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小説を書いたり本を読んだりしてすごす日々のだらだらログ。
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 読了。

 主人公は必死の勉強のすえに銀行員になったにもかかわらず、就職にあわせて上京したとたん重度のアトピーにさいなまれ、何年も耐えながら働き続けたものの、症状は悪化する一方で、とうとう仕事をやめて地元に戻らざるを得なくなった。しばらくの間は無気力になって、呆然自失状態にあった彼だが、リハビリを兼ねてささやかな自営業などをはじめてみてはどうかという人の薦めにしたがって、迷子の犬を探す商売をしようと思い立った。
 ところが、探偵や何でも屋と混同され、失踪人探しに古文書の解読にと、思いもしない事件ばかりが舞い込んでくる。それでも無下には出来ないからと、しぶしぶそうした依頼を引き受けた主人公だったが、調べていくうちに、それぞれの事件が思わぬ様相を見せ……

 コミカルに進みつつも、読みすすめるうちにじわじわっと怖さが滲み出してくる、後半のスリリングな展開がすごい。引き込まれて夢中で読んでいました。怖いです。

 総合するとシリアスで暗めな話なんですけども、途中途中で挿入される小ネタが、とてもユーモラスで楽しいです。
 荻原浩さんの小説『オロロ畑でつかまえて』の題名が小ネタで出てきて、思わず吹いてしまいました。(※サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』をもじったタイトルだが、内容はぜんぜん関係ないコメディ作品)
 米澤さんってもしかして、荻原さんの本、好きなのかな。本作が探偵ものということもあって、思わずにやっとしてしまいました。(※荻原浩さんの書くハートフル探偵小説『ハードボイルド・エッグ』は傑作です)

 いやあ、友達に借りて読んだんですけども、自分で買いそうで怖いです。ま、まずは未読のやつからだな……
 米澤さんの小市民シリーズのほうも、おいおい手を出していこうと思います。米澤さんを薦めてくださった方々、ありがとうございます!

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 読了。

『氷菓』『愚者のエンドロール』に続く<古典部>シリーズの三作目。
 文化祭に沸き立つ中、自分たちの文集をうっかり作りすぎて、なんとか在庫を処分するために、古典部の存在をアピールしようとしていた主人公たち。
 そんな中、小さな事件が起きる。それぞれに出展をしている複数の部活から、いつの間にかささやかな備品が盗まれ、そこには妙な犯行声明が残されていた。たとえばこんなふうに。「占い研究会から 運命の輪は既に失われた 十文字」
 主人公たちは、この事件をうまく集客に利用できないかと考えて……

 人が死んだりはしない日常の謎……なのですが、心情描写がしっかりしていて展開が巧みなので、すごく楽しく読めました。自分が求めても得られない才能をもつ友人を間近で見つめる人間の、嫉妬と友情の間で揺れる複雑な感情が丁寧に描かれていて、思わずしんみり。
 そしてやっぱり端々に挿入されるコミカルな小ネタが、読んでいてとても楽しいです。学園モノ(といってしまっては少しニュアンスが違うかもしれませんが)のお馬鹿なノリも大好物です。おもわず何度か声を出して笑ってしまいました。


 続きに拍手レスのお返事です。

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 読了。

『氷菓』と同じ<古典部>シリーズの二作目。先輩に呼び出され、古典部の四人が見させられたのは、二年生が文化祭に出展する予定の、自主制作ビデオ映画。館モノの密室殺人を描くミステリ映画だが、なぜか途中でぷつりと切れている。聞けば、撮影の半ばで脚本を書いた生徒が倒れてしまったのだという。
 脚本を書いた生徒が、いったいどういう展開を考えていたのか、推理してほしいと頼まれる。そんな責任は負えないと、一度は断りかける主人公だが……

 人が死んだりしない日常もののミステリ。ちょっとほろ苦くて、ちょっと心温まる、いい余韻のある作品でした。
 前作を読んだときにも思いましたが、端々に出てくる小ネタというか小さなギャグのセンスがすごく好きです。

 また、日常モノということで、それほど派手な展開はないにもかかわらず、丁寧に張られた伏線と回収のおかげで、続きが気になってどんどんページをめくってしまうし、気持ちよく読めます。日常ものということを強調してしまいましたが、だからといって内容は軽くもなく、主人公の内面の描写も濃くてよかった。

 三作目の『クドリャフカの順番』まで借りているので、読むのが楽しみです。本好きなトモダチがいるというのは幸せだなあ!

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 読了。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは、手短に」がモットーの主人公・折木奉太郎は、高校生になったばかり。モットーにしたがって帰宅部で通すつもりでいた彼の元に、海外旅行中の姉から、指令の手紙が届く。「古典部に入りなさい。」
 姉は同じ高校の卒業生であり、古典部のOBでもあるという。その古典部が、入部者がおらず、このままだとじきに自動消滅するという状況を迎えており、ただし、4月に入部するものがあれば存続となるという。姉の青春の場を守りなさいという手紙に、姉に逆らえない奉太郎は、しぶしぶながら古典部への入部届けを出す。ところがフタを開けて見れば、廃部どころか、新入部員がほかに3名も出てきた。これなら自分は入らなくてもよかったじゃないかとぼやく奉太郎だったが、好奇心に満ちた仲間たちが彼の元に持ち込む、数々の謎を解くため、彼らに知恵を貸しているうちに、少しずつものごとへの考え方が変わってきて……

 面白かったです。殺人事件とかではない、日常の謎を扱ったミステリで、しっかり興味を引いてくる語りと、古典部員たちそれぞれのキャラクターが面白く、そして細かいところに挿入される小ネタがとても愉快。笑えます。
 軽快で面白く、しかし軽いばかりではなくて、ほろ苦い結末が秀逸でした。

 友達が米澤さんにはまっているそうで、他にも何冊か貸してもらいました。読むのが楽しみです。

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 読了。

 故・寺山修司さんのエッセイ。ふっと書店で目についたので。
 社会とかレールとか、決まりごととか平凡さとか、そういうものには唾を吐きかけて、奔放に生きよう……という本。ボロアパートに住んで高級車に乗ったっていいじゃないか、都会的で軟派なプレイボーイになるマニュアルを読むくらいなら、ステテコをはいて田舎弁丸出しのほうがいい、政府のつごうのいいお題目に流されるな、そういうアレコレです。つまらないレールに乗るな、アウトサイダーであれ……というようなことだと思います。

 紹介に「天才アジテーターによる100%クールな挑発の書」と書いてあるんですけども、どこがクールだったのかは、いまいち分かりませんでした。もしかして男の子にしか分からない世界?

 そもそも私の場合は、世代的にというか性格的にというか、レールの上を大きく踏み外さないで、人の中で浮き過ぎないように周りに合わせて生きることの難しさのほうが、どちらかというと身に沁みているので、あまり共感できるような箇所も多くはなかったのですが、そこはまあ、性別の違いもあるし、それに1935年生まれの、いまとは違う時代を生きた方の主張を、いまの価値観で図れば、違和感があって当然なのかなという気はします。

 さておき、賭博と酒と音楽が好きで、戦前生まれで不道徳で天才だったオジサンという、自分とまるでかけ離れた価値観の人の話を読むのは、やはり興味深くもありました。

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朝陽 遥(アサヒ ハルカ)
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