同棲するようになる主人公。二人は深く愛し合い、けれど、男の胸にはいつも不安がある。もし、記憶を失う前の自分に妻子があったら? はじめは、過去を知りたくないと思う主人公だが、やがて、もし妻子があったのであれば、そちらとちゃんと別れるべきだ。このまま不安に追われ続けているよりは……
 けれど、自分の記憶の影を追いかける男に、さらなる不安の影が忍び寄る。もしかして、記憶を失う前に、自分はとんでもないことをしていたのかもしれない――

 いやもう、本当に面白かったです。意外な展開、丁寧な伏線と予想を裏切る形での回収。始終ドキドキしながら読めましたし、今回は主人公に思い切り共感しながら読めたのも大きいかも。夢中で読みました。
 展開も、何か仕掛けがあるだろうと思いながら読んだのだけれども、その期待に応えるだけのストーリーがちゃんと用意されていました。
 ネタバレしたら困るので、詳しくは控えますが……

 また折に触れて島田荘司さんのほかの本も買ってみたいと思います。勧めてくださった片桐さま、かなたさま、(お忙しそうなのでまだこちらをご覧になっているか分かりませんが)本当にありがとうございました!

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 読了。

 ベトナム戦争の最中、本土返還の前後の沖縄・嘉手納を舞台に、ひっそりと自分たちの戦いをした、立場も素性もそれぞれに違う四人。
 スパイ――米軍がベトナム・ハノイに落とす爆弾の情報を事前に盗み出し、先にハノイ側に流すことで、事前に可能な限り避難と重要なものの持ち出しを進めようという仕事。そんな戦いに、互いの顔も素性もよく知らないままに参加した4人。米軍の事務官として、カデナの人気バンドのドラムスとして、個人商店の老店主として、貿易会社の社員として、それぞれあくまで普通の暮らしをしながら、秘密裏にほんの少し、手を貸して。

 遠くの国で暮らす大勢の人の命を救うために、身近に暮らす友人たちを裏切るということ。大きな罪を避けるために、小さな罪を犯すことは、正しいのだろうか。
 正義のためとか、国のためにといった漠然としたことではなく、出撃する恋人のために、あるいは爆弾を落とされる遠い都市に暮らす人々のために、目の前で戦争に嫌気がさして逃げ出したいと思っている一人の兵士のために、彼らは危険を冒します。

 主人公のひとりの恋人である爆弾を運ぶパイロットの、等身大の苦しみが胸に迫りました。都市に爆弾を落として離脱する、その瞬間の恐怖に耐えかねて、アルコールに逃げる。飲みすぎて飛行できなくなれば、爆弾を運ばずに済む。そう思って作戦前日になると酒に逃げる。けれど本当に出撃拒否することもできない……

 正面から立ち向かってもとても勝てない、国家という巨大な組織に向かって、ほんの少し、こっそりと隙間を擦り抜けるようなやり方で戦った四人。
 ほろ苦く、悲しく、けれど現実と乖離していない人肌のぬくもりのある小説でした。

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 読了。

 遠い未来、銀河系を越えてはるか遠くの宇宙まで進出した人類(ヒューマン)と、共存する数々のエイリアンたち。かれらとのファースト・コンタクトには、さまざまな悲劇やすれ違いがあった。
 連邦創成期のヒューマンの歴史事件をまとめたドキュメンタリー小説、という作中劇のスタイルで、三つの中編が集められて、一つの物語になっています。

 外宇宙を探検する際、通常の通信がとどかない地域からの連絡は、頑丈で指向性のあるカプセルにメッセージを託して、基地に物理的に発出するという方法をとるしかない。カセットや映像記録を送り出す宇宙船側と、受信を待っている基地との間には、数ヶ月から数十年という時間差がある。その時間差を利用したスタイルで、物語が進行していきます。
 リアルタイムではない、託されたメッセージを読むという形で、すでに起きてしまったことが語られているにも関わらず、手に汗握るハラハラ感が演出されていて、思わずのめり込んで読んでいました。

 異星人とのファーストコンタクトには、いつも危険が付きまといます。一歩間違えば、大きな戦争やバイオハザードを引き起こしかねないという状況におかれ、自分の背中に大勢の人命がかかったとき、彼らはどういう行動をとるのか。
 うーん、スリルいっぱいの小説っていいなあ(当たり前のことだけども)。ハラハラしながらのめり込んで読みました。SFの予備知識が少ない私だから、よけいかもしれませんが……

 それにしても、SFってやっぱり読んでて楽しいですねー。どの辺りを入口にしていいか分からなくて、長年先延ばしにしていたんですが、ちょっとずつ手を広げていこうと画策中です。


 続きに拍手へのお返事です。

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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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